●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.192.1:1 ~ W-pI.192.10:9

Lesson 192



I have a function God would have me fill. 
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、働き、役割」
  • fill [fíl] : 「就く、こなす」
❖ "I have a ~ "「私には、神が私にやって欲しいと思っている役割がある」。役割とは、神へ回帰し、神と一体になって愛を分かち合い、真実を拡張増大させるという実相的な創造を続けていくこと。そこへ至るためには、幻想を赦し、分離という罪を贖罪し、夢を滅却して実相へ目覚め、同胞を救うという地上的な役割をも果たさなくてはならない。



1. It is your Father's holy Will that you complete Himself, and that your Self shall be His sacred Son, forever pure as He, of love created and in love preserved, extending love, creating in its name, forever one with God and with your Self. 
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を仕上げる、完成する」
  • sacred [séikrid] : 「神聖な、聖なる」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • pure [pjúər] : 「純粋な、清らかな、」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保護する、〜を維持する」
  • extend [iksténd] : 「拡張する、拡大する」
❖ "It is your ~ "「that以下は、あなたの父なる神の神聖な意志である」。"that you complete ~ "「あなたが神自身を完成させ、」神の子であるあなたが神の下(もと)に回帰し、ホーリー・スピリットと共に神と一体となって三位一体を完成させ、"and that your ~ "「さらに、あなた自身が神の神聖な子となって、神同様に永遠に神聖であり、愛によって創造され愛の中に守られ、愛を拡張し、神の子の名の下(もと)に創造し、永遠に神と、そしてあなた自身と一体であること」が、神の意志である。神と神の子が一体となって愛という真実を分かち合い、分かち合うことで真実を拡張増大させるという実相的創造を永遠に続けていくこと、それが神の意志だ。



Yet what can such a function mean within a world of envy, hatred and attack? 
  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • envy [énvi] : 「嫉妬、ねたみ、羨望」
  • hatred [héitrid] : 「憎しみ、憎悪、嫌悪」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行」
❖ "Yet what can ~ "「しかし、妬みと憎しみと攻撃性に満ちたこの世界にあって、そんな役割は何を意味することが出来るだろうか」。神との共同創造はこの妬みと憎しみと攻撃性に満ちたこの世界にあっては実現できない。神の子であるあなたが神の下(もと)へ回帰して初めて実現可能である。



2. Therefore, you have a function in the world in its own terms. For who can understand a language far beyond his simple grasp? 
  • term [tə́ːrm] : 「言葉、言い回し、表現」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • grasp [ɡrǽsp] : 「把握、理解」
❖ "Therefore, you ~ "「したがって、あなたはこの世界にあって、この世界の言葉で表現できる役割をもつ」。天の王国に回帰して実相的な役割を果たす前に、この世で行うべき役割もある。"For who can ~ "「と言うのも、いったい誰が、単純な理解を遙かに越えた言語を理解することが出来るだろうか」。レベルの高い実相世界の役割を言葉で説明しても、幻想世界に住む私達には理解できない。そこで、私達が理解できる形でこの世の役割を果たす必要がある。



Forgiveness represents your function here. It is not God's creation, for it is the means by which untruth can be undone. 
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、容赦」
  • represent [rèprizént] : 「〜を表す、描く」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • untruth [ʌntrúːθ] : 「真実でないこと、虚偽」
  • undone [ʌndʌ́n] : 「undoの過去分詞形」
  • undo [ʌndú] : 「元どおりにする、取り消す」
❖ "Forgiveness represents ~ "「赦しが、ここでのあなたの役割を表している」。この世の幻想性を見抜き、その事実を受け入れて受け流し、赦してしまうこと。赦された幻想は消滅するしかない。もちろん、実相世界に赦しは存在しない。必要ないからだ。"It is not God's ~ "「それは神の創造ではない」。赦しは実相的な創造ではない。実相的な創造を可能にするための前段階の作業であって、赦しによって夢から目覚め、その後に実相的創造がある。"for it is the ~ "「なぜなら、赦しは、真実ではないものを取り消す方法だからだ」。幻想を赦して消滅させるのであって、赦し自体が真実を生み出すわけではない。



And who would pardon Heaven? Yet on earth, you need the means to let illusions go. 
  • pardon [pάːrdn] : 「許す、赦免する」
  • let go : 「手放す、捨てる」
❖ "And who would ~ "「また、誰が天の王国を赦そうと思うだろうか」。天の王国は幻想ではないから、赦そうにもそれは不可能だ。天の王国に赦しは存在しない。"Yet on earth ~ "「しかし、この地上にあっては、あなたは幻想を捨てる方法が必要だ」。その手段が赦しである。



Creation merely waits for your return to be acknowledged, not to be complete. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • wait [wéit] for : 「〜を待つ」
  • return [ritə́ːrn] : 「回帰、帰還、帰ること」
  • acknowledge [æknάlidʒ] : 「認める、受け入れる」
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を完了する、完成する」
❖ "Creation merely ~ "「創造性は、それが完成されることではなく、受け入れられるために、あなたの帰還をただ待ち望んでいる」。実相的創造性は天の王国においてすでに完成している。その天の王国を離れた神の子が自分の創造性を忘れているだけだ。あなたが天の王国に回帰し、神から継承した創造性を思い出し、再び受け入れることを神(創造性)は望んでいる。



3. Creation cannot even be conceived of in the world. It has no meaning here. 
  • conceive [kənsíːv] of :「〜を考え出す、〜を心に描く」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義」
❖ "Creation cannot ~ "「創造はこの世界では考えも及ばない」。実相的な創造、つまり、真実(愛)の分かち合いによる拡張増大は、この幻想世界では考えられない。"It has no ~ "「ここでは、創造はまったく意味がないからだ」。目覚めの世界の出来事は夢の世界では意味をもたない。



Forgiveness is the closest it can come to earth. For being Heaven-born, it has no form at all. 
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、現れ、姿」
❖ "Forgiveness is ~ "「赦しは、この世界に関して言えば、創造に最も近い」。"For being ~ "「なぜなら、天の王国で生まれたものは形というものをまったく持たないからだ」。天の王国は完全な想念の世界、完全な抽象の世界なので、具象的な形をまったくもたない。幻想を赦すという行為は形とし表されるものではなく、純粋に抽象的な行為であり、夢から実相に目覚めるという手段であるという意味でも、赦しは実相世界の創造に近い。もっとも、実相世界には赦しは存在しない。赦されるべきものがないから、赦しという概念はそもそもないのだ。



Yet God created One Who has the power to translate in form the wholly formless. 
  • translate [trænsléit] : 「変換する」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体的に」
  • formless [fɔ́ːrmlis] : 「形のない、実体のない」
❖ "Yet God created ~ "「しかし神は、まったく形のないものから形のあるもへと変えるパワーをもったホーリー・スピリットを創造した」。抽象的な実相世界と具象的な幻想世界の間を仲介するホーリー・スピリットを神は創造した。ホーリー・スピリットは形のない抽象を形のある具象に変換し、私達の感覚で理解できるように教え導く。



What He makes are dreams, but of a kind so close to waking that the light of day already shines in them, and eyes already opening behold the joyful sights their offerings contain. 
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • joyful [dʒɔ́ifəl] : 「うれしい、うれしそうな、楽しい」
  • offering [ɔ́ːfəriŋ] : 「提供されるもの、贈り物」
  • contain [kəntéin] : 「含む、包含する」
❖ "What He makes ~ "「ホーリー・スピリットの作るものは夢なのだが、」ホーリー・スピリットはあえて実体のない夢を作って、具体的な形を示してくれる。"but of a kind ~ "「それはあまりにも目覚めに近いものなので、日の光はすでにその夢の中で輝き、開き始めた目は夢が差し出す贈り物の喜びに満ちた光景を目撃している」。実相の光景、ヴィジョンがおぼろげながら見えて来る。



4. Forgiveness gently looks upon all things unknown in Heaven, sees them disappear, and leaves the world a clean and unmarked slate on which the Word of God can now replace the senseless symbols written there before. 
  • gently [dʒéntli] : 「優しく、穏やかに」
  • look upon : 「〜を見る」
  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、消滅する」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、ある状態のままにしておく」
  • unmarked [ʌ̀nmάːrkt] : 「傷跡のない、印のない」
  • slate [sléit] : 「粘板岩、石板」
  • replace [ripléis] : 「〜を交換する、置き換える」
  • senseless [sénslis] : 「愚かな、無意味な」
❖ "Forgiveness gently ~ "「赦しは、天の王国では知ることのないあらゆることに優しく視線を送り、それらが消滅するのを見る」。実相世界には存在しないこの世のあらゆる幻想を赦しは射程にとらえ、文字通り赦して消滅させる。もちろん赦す主体はあなただ。"and leaves the ~ "「そして赦しは、この世界を何も書かれていない綺麗な状態に戻し、それ以前にそこに書かれていた意味のないシンボルは今や神の言葉に置き換えられる」。存在さえしなかった無意味な幻想世界は消滅し、クリーンになったあなたの視界に、神の言葉(真実なる意志)で満ちたヴィジョンが立ち現れる。



Forgiveness is the means by which the fear of death is overcome, because it holds no fierce attraction now and guilt is gone. 
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • overcome [òuvərkʌ́m] : 「克服する、乗り越える」
  • hold no : 「〜を与えない」
  • fierce [fíərs] : 「どう猛な、荒々しい」
  • attraction [ətrǽkʃən] : 「引力、魅力」
  • guilt [ɡílt] : 「あやまち、罪」
❖ "Forgiveness is the ~ "「赦しとは、死の恐怖を克服する方法である」。"because it holds ~ "「なぜなら、死は今やどう猛な魅力を失い、罪も消滅してしまったからだ」。神から分離した後、神の子は時間という錯覚を弄(もてあそ)び、変化流動し崩壊と死に向かう幻想世界をでっち上げた。その幻想世界を赦すことで、今や幻想世界は消滅し、死も、また神を裏切ったという罪の意識も消滅する。悪夢は終わる。



Forgiveness lets the body be perceived as what it is; a simple teaching aid, to be laid by when learning is complete, but hardly changing him who learns at all. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • aid [éid] : 「援助、補助」
  • teaching aid : 「教育用具、補助教材」
  • lay by : 「取入れをする」
  • complete [kəmplíːt] : 「〜を完了する、終える」
  • hardly [hάːrdli] : 「ほとんど〜ない、とても〜ない」
❖ "Forgiveness lets the ~ "「赦しは肉体を、本来そうである姿として知覚させる」。肉体は幻想であり実相としては実在しないが、この世にあっては実相に目覚めるための学びや教えの補助装置としの役割を担っている。赦しはそれに気付かせてくれる。"a simple teaching ~ "「肉体は簡素な教育補助装置であり、学びが完了した時には刈り取られるものであって、決して学ぶ者を変化させるようなものではない」。この世にあっては肉体は変化流動し最後は死に至るのだから、不変性を帯びた実相世界のものではないと理解される。つまり、肉体は神の創造した実体ではないと悟ることが出来る。肉体の実態(幻想性)を知ることが学びであり、その意味で肉体は学びのための補助装置だ。肉体にはそれ以上の意味はなく、実体のない肉体が神の子のアイデンティティを変えることはない。学びが完了すれば、学びのための補助装置は不必要となり、すみやかに消滅する。



5. The mind without the body cannot make mistakes. It cannot think that it will die, nor be the prey of merciless attack. 
  • prey [préi] : 「犠牲、被害者、餌食」
  • merciless [mə́ːrsilis] : 「無慈悲な、無情な」
❖ "The mind without ~ "「肉体をもたない心は誤りを犯すことは不可能だ」。幻想の肉体を消滅させ実相に目覚めた心は真実に満たされたヴィジョンをもち、幻想を実在すると見誤ることはなくなる。"It cannot think ~ "「心は死に行くものだと考えることは不可能になるし、無慈悲な攻撃の餌食なることもあり得ない」。幻想世界自体が消滅してしまうので、幻想に過ぎない死という概念も消え、分離そのものがなくなるのでエゴ的な攻撃性も消滅する。



Anger becomes impossible, and where is terror then? What fears could still assail those who have lost the source of all attack, the core of anguish and the seat of fear? 
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、あり得ない」
  • terror [térər] : 「恐怖、テロ」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • still [stíl] : 「まだ、今でもまだ」
  • assail [əséil] : 「〜を攻撃する、襲う」
  • lost [lɔ́st] : 「loseの過去・過去分詞形」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、なくす」
  • source [kɔ́ːr] : 「芯、中心部」
  • anguish [ǽŋɡwiʃ] : 「苦痛、苦悶、苦悩」
  • seat [síːt] : 「座席、座、台座」
❖ "Anger becomes ~ "「怒りは不可能になるし、そもそも恐怖の居場所はどこに存在し得るだろうか」。"What fears could ~ "「苦悩の中心であり恐れの台座でもあるあらゆる攻撃の源を失ってしまった者を、いったいどんな恐れがなおも襲うことが出来るだろうか」。苦悩も攻撃もその源は分離にあり、分離を象徴するエゴが消滅した今、恐れの居場所はない。



Only forgiveness can relieve the mind of thinking that the body is its home. 
  • relieve [rilíːv] : 「軽減する、和らげる」
❖ "Only forgiveness ~ "「赦しだけが、肉体が我が家だと思っている心を解放できる」。肉体が心を作っていると考えている心は、そう信じることによって苦悩し恐れを抱く。肉体は幻想に過ぎないと達観し、肉体を夢に過ぎないものだと赦してしまえば、肉体は消滅する。心は肉体という牢獄から解放される。



Only forgiveness can restore the peace that God intended for His holy Son. 
  • restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する」
  • intend [inténd] : 「〜するつもりである、〜を意図する」
  • intend A for B : 「AをBに提供するよう意図する」
❖ "Only forgiveness ~ "「赦しだけが、神が神の子のために意図した平和を回復させることが出来る」。



Only forgiveness can persuade the Son to look again upon his holiness. 
  • persuade [pərswéid] : 「促して〜させる」
❖ "Only forgiveness ~ "「赦しだけが、神の子を促して再び神聖さに目を向けさせることが出来る」。



6. With anger gone, you will indeed perceive that, for Christ's vision and the gift of sight, no sacrifice was asked, and only pain was lifted from a sick and tortured mind. 
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • indeed [indíːd] : 「本当に、確かに」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • sacrifice [sǽkrəfàis] : 「犠牲、犠牲にすること」
  • lift [líft] : 「解除する、取り除く、撤廃する」
  • torture [tɔ́ːrtʃər] : 「〜をひどく苦しめる」
❖ "With anger ~ "「怒りが去れば、あなたはthat以下に気付くだろう」。"for Christ's ~ "意訳する、「キリストのヴィジョンや神から授かった視力でもの見ることによって、一切の犠牲は求められることはなく、痛みだけが病と苦痛を感じる心から取り除かれる」と気付くだろう。キリストのヴィジョンとは、幻想に惑わされることなく真実を見抜く視力、またその視力がとらえる光景。神の子が神から継承した神の属性としての視力であり、言い換えれば『叡智』である。ヴィジョンをもって世界を見れば、幻想世界で生きる痛みや苦痛は錯覚であり、一切の犠牲を求められることはないと分かる。



Is this unwelcome? Is it to be feared? Or is it to be hoped for, met with thanks and joyously accepted? 
  • unwelcome [ʌ̀nwélkəm] : 「歓迎されない」
  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • meet [míːt] : 「合う、かなう」
  • joyously [dʒɔ́iəsli] : 「喜んで」
  • accept [əksépt]: 「受け入れる、承認する」
❖ "Is this ~ "「これは歓迎されないことだろうか」。"Is it to ~ "「それは恐れられるべきものだろうか」。"Or is it to ~ "「それとも、希望すべきもの、感謝に値するもの、喜びをもって受け入れるべきものだろうか」。



We are one, and therefore give up nothing. But we have indeed been given everything by God. 
  • therefore [ðέərfɔ̀ːr] : 「従って、だから」
  • give up :  「あきらめる、断念する」
❖ "We are one ~ "「私達は一体であるから、何も断念する必要はない」。あなたはキリストと一体であり、神から継承した神の属性を何一つ断念する必要はない。何かを犠牲にする必要はない。"But we have ~ "「それどころか、私達は本当に神からすべてを与えられているのだ」。



7. Yet do we need forgiveness to perceive that this is so. Without its kindly light we grope in darkness, using reason but to justify our rage and our attack. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • kindly [káindli] : 「親切な、優しい」
  • grope [ɡróup] : 「〜を手探りして見つける」
  • reason [ríːzn] : 「理性、理知、判断力」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する」
  • rage [réidʒ] : 「激怒、激しい怒り」
❖ "Yet do we ~ "「しかし、その通りだと知覚するためには、私達はどうしても赦しが必要だ」。前段落に書かれたことが真実だと知るには、実在だと思い込んでいるこの現実が実は幻想に過ぎないと見抜き、夜見る夢の内容を受け流してしまうように、この世の幻想性を赦してしまう必要がある。"Without its ~ "「その優しい光がなければ、」赦しが闇に放つ優しい光がなければ、"we grope in ~ "「私達は闇の中を手探りすることになり、私達の怒りや攻撃性を正当化するためだけに理性を使わなくてはならなくなる」。幻想世界の闇の中を、肉体的な頭脳による理性だけを頼りにして生きて行かなくてはならなくなる。しかも、自分の怒りや攻撃性を正当化するためだけに理性を使うことになる。



Our understanding is so limited that what we think we understand is but confusion born of error. 
  • limit [límit] : 「〜を限定する、〜を制限する」
  • confusion [kənfjúːʒən] : 「混乱状態、混乱、混同」
  • born [bɔ́ːrn] of : 「〜から生まれた、〜から生じた」
❖ "Our understanding ~ "「私達の理解力は制限されているので、私達が理解していると思い込んでいることは誤りから生じた混同に過ぎない」。理性による理解は、そもそも存在しない世界を自分に都合良く解釈するために生み出されたものなので、そんな制限の下では、非実在と実在、真実と虚偽とを混同して解釈してしまうことがある。



We are lost in mists of shifting dreams and fearful thoughts, our eyes shut tight against the light; our minds engaged in worshipping what is not there. 
  • lost [lɔ́st] : 「道に迷った、迷子になった」
  • mist [míst] : 「霧、かすみ、もや」
  • shifting [ʃíftiŋ] : 「変わりやすい」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、怖い」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考」
  • shut [ʃʌ́t] : 「閉じる」
  • tight [táit] : 「きつく、きっちりと」
  • engaged [inɡéidʒd] : 「没頭している、忙しい」
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝する、崇敬する」
❖ "We are lost ~ "「移ろう夢や恐ろしい思いに満ちた霧の中で私達は道に迷っている」。"our eyes shut ~ "「私達は光に対して固く目を閉じ、」真実の光を見ようともせず、"our minds ~ "「私達の心は、そこにありもしないことに没頭している」。幻想世界の存在もしない雑事に追われて生きている。



8. Who can be born again in Christ but him who has forgiven everyone he sees or thinks of or imagines? 
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
❖ "Who can be ~ "「見たり思ったり、想像したり出来るすべての人達を赦した者以外に、いったい誰がキリストの中に生まれ変わることが出来るだろうか」。自分も含めて、あらゆる人達が幻想の中に生きているのだと見抜き、その幻想性を赦すことが出来た者こそ、救いの道を歩むキリストとなって生まれ変わることが出来る。生まれ変わるとは、死んで再び生まれるという意味ではなく、キリストの住む実相世界の中に目覚める、という意味合い。



Who could be set free while he imprisons anyone? A jailer is not free, for he is bound together with his prisoner. 
  • be set free : 「自由の身となる、釈放される」
  • while [hwáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの」
  • imprison [imprízn] : 「監禁する、投獄する」
  • jailer [dʒéilər] : 「看守」
  • bound : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を束縛する、拘束する」
  • prisoner [prízənər] : 「囚人、捕虜」
❖ "Who could be ~ "「誰かを監獄に閉じ込めておきながら、いったい誰が自由になれるだろうか」。"A jailer is ~ "「看守は囚人と共に束縛されているので、自由ではない」。



He must be sure that he does not escape, and so he spends his time in keeping watch on him. 
  • escape [iskéip] : 「逃げる、脱出する」
  • spend [spénd] : 「使う、費やす」
  • keep watch : 「当直をする、番をする」
❖ "He must be ~ "「看守は囚人が逃げないように確信を持たねばならないから、囚人を監視し続けるために自分の時間を使う」。だから、看守は囚人と共に束縛されて自由ではない。



The bars that limit him become the world in which his jailer lives, along with him. And it is on his freedom that the way to liberty depends for both of them. 
  • bar [bάːr] : 「柵、鉄格子」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放」
  • liberty [líbərti] : 「解放、自由」
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である」
❖ "The bars that ~ "「囚人を制限する鉄格子の中が、看守が囚人と共に生きる世界となる」。あなたが看守となって同胞を幻想世界という監獄に閉じ込めている限り、あなたは幻想世界の外に出ることは出来ない。あなたも同胞も共に幻想世界に監禁され続ける。



9. Therefore, hold no one prisoner. Release instead of bind, for thus are you made free. The way is simple. 
  • release [rilíːs] : 「解放する、自由にする」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
  • bind [báind] : 「縛る、結び付ける」
  • thus [ðʌ́s] : 「従って、このようにして」
  • simple [símpl] : 「簡素な、易しい、難しくない」
❖ "Therefore, hold ~ "「したがって、誰も囚人にしてはいけない」。"Release instead ~ "「束縛する代わりに解放しなさい」。同胞を幻想の中に閉じ込めるのではなく、幻想から目覚めさせなさい。"for thus are ~ "「なぜなら、こうすることで、あなたは自由になれるからだ」。"The way ~ "「方法はいたって簡単だ」。



Every time you feel a stab of anger, realize you hold a sword above your head. 
  • stab [stǽb] : 「刺すような痛み」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • realize [ríːəlàiz] : 「自覚する、実感する」
  • sword [sɔ́ːrd] : 「剣、刀」
❖ "Every time you ~ "「あなたが刺すような怒りを感じるたびに、頭上に剣を構えているのだと自覚しなさい」。



And it will fall or be averted as you choose to be condemned or free. 
  • avert [əvə́ːrt] : 「避ける、回避する」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
❖ "And it will ~ "「あなたが罪を咎められるか、あるいは自由になるか、その選択をすることで、剣は振り下ろされるか回避されるかが決まる」。怒りを爆発させて剣を振り下ろせば罪の意識に苛まれて自分を責め、あるいは、怒りは幻想に過ぎないと達観して赦し、剣を下ろせば憎悪と怒りの悪夢から救われる。



Thus does each one who seems to tempt you to be angry represent your savior from the prison house of death. And so you owe him thanks instead of pain. 
  • tempt [témpt] : 「〜を誘惑する、〜を唆す」
  • represent [rèprizént] : 「表す、象徴する、意味する」
  • savior [séiviər] : 「救い手、救済者、救い主」
  • prison house : 「獄舎」
  • owe [óu] : 「負っている、〜のおかげである」
❖ "Thus does each ~ "「こうして、あなたを怒りに誘い込もうとするかに見える一人一人が、死という獄舎からあなたを救い出す救い主となる」。あなたが怒りを感じる同胞を、それは夢だと達観し赦すことで、あなたは憎悪という幻想から救われる。憎いと感じた同胞はあなたの救い主になる。"And so you ~ "「こうして、あなたは痛みの代わりに感謝の気持ちを彼に負うことになる」。救ってくれた同胞に感謝すべきだ。



10. Be merciful today. The Son of God deserves your mercy. 
  • merciful [mə́ːrsifl] : 「慈悲深い、情け深い」
  • deserve [dizə́ːrv] : 「〜を受けるに値する」
  • mercy [mə́ːrsi] : 「慈悲、情け」
❖ "Be merciful ~ "「今日は慈悲深くありなさい」。"The Son of ~ "「神の子はあなたの慈悲を受けるに値する」。神の子である同胞は、あなたの慈悲ある赦しを受けるに値する。



It is he who asks that you accept the way to freedom now. Deny him not. His Father's Love for him belongs to you. 
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、拒む、拒絶する」
  • belong [bilɔ́ːŋ] to : 「〜に属する、〜の所有である」
❖ "It is he ~ "「あなたに今、自由への道を受け入れるようにと求めているのは彼である」。同胞の幻想性を赦し、赦すことであなたの幻想性も赦されて消滅する。同胞とあなたは自他一如であり、同胞を通してあなたは自由になる。"Deny him ~ "「同胞を拒絶ししてはいけない」。同胞に憎悪を感じ、怒りを振り回したままではいけない。慈悲をもって赦すべきだ。"His Father's ~ "「同胞への父なる神の愛は、あなたのものでもある」。神の子を愛する神の愛は普遍である。あなたを愛するように神は同胞を愛し、同胞を愛するようにあなたを愛している。神にとって神の子は単一の存在である。



Your function here on earth is only to forgive him, that you may accept him back as your Identity. He is as God created him. 
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、働き、役割」
❖ "Your function ~ "「この地上におけるあなたの役割は彼を赦すことだけだ」。"that you may ~ "「そうすることで、あなたは、彼のアイデンティティーをあなたのアイデンティティーとして受け入れ直すことが出来る」。同胞が神に愛される神の子であると見抜き、そのアイデンティティーを受け入れることで初めて、あなた自身の神の子としてのアイデンティティーを受け入れることが可能となる。"He is as God ~ "「同胞は、神が創造したままの神の子である」。



And you are what he is. Forgive him now his sins, and you will see that you are one with him. 
  • sin [sín] : 「罪、罪悪、罪業」
❖ "And you are ~ "「そして、あなたは同胞がそうであるところのものだ」。同時にあなたも、神が創造したままの神の子だ。"Forgive him ~ "「今、彼の罪を赦しなさい」。罪という幻想に苛まれている、その悪夢を赦しなさい。夢に過ぎないと達観して受け流しなさい。悪夢は赦されて消滅する。"and you will ~ "「そうすれば、あなたは同胞と一体であると分かるだろう」。幻想から目覚めたあなたの目に、自他一如である同胞の姿が見えてくる。






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