●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.18.1:1 ~ W-pI.18.3:5

Lesson 18



I am not alone in experiencing the effects of my seeing.
  • alone [əlóun] : 「独りで、孤立して」
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響」
❖ "I am not alone ~ "「私は、私が見ている結果を、単独で経験しているのではない」。神から分離した神の子は深い眠りに陥って、分離を象徴するこの幻想世界を夢に見ている。その幻想世界において、神の子は自らを散り散りに分裂させ、数多くの人格、個人を作り出し、その一人一人に夢を見させている。私という個人は神の子の夢の登場人物であり、あなたという個人も神の子の夢の登場人物である。そして、共に、自分の夢を見、この幻想世界を生きている。つまり、神の子の夢も散り散りに分裂し、多くの夢が複雑に絡まりあって、この幻想世界の現実を形作っているのだ。いわば、多くのキャラクターが登場するバーチャル・ゲームを想像すればいいだろう。
したがって、私が目にし、私が思考し、私が経験することは、その影響をすべて結果として夢に反映する。同様に、他者の思考や経験もすべて、結果として夢に反映する。夢の世界の因果律に束縛されない思考も経験も知覚も存在しないのだ。



1. The idea for today is another step in learning that the thoughts which give rise to what you see are never neutral or unimportant. 
  • another [ənʌ́ðər] : 「もう一つの、別の、ほかの」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと、学習」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思考、思索、考え、思い」
  • give rise to : 「〜を引き起こす、〜を生じさせる」
  • neutral [njúːtrəl] : 「無彩色の、中間色の、中性の」
  • unimportant [ʌnimpɔ́ːrtənt] : 「重要でない、ささいな、取るに足りない」
❖ "The idea for today ~ "「今日のものの見方は、that以下を学ぶ、また別のステップである」。"that the thoughts ~ "「あなたが目にするものを生み出している思考は、決してニュートラルなものでも、取るに足らないものでもない」と学ぶための、また別のレッスンである。夢の中で、原因と結果が複雑に絡まり合い、あなたの思いが原因となって目にする対象を結果として生み出し、目にしたものが原因となってあなたの思考が影響を受けているのである。しかも、それはあなた個人の領域に限定されるものではなく、すべての他者の思考が、因果律の波に乗ってあなたの現実に絡まりついてくる。
単一の神の子が夢に見ている、その夢の大舞台にあなたも他者も役者として登場し、一つの夢を多くの登場人物たちが様々な角度から眺め、そして、個々人の思考がその夢を様々に、次々に変質させていくのである。その変化流動を司っているのが、この幻想世界の因果律である。



It also emphasizes the idea that minds are joined, which will be given increasing stress later on.
  • emphasize [émfəsàiz] : 「強調する、力説する」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する」
  • given [gívn] : 「giveの過去分詞形」
  • increasing [inkríːsiŋ] : 「増えている、増加の」
  • stress [strés] : 「強調、力説」
  • later [léitər] on : 「あとで」
❖ "It also emphasizes ~ "「また、今日のものの見方は、心は結合しているという考えを強調しており、後々、それはますます強調されることになる」。夢の構造からもわかる通り、夢を作っているあなたの心も他者の心も、大元を辿ればすべて単一の神の子の心に辿り着く。見かけ上、つまり夢の中では、あなたと他者は異った存在に見えるのだが、夢を遠くから眺めて見れば、あなたと他者の区別はない。自他一如(じたいちにょ)なのだ。
あなたの心は、二つに分裂している。その大半は、分離を象徴するエゴという偶像に支配されており、このエゴは、あなたの心は独立していて他者と区別されると主張する。一方、あなたの心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットが住んでおり、ホーリー・スピリットが単一の存在であることを考えれば(実相世界に分離という概念はない)、ホーリー・スピリットの住むあなたの心の部分も、ホーリー・スピリットの住む他者の心の部分も、実は同一、単一なのだ。この、ホーリー・スピリットの住む心の存在に気付きさえすれば、あなたは他者と自他一如であることが自然に理解出来る。あなたも他者も、神の子として単一の存在なのである。



2. Today's idea does not refer to what you see as much as to how you see it. 
  • refer [rifə́ːr] to : 「〜に言及する、〜に注意を向ける」
  • as much as : 「〜するだけの量のもの、〜と同じ程度に」
❖ "Today's idea does ~ "「今日のものの見方は、あなたが何を目にしているかというよりも、あなたがそれをどう見ているかということに、注意を向けている」。あなたは受動的に知覚しているのではない。思考が能動的に幻想を生み出し、その幻想を積極的に知覚しているのである。しかも、因果の法則という波に乗って、あなたと他者は、思考と知覚を変化流動させていく。思考や知覚は、無味無臭なニュートラルなものではないのだ。
ただし、変化流動する複雑系は、必ず崩壊と死へ向かう。夢(幻想)とう複雑系も、必然的に崩壊と死へ向かう。たとえば、肉体という夢が死をもて終焉(しゅうえん)する所以(ゆえん)である。



Therefore, the exercises for today emphasize this aspect of your perception. 
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「それ故に、そのために、従って、だから」
  • emphasize [émfəsàiz] : 「強調する、力説する」
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識、感じ方」
❖ "Therefore, the exercises ~ "「したがって、今日のエクササイズは、あなたの知覚のこの側面を強調している」。知覚の因果律的能動性を強調している。思考もしかり、である。



The three or four practice periods which are recommended should be done as follows:
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期」
  • recommend [rèkəménd] : 「〜を推奨する、〜を薦める」
  • done [dʌ́n] : 「doの過去分詞」
  • as follows : 「次の通りに」
❖ "The three or four ~ "「(日に)3〜4回の練習が推奨されるが、それは、次のようにすればいい」。



3. Look about you, selecting subjects for the application of the idea for today as randomly as possible, and keeping your eyes on each one long enough to say:

        I am not alone in experiencing the effects of how I see ______ .
  • look about : 「周りを見回す、周囲に気を付ける」
  • select [səlékt] : 「〜を選択する」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「題材、被写体」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用」
  • randomly [rǽndəmli] : 「不規則に、無作為に、相手かまわず、乱雑に」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、起こり得る、あり得る」
  • enough [inʌ́f] : 「十分な、足りる」
❖ "Look about you ~ "「周りを見渡し、今日のものの見方を適用するための対象を出来るだけランダムに選び、次のように宣言するに充分な時間だけ、その一つ一つに目を留め置く」。"I am not alone ~ "「私は、〜をどのように見ているかという、その結果を、単独に経験しているのではない」。ちょっと大げさな言い方をすれば、あなたが目にする対象をどう見るかによって、あなたは世界を動かしているのである。あなたの思考や知覚のし方がさざ波となって、そして、他者の思考や知覚のし方がさざ波となって、世界の大きな波のうねりを動かしているのだ。ただし、その大きな波のうねりは幻想であることに変わりはない。



Conclude each practice period by repeating the more general statement:

        I am not alone in experiencing the effects of my seeing.
  • conclude [kənklúːd] : 「結ぶ、〜と結論を出す」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • general [dʒénərəl] : 「一般の、一般的な、通例の」
  • statement [stéitmənt] : 「発言、意見」
❖ "Conclude each practice ~ "「次のような、より一般的な宣言によって、個々の練習を結ぶ」。"I am not alone ~ "「私は、私が見ている結果を、単独で経験しているのではない」。具体的な対象に対して宣言することを終えたなら、最後に、一般的な宣言をして練習を終える。



A minute or so, or even less, will be sufficient for each practice period.
  • sufficient [səfíʃənt] : 「十分な、満足な、足りる」
❖ "A minute or so ~ "「1分かそこら、あるいはそれより短くてもいいが、個々の練習にはそれで十分だろう」。やり過ぎないこと。熱中し過ぎないこと。さりげなく、淡々と、受け流すような気持ちで練習する。学びはすべて、1回の学びの時間の長さで決まるのでなく、持続継続が鍵となる。受験生の合言葉『継続は力なり』を思い出そう。いわば、あなたは、天の王国への入城のための受験勉強をしているようなものなのだから。
 
 
 



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