●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.160.1:1 ~ W-pI.160.10:5

Lesson 160




I am at home. Fear is the stranger here.
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、心配、不安」
  • stranger [stréindʒər] : 「見知らぬ人、よそ者、他人」
❖ "I am at ~ "「私は我が家にいる」。"Fear is the ~ "「ここでは、恐れはよそ者である」。眠りから目覚めたあなたは、自分が天の王国にいることを知る。あなたが住まう実相世界の中に幻想の恐れが侵入することは不可能だ。実相にとって恐れは無縁である。



1. Fear is a stranger to the ways of love. Identify with fear, and you will be a stranger to yourself. 
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、様式」
  • identify [aidéntəfài] : 「 〜を同一に扱う、同定する」
❖ "Fear is a stranger ~ "「恐れは、愛の様式にとって無縁である」。実相の愛にとって幻想の恐れは無縁だ。"Identify with ~ "「恐れと自分を同一視してみなさい」。"and you will ~ "「すると、あなたはあなた自身にとってよそ者になってしまう」。恐れを抱くあなたは、本当のあなたと無縁な幻想である。



And thus you are unknown to you. What is your Self remains an alien to the part of you which thinks that it is real, but different from yourself. 
  • unknown [ʌnnóun] : 「知られていない」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • alien [éiljən] : 「異邦人、よそ者」
  • different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
❖ "And thus you ~ "「こうして、あなたはあなたを知らないことになってしまう」。"What is your ~ "「本当のあなた自身は、あなた自身とは異なるが、あなたが本物だと思っているあなたの一部分にとって異質なもののままになる」。あなたはエゴに支配された心を本当の自分自身だと思っており、ホーリー・スピリットの宿る心の一部をよそ者扱いにしている。



Who could be sane in such a circumstance? Who but a madman could believe he is what he is not, and judge against himself?
  • sane [séin] : 「正気の、分別ある」
  • circumstance [sə́ːrkəmstæ̀ns] : 「環境、状況」
  • madman [mǽdmæ̀n] : 「狂人」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
❖ "Who could be ~ "「そんな状況にあって、いったい誰が正気だと言えるだろう」。"Who but a madman ~ "「狂人でなくして、いったい誰が、本当の自分ではないものを自分だと信じ、本当の自分に反する判断を下すことが出来るだろうか」。



2. There is a stranger in our midst, who comes from an idea so foreign to the truth he speaks a different language, looks upon a world truth does not know, and understands what truth regards as senseless. 
  • midst [mídst] : 「真ん中、中央」
  • foreign [fɔ́ːrən] : 「無縁な、異質な」
  • different language : 「異言語」
  • regard [riɡάːrd] : 「見なす、思う、考える」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、無意味な」
❖ "There is a stranger ~ "「私達の心の真ん中によそ者がいる」。"who comes from ~ "「それは真実とはあまりにも異質なので、異なる言語を話し、真実が知らない世界を見、意味がないと真実が見なすものを理解している(ようにみえる)」。もちろん、エゴのこと。



Stranger yet, he does not recognize to whom he comes, and yet maintains his home belongs to him, while he is alien now who is at home. 
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める」
  • maintain [meintéin] : 「断言する、主張する」
  • belong [bilɔ́ːŋ] to : 「〜に属する、〜の所有である」
❖ "Stranger yet ~ "「さらに奇妙なことに、そのよそ者は自分がどこからやって来たのか認識しておらず、」"and yet maintains ~ "意訳する、「そこが自分の宿る住み家だと主張し、今や、それまで家にいた者が異質なものと見なされる」。いわば、エゴがあなた自身の家に侵入し、あなたの家を乗っ取ってしまうのだ。神の子が神から分離した後、罪と罰への恐れから神の子は自己を乖離して別人格のエゴをでっち上げた。そのエゴがあなたを乗っ取るのである。あたかもあなたは、エゴに憑依されたようなものだ。



And yet, how easy it would be to say, "This is my home. Here I belong, and will not leave because a madman says I must."
  • and yet : 「それなのに、それにもかかわらず」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜から撤退する」
❖ "And yet, how ~ "「それにもかかわらず、次のように言うことはどんなに簡単なことか」。"This is my home ~ "「ここは私の家であり、ここに私は住んでいるし、狂った者が出て行けと言ったとしても、家を離れるつもりはない」と主張できるはずだ。



3. What reason is there for not saying this? What could the reason be except that you had asked this stranger in to take your place, and let you be a stranger to yourself? 
  • reason [ríːzn] : 「理由、原因、根拠」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
❖ "What reason ~ "「そう言えないのは、どんな理由があるからだろうか」。"What could the ~ "「あなたがよそ者を家に入れ、場所を譲り渡し、あなた自身をよそ者にしてしまったという以外に、どんな理由があり得るだろう」。正当な拒絶をせずに侵入者を許したのは、あなたがそう望んだからだ。



No one would let himself be dispossessed so needlessly, unless he thought there were another home more suited to his tastes.
  • dispossessed [dìspəzést] : 「立ち退かされた、疎外された」
  • needlessly [níːdlisli] : 「不必要に」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り」
  • suit [súːt] : 「合う、適合する」
  • taste [téist] : 「好み、嗜好」
❖ "No one would ~ "「好みに、より適した別の住み家があるに違いないと思わない限り、誰も自分自身を不必要に立ち退かせたいと思わない」。本当の自分を追い出して、エゴに住んでもらった方がいいと判断したに違いない。



4. Who is the stranger? Is it fear or you who are unsuited to the home which God provided for His Son? 
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、心配、不安」
  • unsuited [ʌ̀nsúːtid] : 「適さない、不適当な」
  • provide [prəváid] : 「供給する、与える」
❖ "Who is the ~ "「誰がよそ者だろうか」。"Is it fear or ~ "「それは恐れか、それとも、神が神の子のために与えた住み家に適さないあなたか」。実相世界に適する存在は、幻想の恐れか、実在する神の子か。どちらがよそ者か。



Is fear His Own, created in His likeness? Is it fear that love completes, and is completed by? There is no home can shelter love and fear. 
  • likeness [láiknis] : 「似ていること、類似」
  • complete [kəmplíːt] : 「仕上げる、〜を完了する」
  • shelter [ʃéltər] : 「〜を保護する、避難する」
❖ "Is fear His Own ~ "「恐れは、神に似せて神が創造した神自身のものなのか」。"Is it fear ~ "「それは、愛が完成させた恐れであって、恐れによって愛は完成されるのか」。"There is no ~ "「愛と恐れを保護することが出来る住み家などない」。愛と恐れの両方を同時に保護するシェルターなど存在しない。愛と恐れは共存できない。



They cannot coexist. If you are real, then fear must be illusion. And if fear is real, then you do not exist at all.
  • coexist [kòuiɡzíst] : 「共存する、同時に存在する」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている」
❖ "They cannot ~ "「愛と恐れの両者は同時に存在できない」。"If you are ~ "「もしあなたが実在するなら、恐れは幻想である」。"And if fear ~ "「もし恐れが実在するなら、あなたはまったく存在しない」。



5. How simply, then, the question is resolved. Who fears has but denied himself and said, "I am the stranger here. And so I leave my home to one more like me than myself, and give him all I thought belonged to me." 
  • simply [símpli] : 「造作なく、たやすく、簡単に」
  • resolve [rizάlv] : 「解決する、解消する」
  • fear [fíər] : 「恐れる、怖がる」
  • deny [dinái] : 「否定する、認めない、信じない」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜から撤退する」
  • belong [bilɔ́ːŋ] to : 「〜に属する、〜の所有である」
❖ "How simply ~ "「そこで、問題はいとも簡単に解決される」。"Who fears has ~ "「恐れる者は自分自身を否定し、次のように言う」。自分を否定するとは、自分の実在性を否定するということ。"I am the ~ "「ここでは、私がよそ者だ」。"And so I ~ "「だから私は、私の住み家を私自身よりも私らしい者にあけ渡し、私のものだと思っていたすべてをその者に与えよう」。そう決断することで、問題はいとも簡単に解決される、というわけだ。真実を知るよりは、幻想の中で生きているふりをする虚偽の方が楽だと思うのだ。



Now is he exiled of necessity, not knowing who he is, uncertain of all things but this; that he is not himself, and that his home has been denied to him.
  • exile [éɡzail] : 「国外追放する、〜を亡命させる」
  • of necessity : 「必要に迫られて、必然的に」
  • uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な」
❖ "Now is he ~ "「今や彼は、必然的に追放される」。"not knowing ~ "「自分が誰であるかも分からず、次に述べること以外のすべてに確信がもてなくなる」。"that he is ~ "「彼は自分自身ではなく、彼の住み家は彼に対して否定された」と確信する以外に、何も確信出来なくなってしまう。自己を疎外し、自己を否定し、自己を虚偽に売り渡してしまう。



6. What does he search for now? What can he find? A stranger to himself can find no home wherever he may look, for he has made return impossible. 
  • search [sə́ːrtʃ] : 「探す、探し出す」
  • return [ritə́ːrn] : 「回帰、帰ること、帰宅」
❖ "What does ~ "「彼は今、何を探しているのか」。"What can ~ "「彼は何を見出せるだろうか」。"A stranger to ~ "「自分自身に対してよそ者である者は、どこを探そうとも住み家を見つけることは出来ない」。"for he has ~ "「なぜなら、彼は(自分の住み家に)帰ることを不可能にしてしまったからだ」。彼の魂は放浪する以外にない。混沌とした幻想世界を彷徨(さまよ)い歩く。進むべき方向を示してくれる灯台のない闇の世界を孤独に徘徊する。そこから救われるには、奇跡をおいて他にない。



His way is lost, except a miracle will search him out and show him that he is no stranger now. 
  • lost [lɔ́st] : 「loseの過去・過去分詞形」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
❖ "His way is ~ "「彼の道は失われたが、奇跡だけが彼を見つけ出し、今や彼はよそ者ではないと彼に示してくれる」。自分ではない者を自分と思い込んだ誤りを正してくれるのは奇跡だけだ。奇跡は真実の現実化であるからだ。



The miracle will come. For in his home his Self remains. It asked no stranger in, and took no alien thought to be Itself. 
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る、残存する」
  • alien [éiljən] : 「性質の異なる、異質な」
❖ "The miracle ~ "「奇跡は起こる」。"For in his ~ "「なぜなら、本当の彼自身は彼の住み家に居残っているからだ」。自分をよそ者に仕立てて住み家を捨てたことは単なる夢の出来事だ。奇跡はそんな夢から目覚めさせてくれる。夢から覚めれば、本当の自分はちゃんといつもの住み家に住んでいるのだ。"It asked no ~ "「本当の彼はよそ者を呼び入れたりしなかったし、異質な思いを本当の自分自身の思いだと受け入れたこともない」。



And It will call Its Own unto Itself in recognition of what is Its Own.
  • recognition [rèkəɡníʃən] : 「認識、認証」
❖ "And It will ~ "意訳する、「そして、本当の自分自身が何であるかを認識することで、本当の自分はそれ自体へと回帰するように呼びかける」。本当の自分自身に気付き、本当の自分に回帰するように呼びかけている。



7. Who is the stranger? Is he not the one your Self calls not? You are unable now to recognize this stranger in your midst, for you have given him your rightful place. 
  • unable [ʌ̀néibl] : 「できない」
  • midst [mídst] : 「真ん中、中央」
  • rightful [ráitfəl] : 「正当な、合法的な」
❖ "Who is ~ "「よそ者とは誰か」。"Is he not ~ "「本当のあなたが呼びかけもしない者ではないのか」。実相的なあなた自身にとって、まったく不必要な者、それがよそ者。"You are unable ~ "「今やあなたは、あなたの心の真ん中にこんなよそ者が居ることを認識することは出来ない」。このよそ者が本当の自分であると勘違いしてしまっている。"for you have ~ "「なぜなら、あなたは正当な居場所をよそ者に与えてしまったからだ」。本当のあなた自身が住まうべき心の中心をよそ者にあけ渡してしまった。



Yet is your Self as certain of Its Own as God is of His Son. He cannot be confused about creation. 
  • be certain [sə́ːrtn] of : 「〜を確信している」
  • confuse [kənfjúːz] : 「混同する、混乱させる」
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
❖ "Yet is your ~ "「しかし、神が神の子を確信してるように、本当のあなた自身もそれ自体に確信をもっている」。本当のあなた自身は、自分こそが神に創造された正当な神の子であって、唯一実在する自分だと確信をもっている。神もまたそのことに確信を抱いており、よそ者に対して正当性を与えることはない。"He cannot ~ "「神は、創造に関して混乱することは不可能だ」。神は神が創造した神の子が唯一存在するものだと確信を抱き、創造しなかったものの実在性を認めることはない。よそ者は、あなたが投影によってでっち上げた幻想に過ぎないからだ。



He is sure of what belongs to Him. No stranger can be interposed between His knowledge and His Son's reality. He does not know of strangers. He is certain of His Son.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、固く信じている」
  • belong [bilɔ́ːŋ] to : 「〜に属する、〜の所有である」
  • interpose [ìntərpóuz] : 「間に入る、割り込む」
  • between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に」
❖ "He is sure ~ "「神は、神に属しているものを確信している」。神は自ら創造したものだけが神に属している実在だと確信をもって知っている。"No stranger ~ "「神の叡智と神の子の実在性の間に、どんなよそ者も割り込むことは出来ない」。"He does not ~ "「神はよそ者を関知しない」。"He is certain ~ "「神は神の子を確信している」。神が愛しているのは神の子としての本当のあなただけであって、あなたがでっち上げたよそ者に対して一切の関心を寄せることはない。神は幻想と一切の関わりをもつことはない。



8. God's certainty suffices. Who He knows to be His Son belongs where He has set His Son forever. He has answered you who ask, "Who is the stranger?" 
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性」
  • suffice [səfáis] : 「十分である」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "God's certainty ~ "「神の確実性は十分だ」。"Who He knows ~ "「神の子として神が知っている者は、神の子のために神が永遠に定めた場所に属している」。神は天の王国を神の子の住まう場所として定めた。それは永遠に変わることはない。"He has answered ~ "「『よそ者とは誰なのか』と問うあなたに対して、神は答えている」。答えは次に書かれている。



Hear His Voice assure you, quietly and sure, that you are not a stranger to your Father, nor is your Creator stranger made to you. 
  • assure [əʃúər] : 「保証する、断言する、約束する」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、平穏に」
❖ "Hear His Voice ~ "「神の声が、静かに、そして確かに、that以下を約束しているのを聞きなさい」。"that you are ~ "「あなたはあなたの父なる神にとってよそ者ではないし、あなたを創造した神があなたにとってよそ者にされることはない」。神はあなたを創造した『父』であり、あなたは神によって創造された『子』である。その関係性の間によそ者が侵入する可能性はない。よそ者が父と子の関係性を侵したように見えたなら、それは幻想に過ぎない。



Whom God has joined remain forever one, at home in Him, no stranger to Himself.
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する」
  • at home : 「くつろいで、気楽に」
❖ "Whom God has ~ "「神と一体になった者は永遠に一つであり、神の中でくつろぎ、神自身にとって見ず知らずの者ではない」。父が子をよそ者扱いするわけがない。



9. Today we offer thanks that Christ has come to search the world for what belongs to Him. 
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、〜を提供する」
❖ "Today we offer ~ "「今日私たちは、キリストに属すべきものをこの世界の中に見つけようとキリストがやって来たことに感謝を捧げよう」。神の子を幻想世界から救い出す役割を担ったスピリットがキリストである。ホーリー・スピリットもまた、キリストの役割を担っており、ホーリー・スピリットはキリストの役割を担うことが出来る神の子を探しにやって来た、という意味合いである。つまり、あなたを探しにやって来たのだ。それに感謝を捧げよう。



His vision sees no strangers, but beholds His Own and joyously unites with them. They see Him as a stranger, for they do not recognize themselves. 
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • joyously [dʒɔ́iəsli] : 「喜んで」
  • unite with : 「〜と一緒になる、〜と結合する」
❖ "His vision sees ~ "「キリストのヴィジョンは、よそ者ではなくキリスト自身を見ており、キリストに属する人達と喜んで一緒になる」。しかし、"They see Him ~ "「彼らはキリストを見知らぬ者と見なす」。"for they do ~ "「なぜなら、彼らは自分自身を認識していないからだ」。本当はキリストという役割を担っているにもかからわず、それが認識出来ないから、キリストであるホーリー・スピリットを見知らぬ存在だと思ってしまう。しかし、キリストであるホーリー・スピリットは、そんな彼らと喜んで一体化する。



Yet as they give Him welcome, they remember. And He leads them gently home again, where they belong.
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎、歓待」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、連れて行く」
  • gently [dʒéntli] : 「親切に、優しく、穏やかに」
❖ "Yet as they ~ "「しかし、彼らがキリストを歓迎するとき、彼らは思い出す」。自分は救いという役割を担った神の子キリストであることを思い出す。"And He leads ~ "「そしてキリストは、彼らをもともと住んでいた故郷へ優しく導く」。



10. Not one does Christ forget. Not one He fails to give you to remember, that your home may be complete and perfect as it was established. 
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な」
  • perfect [pə́ːrfikt] : 「完全な、完璧な」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、成立させる」
❖ "Not one ~ "「キリストは誰も忘れてはいない」。"Not one He ~ "「あなたが思いさせるように、キリストは誰一人としてあなたに与え損ねることはない」。あなたの同胞もまた、あなたと同じ神の子なのだとあなたが思い出せるように、キリストはあなたに同胞を出会わせてくれる。キリストの計らいによってあなたが出会った他者をあなたが赦すことで、他者もあなたも幻想から救われるのだ。"that your home ~ "「その結果、あなたの住み家は、それが建てられたままに、完全で完璧になるだろう」。他者はよそ者ではなく、あなたと自他一如の神の子である。その他者を赦し、あなたの住み家に招き入れることで、あなたの住み家は元通りに完璧になる。



He has not forgotten you. But you will not remember Him until you look on all as He does. 
  • forgotten [fərɡάtn] : 「forgetの過去分詞形」
  • until [əntíl] : 「〜までは…しない、〜になってやっと」
  • look on : 「〜を見る」
❖ "He has not ~ "「キリストはあなたを忘れてはいない」。"But you will ~ "「しかし、キリストがあなたの同胞を見るようにあなたも見ない限り、あなたはキリストを思い出すことはないだろう」。あなたが他者をあなたと同じ神の子であり救いという役割を担ったキリストなのだと見ない限り、あなたがキリストを思い出すことはない。



Who denies his brother is denying Him, and thus refusing to accept the gift of sight by which his Self is clearly recognized, his home remembered and salvation come.
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
  • refuse [rifjúːz] : 「拒む、拒否する、拒絶する」
  • accept [æksépt] : 「認める、容認する、受け入れる」
  • sight [sáit] : 「視覚、視野、視界、景色」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
❖ "Who denies his ~ "「同胞を拒絶する者はキリストを拒絶しているのだ」。"and thus refusing ~ "「そして、本当の自分自身を明確に認識し、自分の住み家を思い出し、救いがやって来るという光景を贈り物として受け入れることを拒絶してしまう」。あなたが本当の自分自身を知り、天の王国こそが住むべき故郷だと思い出して幻想世界から救われるには、まず第一に、あなたが他者を赦して幻想を消滅させ、神の子の分離を解消しなくてはならない。そのとき、あなたの眼前にキリストのヴィジョンが展開する。あなたは同胞と共にキリストになるのである。






W-pI.159.1:1 ~ W-pI.159.10:8

Lesson 159



I give the miracles I have received.
  • receive [risíːv] : 「受け取る、知る」
❖ "I give the ~ "「私は、私が受け取った奇跡を与える」。実相では、与えることと受け取ることは同一である。あなたがホーリー・スピリットの手助けを得て真実を現実化するという奇跡を起こしたなら、次にあなたは、その奇跡を他者に差し出す役割を担うことになる。奇跡を分かち合うのだ。



1. No one can give what he has not received. To give a thing requires first you have it in your own possession. 
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、要求する」
  • possession [pəzéʃən] : 「所有、所持」
❖ "No one can ~ "「人は誰も、受け取っていないものを与えることは出来ない」。"To give a thing ~ "「ものを与えるには、まず最初にあなたが、自分自身のものとしてそれを持っていることが必要だ」。奇跡を他者に与えるには、まずあなた自身が奇跡を起こさなくてはならない。



Here the laws of Heaven and the world agree. But here they also separate. The world believes that to possess a thing, it must be kept. 
  • agree [əɡríː] : 「同意する、認める」
  • separate [sépərèit] : 「分離する、分かれる」
  • possess [pəzés] : 「所有する」
  • kept [képt] : 「keepの過去・過去分詞形」
❖ "Here the laws ~ "「この点に関しては、天の王国の法もこの世界の法も同意する」。"But here they ~ "「しかし、この点においてもまた、両者は隔てられている」。"The world believes ~ "「この世界は、ものを所有することは、それを保持しておかなくてはならないと信じている」。天の王国の法では、ものを他者に与え、それを分かち合うことで自分のものとする。



Salvation teaches otherwise. To give is how to recognize you have received. It is the proof that what you have is yours.
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
  • otherwise [ʌ́ðərwàiz] : 「別なふうに、別な方法で」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める」
  • proof [prúːf] : 「証拠、証明、証し」
  • yours [júərz] : 「あなたのもの」
❖ "Salvation teaches ~ "「救いは、この世界の法とは別のことを教える」。"To give is ~ "「与えることは、あなたが得たことを認識する方法である」。与えることで、自分が何を得たのか認識することが出来る。"It is the proof ~ "「与えることは、あなたが所持しているものがあなたのものであるという証拠である」。人に与えて初めて、それはあなたのものとなる。分かち合わない限り、それはあなたのものではない。



2. You understand that you are healed when you give healing. You accept forgiveness as accomplished in yourself when you forgive. 
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う、治療する」
  • accept [æksépt] : 「認める、受け入れる」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し」
  • accomplish [əkɑ́mpliʃ] : 「成し遂げる、成就する」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する」
❖ "You understand ~ "「あなたが(他者に)ヒーリングを施したとき、あなたもヒールされたと理解する」。"You accept forgiveness ~ "「あなたが赦したとき、あなたの心の中で赦しが完了したものとして赦しを受け入れる」。あなたが他者を赦し、ヒールすることで、あなた自身も赦されヒールされる。与えることと得ることは同一である。



You recognize your brother as yourself, and thus do you perceive that you are whole. There is no miracle you cannot give, for all are given you. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • whole [hóul] : 「すべてを含んだ、欠けたものがない」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
❖ "You recognize ~ "「あなたは、あなたの同胞をあなた自身として認識し、」あなたと他者は自他一如であると認識し、"and thus do ~ "「こうして、あなたが完全であることを知覚する」。"There is no ~ "「与えることが不可能な奇跡はない」。"for all are ~ "「なぜなら、あなたはすべてを与えられているからだ」。あなたは神の属性のすべて、神のパワーのすべてを既に与えられている。他者と分かち合うことが出来ない奇跡は存在しない。



Receive them now by opening the storehouse of your mind where they are laid, and giving them away.
  • receive [risíːv] : 「受け取る」
  • storehouse [stɔ́ːrhàus] : 「倉庫、貯蔵所」
  • laid [léid] : 「layの過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「置く、並べる、用意する」
❖ "Receive them ~ "「あなたの心の中の、奇跡が置かれた宝庫を開け、奇跡を与えることで、今、奇跡を受け取りなさい」。奇跡を蓄えたままにしておかず、他者と奇跡を分かち合うことで、その奇跡を自分のものとしなさい。



3. Christ's vision is a miracle. It comes from far beyond itself, for it reflects eternal love and the rebirth of love which never dies, but has been kept obscure. 
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の」
  • rebirth [ribə́ːrθ] : 「再生、蘇生、復活」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • kept [képt] : 「keepの過去・過去分詞形」
  • obscure [əbskjúər] : 「よく見えない、ぼんやりした」
❖ "Christ's vision ~ "「キリストのヴィジョンは奇跡である」。キリストのヴィジョンは真実の具現化である。"It comes from ~ "「それは、それ自体を遙かに越えたところからやって来る」。キリストのヴィジョンはこの世を遙かに越えた実相世界の光景を運んでくる。"for it reflects ~ "「なぜなら、それは永遠の愛と、決して滅びることはないが曖昧にされてきた愛の再生を反映しているからだ」。キリストのヴィジョンは、幻想によって曖昧にされてきた命と愛の真実、つまり、あなたは決して死ぬことのない永遠の命として愛に生きるという真実を蘇らせてくれる。



Christ's vision pictures Heaven, for it sees a world so like to Heaven that what God created perfect can be mirrored there. 
  • picture [píktʃər] : 「〜を描写する、絵に描く」
  • mirror [mírər] : 「〜を正確に映し出す」
❖ "Christ's vision ~ "「キリストのヴィジョンは、天の王国を描いて見せてくれる」。"for it sees a ~ "「なぜなら、それは世界というものをあまりにも天の王国と似ているものと見ているので、神が完璧に創造したものがその世界に映し出されるからだ」。キリストのヴィジョンは、天の王国の姿を知っている。どんな世界でも、天の王国に似た姿であるべきだと信じている。それは、神が完璧に創造したものの姿がそのまま映し出される世界であるはずだ。



The darkened glass the world presents can show but twisted images in broken parts. The real world pictures Heaven's innocence.
  • darken [dάːrkən] : 「〜を暗くする」
  • glass [ɡlǽs] : 「ガラス、鏡」
  • present [préznt] : 「渡す、提示する」
  • twisted [twístid] : 「ねじれた、ひん曲がった」
  • broken part : 「破損個所」
  • innocence [ínəsəns] : 「無罪、潔白、無垢」
❖ "The darkened glass ~ "「この世界が提示する薄暗い鏡は、歪められたイメージを壊れた部品として見せることが出来るだけだ」。肉体的な知覚がとらえるこの世界の薄暗い姿は、歪められた断片だけだ。"The real world ~ "「実相の世界は、天の王国の無辜性を描き出す」。実相世界のキリストのヴィジョンは、完璧完全な天の王国の姿を映し出す。



4. Christ's vision is the miracle in which all miracles are born. It is their source, remaining with each miracle you give, and yet remaining yours. 
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る、生き残る」
❖ "Christ's vision is ~ "「キリストのヴィジョンは、あらゆる奇跡が生み出される奇跡である」。キリストのヴィジョンによって、奇跡が連鎖的に起こる。あなたの奇跡はあなた一人に止(とど)まることはない。"It is their source ~ "「キリストのヴィジョンは奇跡の源であり、あなたが与えた一つ一つの奇跡とともにあって、あなたのものとして留まる」。奇跡があなた一人に止まることはないとは言え、あなたが起点となって起こした奇跡のすべてはあなたのヴィジョンの中に蓄えられ、こうしてキリストのヴィジョンは確実にあなたのものとなる。



It is the bond by which the giver and receiver are united in extension here on earth, as they are one in Heaven. 
  • bond [bάnd] : 「接着剤、結束、きずな」
  • unite [junáit] : 「結合する、合体させる」
  • extension [iksténʃən] : 「拡張、延長」
❖ "It is the bond ~ "「キリストのヴィジョンは接着剤のようなもので、与える者と受け取る者が、天の王国において一体であるように、この地上においても拡張的に一体となる」。ここの拡張的にとは、天の王国からこの地上に拡張して、という意味合い。ヴィジョンが生み出す奇跡を分かち合うことで、あなたと他者は結びつく。天の王国において神の子が単一であるように、この地上においても、それが拡張したかのように、あなたと他者は一体となる。



Christ beholds no sin in anyone. And in His sight the sinless are as one. Their holiness was given by His Father and Himself.
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界」
  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
  • holiness [hóulinis] : 「神聖、神聖さ」
❖ "Christ beholds ~ "「キリストは、誰の中にも罪を見ることはない」。"And in His sight ~ "「キリストの視野においては、罪のない者は一つである」。"Their holiness ~ "「罪のない者の神聖さは、父なる神とキリスト自身から与えられたのだ」。あなたと他者が奇跡を通して結びつくとこで、あなたと他者が単一の神の子であるという真実が見えて来る。神の子は完全に無辜なる命として神が創造した。ならば、あなたも他者も完全な無辜性をもっていて、罪などない。



5. Christ's vision is the bridge between the worlds. And in its power can you safely trust to carry you from this world into one made holy by forgiveness. 
  • safely [séifli] : 「安全に、無事に」
  • trust in : 「〜を信頼する、〜を信用する」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、寛容」
❖ "Christ's vision is ~ "「キリストのヴィジョンは、(二つの)世界の架け橋である」。ヴィジョンは、この幻想世界にあって実相世界の姿を見せてくれる。幻想の黒雲に惑わされることなく、真実の光をとらえる。"And in its power ~ "「そして、この世界から、赦しによって神聖にされた世界へとあなたをつれて行ってくれるヴィジョンのパワーを、あなたは安心して信頼出来る」。



Things which seem quite solid here are merely shadows there; transparent, faintly seen, at times forgot, and never able to obscure the light that shines beyond them. 
  • solid [sɑ́ləd] : 「確固とした、固形の」
  • transparent [trænspέərənt] : 「透明な、透き通る」
  • faintly [féintli] : 「かすかに、ぼんやりと」
  • at times : 「時々、折々、時たま」
  • forgotten [fərɡάtn] : 「forgetの過去分詞形」
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、見えなくする」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
❖ "Things which seem ~ "「まったく堅固に見える物は、そこでは単なる影にすぎない」。圧倒的にリアルに見えるこの世界の物質は、キリストのヴィジョンを通してみると単なる影だ。"transparent, faintly ~ "「それは透けて見え、微かに見えるだけで、時折忘れられ、物を素通りして輝く光を遮ることは決して出来ない」。



Holiness has been restored to vision, and the blind can see.
  • holiness [hóulinis] : 「神聖、神聖さ」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する、復活させる」
❖ "Holiness has ~ "「神聖さはヴィジョンを復活させ、目の見えない者は見えるようになる」。



6. This is the Holy Spirit's single gift; the treasure house to which you can appeal with perfect certainty for all the things that can contribute to your happiness. 
  • single [síŋɡl] : 「ただ一つの、たった一つの」
  • treasure [tréʒər] : 「宝、富、宝物、財宝」
  • treasure house : 「宝庫、宝物庫」
  • appeal [əpíːl] : 「求める、懇願する」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性」
  • contribute [kəntríbjuːt] : 「貢献する、寄与する」
❖ "This is the ~ "「これは、ホーリー・スピリットがあなたに贈るただ一つの贈り物だ」。"the treasure ~ "「それは、あなたの幸せに貢献できるすべてのものを、完璧な確信をもって求めることが出来る宝庫である」。詩的表現をしている箇所なので、あまり理屈を考えずに、イメージするだけでいいだろう。



All are laid here already. All can be received but for the asking. Here the door is never locked, and no one is denied his least request or his most urgent need. 
  • laid [léid] : 「layの過去・過去分詞形」
  • lay [léi] : 「置く、並べる、用意する」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
  • least [líːst] : 「最も少ない、最小の」
  • request [rikwést] : 「頼むこと、依頼、要求」
  • urgent [ə́ːrdʒənt] : 「差し迫った、緊急の」
❖ "All are laid ~ "「すべては、既にここに置かれている」。"All can be ~ "「求めさえすれば、すべてが得られる」。"Here the door ~ "「ここのドアは決して鍵がかけられていないし、誰一人として、最小の望みも、最も急を要する求めも拒まれることはない」。



There is no sickness not already healed, no lack unsatisfied, no need unmet within this golden treasury of Christ.
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如」
  • unsatisfied [ʌ̀nsǽtisfàid] : 「満たされない」
  • unmet [ʌ̀nmét] : 「満たされていない」
  • treasury [tréʒəri] : 「宝庫、宝物」
❖ "There is no ~ "「キリストのこの黄金の宝庫では、まだ癒やされていない病など一つもなく、満たされない欠乏もなく、叶えられない要求もない」。



7. Here does the world remember what was lost when it was made. For here it is repaired, made new again, but in a different light. 
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • lost [lɔ́st] : 「loseの過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、喪失する」
  • repair [ripέər] : 「〜を直す、〜を修理する」
  • different [dífərənt] : 「相違する、異なる」
❖ "Here does ~ "「ここにおいて、この世界が作られたときに失われたものを、世界は思い出す」。"For here it ~ "「なぜなら、この世界はここで修理され、再び新品にされるからだ」。"but in a ~ "「だだし、異なる光の中でのことである」。この世界は幻想という闇の中で作られた。今、キリストのヴィジョンは闇を払拭し、この世界を光の中で再生する。



What was to be the home of sin becomes the center of redemption and the hearth of mercy, where the suffering are healed and welcome. 
  • be to do : 「〜する予定だ、〜したい、〜できる」
  • center [séntər] : 「中心」
  • redemption [ridémpʃən] : 「罪の贖い、贖罪」
  • hearth [hάːrθ] : 「家庭」
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しみ、苦痛、悩み」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎される、喜んで受け入れる」
❖ "What was to ~ "「罪の住み家にしたいと思われた世界が、贖罪の中心場所となり慈悲の家となる」。"where the suffering ~ "「その世界で、苦しみは癒やされ歓迎される」。新しく生まれ変わった世界でこそ、あなたは幻想(罪)を赦し、幻想(罪)を消滅させなくてはいけない。その時、あなたの苦しみは暖かく迎入れられ、癒やされて消滅する。



No one will be turned away from this new home, where his salvation waits. No one is stranger to him. 
  • turn away : 「拒否する、受け入れない」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
  • wait [wéit] : 「待つ」
❖ "No one will ~ "「誰一人、この新しい住み家から拒絶されることはない」。"where his ~ "「その家で、救いが待っている」。"No one is ~ "「誰一人、見知らぬ者はいない」。同じ神の子として、救いを求めるあなたを歓迎してくれる。



No one asks for anything of him except the gift of his acceptance of his welcoming.
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • acceptance [əkséptəns] : 「受け入れること、容認」
  • welcoming [wélkəmiŋ] : 「歓迎、歓待」
❖ "No one asks ~ "「歓迎を受け入れるという贈り物を除いて、誰も、何も要求しない」。



8. Christ's vision is the holy ground in which the lilies of forgiveness set their roots. This is their home. 
  • ground [ɡráund] : 「地面、場所、基盤」
  • lily [líli] : 「ユリ」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、寛容」
  • root [rúːt] : 「根」
❖ "Christ's vision is ~ "「キリストのヴィジョンは、赦しという名のユリが根を下ろす神聖な地である」。"This is their ~ "「ここが、ユリの住み家である」。



They can be brought from here back to the world, but they can never grow in its un-nourishing and shallow soil. 
  • be brought back to : 「〜に連れ戻される」
  • grow [ɡróu] : 「成長する、育つ」
  • nourishing [nə́ːriʃiŋ] : 「栄養になる、栄養満点の」
  • shallow [ʃǽlou] : 「浅い、底の浅い」
  • soil [sɔ́il] : 「土、土壌」
❖ "They can be ~ "「ユリがこの世界に連れ戻される可能性はある」。"but they can ~ "「しかし、この世界の、栄養もなく浅い土地では決して育たない」。



They need the light and warmth and kindly care Christ's charity provides. 
  • warmth [wɔ́ːrmθ] : 「暖かさ、思いやり」
  • kindly [káindli] : 「思いやりのある、優しい」
  • care [kέər] : 「世話、配慮」
  • charity [tʃǽrəti] : 「慈悲、寛容、思いやり」
  • provide [prəváid] : 「供給する、与える」
❖ "They need the light ~ "「ユリには、光と暖かさと、そしてキリストの慈悲が与えてくれる優しい思いやりが必要である」。



They need the love with which He looks on them. And they become His messengers, who give as they received.
  • look on : 「〜を見る」
  • messenger [mésəndʒər] : 「使者、メッセンジャー」
❖ "They need the love ~ "「ユリは、キリストがユリを見つめる愛を必要としている」。"And they become ~ "「そして、ユリはキリストのメッセンジャーとなり、受け取ったものを与えるのだ」。キリストから与えられた赦しと愛を、今度は、あなたは同胞達に与えることになる。あなた自身がキリストとなるのだ。



9. Take from His storehouse, that its treasures may increase. His lilies do not leave their home when they are carried back into the world. 
  • increase [inkríːs] : 「増える、増大する」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜と別れる」
  • carry [kǽri] : 「〜を持ち運ぶ」
❖ "Take from ~ "「キリストの宝庫から(宝物を)もらって来なさい」。"that its treasures ~ "「そうすれば、宝庫の宝物はますます増えるだろう」。実相では、得ることと与えることは同一。あなたがキリストから宝物を得ることで、キリストの宝物はどんどん増える。"His lilies do ~ "「キリストのユリは、この世界に連れ戻されたとしても、住み家を離れることはない」。キリストの宝庫には真実という宝物が保存されている。ユリはその象徴。愛や喜びや美、静寂、等々はユリの花である。ユリは実相世界の花だが、この幻想世界に持ち込まれても実相世界を離れてしまうわけではない。



Their roots remain. They do not leave their source, but carry its beneficence with them, and turn the world into a garden like the one they came from, and to which they go again with added fragrance. 
  • remain [riméin] : 「残る、生き残る、残存する」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
  • beneficence [bənéfəsəns] : 「恩恵、慈善」
  • fragrance [fréiɡrəns] : 「芳香、香り」
❖ "Their roots ~ "「ユリの根は(住み家に)残る」。"They do not ~ "「ユリは、その源を離れることはない」。"but carry its ~ "「しかしユリは、その恩恵を携えながら、ユリがやって来る前のガーデンと似た花園をこの世界に取り戻してくれる」。"and to which ~ "「そして、ユリはいい香りをさらに増して、再び元のガーデンに帰って行くのである」。解釈は不要だろう。朗読して、詩的イメージを味わえばいい。



Now are they twice blessed. The messages they brought from Christ have been delivered, and returned to them. And they return them gladly unto Him.
  • bless [blés] : 「〜を祝福する、〜を賛美する」
  • deliver [dilívər] : 「配達する、届ける」
  • return [ritə́ːrn] : 「〜を返す、戻す」
  • gladly [ɡlǽd] : 「喜んで、喜々として」
❖ "Now are they ~ "「今やユリは、二回祝福される」。"The messages they ~ "「キリストからのメッセージをユリは運び、それを戻した」。"And they return ~ "「そしてユリは、喜びをもって、キリストのメッセージをキリストへと戻すのだ」。ユリはキリストのメッセージをこの世に伝えてこの世を祝福し、この世の花園で香りを増して元のガーデンへそれを持ち帰り、元のガーデンを祝福する。祝福することと祝福されることは同一であるから、本文では受動態を使っている。



10. Behold the store of miracles set out for you to give. Are you not worth the gift, when God appointed it be given you? 
  • store [stɔ́ːr] : 「貯蔵、蓄え」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • set out : 「〜を設定する、〜し始める」
  • worth [wə́ːrθ] : 「〜の価値がある、〜に値する」
  • appoint [əpɔ́int] : 「決める、指定する、定める」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
❖ "Behold the store ~ "「あなたが与えることが出来るようにと定められた奇跡の蓄えを見てみなさい」。前段落で、"storehouse(宝庫)"という言葉が出てきたので、それと対をなすように"store(蓄え)"が使われている。"Are you not ~ "「神がその奇跡をあなたに与えられるようにと定めたのにもかかわらず、あなたはその贈り物に値しないことがあるだろうか」。



Judge not God's Son, but follow in the way He has established. Christ has dreamed the dream of a forgiven world. 
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
  • follow [fάlou] : 「〜の後について行く、〜に従う」
  • follow in : 「〜をたどる」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、成立させる」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
❖ "Judge not ~ "「神の子を判断するのではなく、神が確立した道を辿って行きなさい」。"Christ has dreamed ~ "「キリストは赦された世界をずっと夢に見てきた」。赦された世界とは、幻想から目覚めた世界のこと。苦と痛み、罪と罰で満ちあふれた世界が悪夢に過ぎないのだと知って、その幻想性を赦すのである。



It is His gift, whereby a sweet transition can be made from death to life; from hopelessness to hope. 
  • whereby [hweərbái] : 「そのために、それによって」
  • transition [trænzíʃən] : 「転移、推移」
  • hopelessness [hóuplisnis] : 「絶望」
❖ "It is His ~ "「それはキリストの贈り物である」。世界の幻想性を赦し、世界を悪夢から目覚めさせることは、キリストの役割であり、世界への贈り物である。"whereby a sweet ~ "「それによって、死から命へと変わる優しい転移がなされ得る」。



Let us an instant dream with Him. His dream awakens us to truth. 
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • awaken [əwéikən] : 「目を覚まさせる、呼び起こす」
❖ "Let us an ~ "「ほんの一瞬、キリストと一緒に夢を見よう」。"His dream ~ "「キリストの夢は、私達を真実へと目覚めさせてくれる」。



His vision gives the means for a return to our un-lost and everlasting sanctity in God.
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • everlasting [èvərlǽstiŋ] : 「永遠の、永遠に続く」
  • sanctity [sǽŋktəti] : 「神聖さ、高潔、尊厳」
❖ "His vision gives ~ "「キリストのヴィジョンは、神の内にあって決して失われることない永遠の神聖さに私達を回帰させるための手段を与えてくれるのだ」。永遠に神聖な神の子である自分に気付くには、幻想という悪夢から目覚める必要があり、赦しを通してなされる奇跡がそれを現実化する。奇跡はあなたにとって正しい道だと教えてくれるのがキリストのヴィジョンである。






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