●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pII. What Is the Ego?

 

What Is the Ego?


1. The ego is idolatry; the sign of limited and separated self, born in a body, doomed to suffer and to end its life in death. 

  • idolatry [aidάlətri] : 「偶像崇拝、狂信的忠誠」
  • sign [sáin] : 「象徴、しるし、証拠」
  • separated [sépərèitid] : 「分離した、別々になって」
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
  • doom [dúːm] : 「運命づける」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」

❖ "The ego is ~ "「エゴとは偶像崇拝である」。"the sign of ~ "「肉体の中に生まれ、制限され分離させられた自己の象徴であり、」"doomed to ~ "「苦しみ、その命を死で終える運命にある」。神からの分離を象徴する肉体の中にあって、神に代わる偽神がエゴだ。幻想の空間と時間をでっち上げたおかげで、能力に制限が生じ、肉体の命さえ死という結末を避けられない。


It is the "will" that sees the Will of God as enemy, and takes a form in which it is denied. 

  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • deny [dinái] : 「否定する、認めない」

❖ "It is the ~ "「エゴは神の意志を敵と見なす”意志”であり、神の意志を否定する形をとる」。


The ego is the "proof" that strength is weak and love is fearful, life is really death, and what opposes God alone is true.

  • proof [prúːf] : 「証拠、立証、証明、証し」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ」
  • weak [wíːk] : 「弱い、無力な、弱った」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、おびえている」
  • oppose [əpóuz] : 「反対する、対抗する」
  • alone [əlóun] : 「独りで、独力で、単独で」

❖ "The ego is ~ "「エゴは、強さとは弱さであり、愛は恐れだという”証拠”である」。神の意志に反するエゴから見れば、神の強さは弱々しく、神の愛は恐れを抱かせるものに映る。"life is really ~ "「命は本当は死であり、神に反することだけが真実だとする」。神の子は、神から分離して自らが神のように振る舞うために、神と正反対の偽神としてのエゴをでっち上げ、この幻想の世界を作った。


2. The ego is insane. In fear it stands beyond the Everywhere, apart from All, in separation from the Infinite. 

  • insane [inséin] : 「ばかげた、愚かな、正気でない」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、別離、離脱」
  • infinite [ínfənət] : 「無限の、計り知れない」

❖ "The ego ~ "「エゴは狂気である」。"In fear it ~ "「恐れの中にあって、エゴはあらゆる場所に遍在するものを越え、」あらゆる場所に遍在する実相的実在である神の向こうに位置し、"apart from ~ "「すべてであるものから離れ、永遠であるものから分離して立つ」。実在するすべてである実相的存在の神から分離し、永遠性を放棄して時間という幻想の中で死を待つ存在、それがエゴだ。


In its insanity it thinks it has become a victor over God Himself. 

  • insanity [insǽnəti] : 「狂気、精神病、精神異常」
  • victor [víktər] : 「勝利者、征服者」

❖ "In its insanity ~ "「狂気の中にあって、エゴは神自身を凌駕した勝利者になったと思っている」。


And in its terrible autonomy it "sees" the Will of God has been destroyed. 

  • terrible [térəbl] : 「恐ろしい、怖い」
  • autonomy [ɔːtɑ́nəmi] : 「自立、自律性、自主性」
  • destroy [distrɔ́i] : 「〜を破壊する、ぶち壊す」

❖ "And in its ~ "「そして、恐ろしい自律性を抱いて、」神から自律していると思い込んで恐ろしい権力を振るい、"it "sees" the Will ~ "「エゴは神の意志が破壊されたと”見て”いる」。神の意志を打ち負かしたという妄想を抱いている。


It dreams of punishment, and trembles at the figures in its dreams; its enemies, who seek to murder it before it can ensure its safety by attacking them.

  • punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰すること、罰」
  • tremble [trémbl] : 「身震いする、恐れる」
  • figure [fíɡjər] : 「姿、人影、人物」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵対者」
  • seek [síːk] : 「探し求める、捜し出す」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺す、殺害する」
  • ensure [inʃúər] : 「〜を確かにする、確実にする」
  • safety [séifti] : 「安全、無事」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する」

❖ "It dreams of ~ "「エゴは罰という悪夢を見ながら、夢の中の人影に戦々恐々としている」。神を裏切って分離したからには、きっと神から罰せられるに違いないと恐れを抱きつつ、幻想の中に登場する人影は自分を殺しに来たのではないかと思い、戦々恐々としている。"its enemies, who ~ "「人影とは敵であり、エゴが攻撃を仕掛けて安全を確保する前にエゴを殺そうとしていると思っている」。エゴは、殺される前に殺せ、奪われる前に奪え、と言う。しかし、その心の中は罰への恐れでいっぱいだ。


3. The Son of God is egoless. What can he know of madness and the death of God, when he abides in Him? 

  • egoless [íːɡoulis] : 「エゴのない」
  • of : 「〜について」
  • madness [mǽdnis] : 「狂気、熱狂」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」

❖ "The Son ~ "「神の子はエゴ的でない」。エゴは神の子が幻想の中ででっち上げた偽神であって、本来の神の子はエゴ的ではない。"What can he ~ "「神の子が神の内にとどまっていると言うのに、神の子は狂気や神の死について何を知り得るだろう」。神は狂気や死が幻想であり存在しないことを知っている。そんな神の住む実相世界に神の子がいれば、どうして狂気や死を知り得るだろう。どうして狂気や死が実在するなどと信じるだろう。


What can he know of sorrow and of suffering, when he lives in eternal joy? 

  • sorrow [sάrou] : 「悲しみ、悲哀」
  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しむこと、苦しみ、苦痛」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」

❖ "What can he ~ "「神の子が永遠の喜びの中に住んでいると言うのに、神の子は悲しみや苦しみについて何を知り得よう」。悲しみも苦しみも幻想である。本当の神の子は実在する実相的喜びを永遠に感じるのみだ。


What can he know of fear and punishment, of sin and guilt, of hatred and attack, when all there is surrounding him is everlasting peace, forever conflict-free and undisturbed, in deepest silence and tranquility?

  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • punishment [pʌ́niʃmənt] : 「罰すること、罰」
  • guilt [ɡílt] : 「あやまち、罪」
  • hatred [héitrid] : 「憎しみ、憎悪、嫌悪」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • surround [səráund] : 「包囲する、囲む、取り囲む」
  • everlasting [èvərlǽstiŋ] : 「永遠の、不朽の」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • conflict [kɑ́nflikt] : 「衝突、対立、葛藤、軋轢」
  • -free : 「〜のない、〜が含まれていない」
  • undisturbed [ʌ̀ndistə́ːrbd] : 「邪魔されない、平穏な」
  • deep [díːp] : 「深い、深さがある」
  • silence [sáiləns] : 「静けさ、静寂、沈黙」
  • tranquility [træŋkwíləti] : 「静けさ、静寂、平穏、平和」

❖ "What can he ~ "「神の子は恐れや罰、罪や罪悪、嫌悪や攻撃性について何を知り得よう」。"when all there ~ "「神の子を取り囲むすべてのものが永遠の平和であり、永遠に葛藤も煩わしさもなく、深い静寂と平穏の内にあると言うのに」。


4. To know reality is not to see the ego and its thoughts, its works, its acts, its laws and its beliefs, its dreams, its hopes, its plans for its salvation, and the cost belief in it entails. 

  • reality [riǽləti] : 「現実、実在」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考」
  • work [wə́ːrk] : 「仕業、仕掛け、働き」
  • act [ǽkt] : 「行為、活動、言動」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
  • cost [kɔ́st] : 「費用、経費、原価」
  • entail [entéil] : 「〜を伴う、必要とする、引き起こす」

❖ "To know reality ~ "「現実を知るとは、エゴやエゴの考え、その働き、行い、エゴの法やエゴの信じていること、その夢、その願い、エゴの救いの計画、エゴを信じることに伴う代償、などに目を向けないことだ」。実在する現実、つまり実相を知るには、幻想に過ぎないエゴの誘いに惑わされることなく、エゴを無視するに限る。


In suffering, the price for faith in it is so immense that crucifixion of the Son of God is offered daily at its darkened shrine, and blood must flow before the altar where its sickly followers prepare to die.

  • suffering [sʌ́fəriŋ] : 「苦しみ、苦痛、悩み」
  • price [práis] : 「値段、価格、代償」
  • faith [féiθ] : 「信頼、信用、信じること、信仰」
  • immense [iméns] : 「巨大な、広大な、莫大な」
  • crucifixion [krùːsəfíkʃən] : 「十字架刑」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、〜を提供する」
  • daily [déili] : 「日々、常に、絶えず」
  • darken [dάːrkən] : 「〜を暗くする」
  • shrine [ʃráin] : 「聖堂、神社」
  • blood [blʌ́d] : 「血」
  • flow [flóu] : 「流れる、自由に動く」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • sickly [síkli] : 「病弱な、活気のない、弱々しい」
  • follower [fάlouər] : 「信奉者、追随者」
  • prepare [pripέər] : 「〜を準備する、用意する」

❖ "In suffering, ~ "「苦しみの中にあって、エゴを信じる代償があまりにも大きいので、エゴの暗い宮の中で神の子を十字架にかけることが日々求められる」。エゴは「奪う前に奪え、殺される前に殺せ」と教える。そう信じることで神の子同士は憎しみあい殺しあう。あたかも毎日他人や自分の存在を十字架にかけて、苦と痛みに満ちた犠牲の世界を生きているようなものだ。"and blood must ~ "「そして、エゴの弱々しい信者達が死ぬ準備をするエゴの祭壇の前で血は流されざるを得ない」。幻想の偽神エゴを信奉する者達は、日々血を流しながら死を待つ。


5. Yet will one lily of forgiveness change the darkness into light; the altar to illusions to the shrine of Life Itself. 

  • lily [líli] : 「ユリ」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • altar [ɔ́ːltər] : 「祭壇、聖餐台」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • shrine [ʃráin] : 「聖堂、祭壇」

❖ "Yet will one ~ "「しかし、一本の赦しの百合が闇を光に変える」。"the altar to ~ "「幻想の祭壇が命自体の聖堂に変えられる」。実相の命(光)が幻想のエゴ(闇)を駆逐する。エゴの幻想を見抜き、それが夢に過ぎないと赦して消滅させてしまうのだ。幻想が消滅すれば、自ずと実相の光が見えてくる。


And peace will be restored forever to the holy minds which God created as His Son, His dwelling place, His joy, His love, completely His, completely one with Him.

  • restore [ristɔ́ːr] : 「〜を元の状態に戻す、回復させる」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • dwell [dwél] : 「ある、宿る、残る、存在する」
  • completely [kəmplíːtli] : 「完全に、全く」
  • his [hiz] : 「彼の、彼のもの」

❖ "And peace ~ "「そして平和は、神が神の子として創造したままの神聖な心へと永遠に修復される」。幻想の苦と痛みに苛(さいな)まれた心は、神が創造したままの純粋で神聖な心として生まれ変わり、永遠の平和が復活する。"His dwelling ~ "「神の子の住まい、神の子の喜び、神の子の愛も修復され、完全に神のものとして、完全に神と一緒の子として復活する」。







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