●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pII.8.What is the Real World? .1:1 ~ 5:4

 What is the Real World?

実相世界とは何か


1. The real world is a symbol, like the rest of what perception offers. Yet it stands for what is opposite to what you made. 

  • symbol [símbəl] : 「象徴、シンボル」
  • rest [rést] : 「残り、残りの部分」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、感じ方」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、〜を提供する」
  • stand for : 「〜を表す」
  • opposite [άpəzit] : 「反対、正反対、逆」

❖ "The real ~ "「実相世界は、感覚が提供する残りの部分と似ている」。"Yet it ~ "「しかしそれは、あなたがでっち上げたものと真逆のものを表している」。この世界は肉体的な感覚が、心の中の恐れや憎しみ、悲しみ、欲などを象徴する様々な幻想の現実を作り出している。実相世界では、愛や喜び、平和、静寂などを象徴する様々な真実を実在として提供している。


Your world is seen through eyes of fear, and brings the witnesses of terror to your mind. 

  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • bring about : 「〜をもたらす、〜を引き起こす」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、証人」
  • terror [térər] : 「恐怖」

❖ "Your world ~ "「あなたの世界は恐れの目を通して見られ、あなたの心の中の恐怖の存在を証言している」。神を裏切って神から分離した神の子は、神を裏切ったという罪の意識と神から報復されに違いないという恐れを抱く。夢の中でこの幻想世界を作り上げ、肉体と知覚を通して罪と罰への恐れを現実化する。


The real world cannot be perceived except through eyes forgiveness blesses, so they see a world where terror is impossible, and witnesses to fear can not be found.

  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し」
  • bless [blés] : 「〜を祝福する、清める」
  • impossible [impάsəbl] : 「不可能な、あり得ない」
  • found [fáund] : 「findの過去・過去分詞形」

❖ "The real ~ "「実相世界は、赦しが清めてくれる目を通して見る以外に知覚されることはない」。肉体的な目を通して見える恐怖の光景は単なる幻想なのだと悟り、その幻想を赦して手放してしまえば、実相的な視力としてヴィジョンが復活し、真実だけが溢れる実相世界が見えてくる。"so they ~ "「よって、赦しによって清められた目は恐怖が不可能である世界を目撃し、恐れを見出すことは不可能だと証言する」。実相世界には恐れは存在していないのでヴィジョンは恐れを見ることはない。恐れは真実ではないから、実相世界には存在していないのだ。


2. The real world holds a counterpart for each unhappy thought reflected in your world; a sure correction for the sights of fear and sounds of battle which your world contains. 

  • hold [hóuld] : 「持つ、保持する」
  • counterpart [káuntərpὰːrt] : 「同等のもの」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な」
  • correction [kərékʃən] : 「訂正、修正、是正」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、景色」
  • sound [sáund] : 「音、響き、声」
  • battle [bǽtl] : 「戦闘、戦い、闘争」
  • contain [kəntéin] : 「含む、包含する」

❖ "The real world ~ "「実相世界は、あなたの世界に映し出された不幸せな思いの一つ一つに、それと対等な思いを保持している」。たとえば、憎しみという思いに対して愛という思い、悲しみという思いに対して喜びという思い。"a sure correction ~ "「それは確かに、あなたの世界が内にもっている恐ろしい光景や戦いの響きを修正するものである」。たとえば、憎しみを幻想として捉(とら)え、そんな夢を赦して解放してしまえば、憎しみの感情は消滅して愛が生まれる。悲しみも夢として赦してしまえば、喜びが復活する。


The real world shows a world seen differently, through quiet eyes and with a mind at peace. 

  • differently [dífərəntli] : 「異なって、違って」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て」
  • quiet [kwáiət] : 「静かな、静粛な、穏やかな」

❖ "The real world ~ "「静かな目を通し、また平和な心をもって見れば、実相世界は異なって見える世界を示してくれる」。苦と痛みに満ちた幻想世界は赦しによって消滅し、目の前の世界は、静かな視覚と平穏な心をもって見えてくる実相的ヴィジョンによって、まったく異なった様相を呈することになる。


Nothing but rest is there. There are no cries of pain and sorrow heard, for nothing there remains outside forgiveness. 

  • rest [rést] : 「休息、休養、安らぎ」
  • sorrow [sάrou] : 「悲しみ、悲哀」
  • heard [hə́ːrd] : 「hearの過去・過去分詞形」
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る」
  • remain outside of : 「〜の外側に残る」

❖ "Nothing but ~ "「そこには安らぎだけがある」。"There are no ~ "「そこでは、痛みや悲しみの叫びは聞こえて来ない」。"for nothing ~ "「なぜなら、そこでは、赦しから除外されるものは何一つ残されていないからだ」。幻想のすべては夢として赦され、解放されて消滅する。痛みも悲しみも実相世界には存在し得ない。


And the sights are gentle. Only happy sights and sounds can reach the mind that has forgiven itself.

  • gentleness [dʒéntlnəs] : 「優しさ、穏やかさ」
  • reach [ríːtʃ] : 「達する、至る」
  • forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する」

❖ "And the sights ~ "「そして、光景は穏やかだ」。"Only happy ~ "「幸せな光景と音だけが、自分自身を赦した心に到達することが出来る」。


3. What need has such a mind for thoughts of death, attack and murder? What can it perceive surrounding it but safety, love and joy? 

  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考」
  • death [déθ] : 「死、死亡」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行」
  • murder [mə́ːrdər] : 「殺人、人殺し」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • surround [səráund] : 「包囲する、囲む」
  • safety [séifti] : 「安全、無事」

❖ "What need ~ "「死や攻撃や殺人という考えをもつには、そのような心には何が必要だと言うのか」。つまり、赦しを経た実相的な心は死や攻撃や殺人などという考えとまったく無縁だ。"What can it ~ "「安心や愛や喜びに包まれているというのに、そのような心はそれ以外の何を知覚し得ようか」。つまり、赦しを経た実相的な心は安心や愛や喜びだけを感じ得る。


What is there it would choose to be condemned, and what is there that it would judge against? 

  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
  • against [əɡéinst] : 「〜に反対して」

❖ "What is there ~ "「そんな心が非難されることを選ぶようなことがあるだろうか」。赦しを経た実相的な心は、非難されたり攻撃されたりすることをわざわざ選ぶことはない。つまり、赦しを経た実相的な心は非の打ち所がない。"and what is ~ "「また、そんな心が否定的な判断を下すことはあるだろうか」。赦しを経た実相的な心は、善悪や美醜などの判断を下すことはない。なぜなら、赦しを経た実相的な心の周りには悪や醜はなく、善と美だけが存在するからだ。


The world it sees arises from a mind at peace within itself. No danger lurks in anything it sees, for it is kind, and only kindness does it look upon.

  • arise [əráiz] from : 「〜から生じる、〜に起因する」
  • danger [déindʒər] : 「危険、危機」
  • lurk [lə́ːrk] : 「待ち伏せする、隠れて待つ 」
  • kindness [káindnis] : 「親切、思いやり」
  • look upon : 「〜を見る」

❖ "The world ~ "「実相世界は、それ自体の中に平和で過ごす心から生じる」。自己充足する平和な心から実相世界は立ち上がってくる。"No danger lurks ~ "「心が目にする何ものにも危険は潜んでいない」。"for it is ~ "「なぜなら、心は優しく、優しさだけを見るからだ」。実相世界は一元論の世界であり、愛はあるが憎しみはなく、喜びはあるが悲しみはない。優しさだけが存在し、平和を乱すものは存在しない。


4. The real world is the symbol that the dream of sin and guilt is over, and God's Son no longer sleeps. 

  • symbol [símbəl] : 「象徴、シンボル」
  • sin [sín] : 「罪、罪悪」
  • guilt [ɡílt] : 「犯罪、罪」
  • over [óuvər] : 「を過ぎて、が終わって」
  • no longer : 「もはや〜でない」

❖ "The real world ~ "「実相世界は、罪や罪の意識の夢が終わり、神の子はもはや眠ってはいないということのシンボルだ」。神を裏切ったという罪や、同胞に対して犯した罪などは幻想世界における単なる夢だ。しかし、幻想を赦して消滅させた今、罪の意識は同時に消え去り、悪夢に誘い込む深い眠りに神の子が戻ることはない。


His waking eyes perceive the sure reflection of his Father's Love; the certain promise that he is redeemed. 

  • waking [wéikiŋ] : 「〔眠らずに〕起きている」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な」
  • reflection [riflékʃən] : 「反射、影、反映」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、信頼できる」
  • promise [prάmis] : 「約束、契約」
  • redeem [ridíːm] : 「〜を罪から救う、〜の罪を贖う」

❖ "His waking eyes ~ "「神の子の目覚めた目は、父なる神の愛の、確かな反映を目の当たりにする」。悪夢から目覚めた神の子の目は、至る所に神の愛を目撃することになる。それはキリストのヴィジョンだ。


The real world signifies the end of time, for its perception makes time purposeless.

  • signify [sígnəfài] : 「〜を示す、知らせる、表す」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見」
  • purposeless [pə́ːrpəslis] : 「目的のない、無益な」

❖ "The real world ~ "「実相世界は時間の終わりを告げる」。幻想に過ぎない時間も消滅する。"for its perception ~ "「なぜなら、実相世界を知覚することは時間を無目的なものにしてしまうからだ」。実在する真実だけを知覚する実相世界では、存在意義を失った時間は感知されることはない。時間は幻想世界においてのみ意味をもつ仮の存在に過ぎない。


5. The Holy Spirit has no need of time when it has served His purpose. 

  • have no need of : 「〜を必要としていない」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、果たす、〜に仕える」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」

❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、目的を果たすと、もはや時間を必要としない」。ホーリー・スピリットは、時間の存在しない実相世界から時間の存在する幻想世界に、神の子の赦しをサポートするために神から使わされた使者である。幻想世界での使命を終えれば、ホーリー・スピリットにとって時間は不必要なものなる。


Now He waits but that one instant more for God to take His final step, and time has disappeared, taking perception with it as it goes, and leaving but the truth to be itself. 

  • wait [wéit] : 「待つ」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • final step : 「最終段階」
  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、消滅する」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜を任せておく」

❖ "Now He ~ "「今やホーリー・スピリットは、神が最後のステップをとってくれる一瞬を待っているだけで、そして時間は消滅する」。"taking perception ~ "「時間が消滅する時、時間と一緒に知覚も持ち去られ、真実だけがそのままに残される」。神の子の赦しをサポートし、神の子の罪も恐れも消滅させた後、ホーリー・スピリットは幻想の時間も肉体的な知覚も持ち去って、代わりに神の子の目の前に永遠の真実をありのままに映し出す。


That instant is our goal, for it contains the memory of God. 

  • contain [kəntéin] : 「含む、包含する」

❖ "That instant ~ "「その一瞬が私達の目標だ」。"for it contains ~ "「なぜなら、それは神の思い出を含んでいるからだ」。赦しによって幻想が消滅する瞬間、神の子は実相世界を思い出し、同時に神が神の子をずっと愛し続けていたことを思い出す。


And as we look upon a world forgiven, it is He Who calls to us and comes to take us home, reminding us of our Identity which our forgiveness has restored to us.

  • forgiven [fərɡívn] : 「forgiveの過去分詞」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する」
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
  • remind A of B : 「AにBのことを思い出させる」
  • identity [aidéntəti] : 「正体、アイデンティティー」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「〜を元の状態に戻す、元に戻す」

❖ "And as we ~ "「そして、私達が赦された世界を見るとき、私達に呼びかけて家に連れ戻すためにやって来たのは神であり、私達の赦しによって元通りの私達に戻ったアイデンティティーを思い起こさせるのだ」。幻想から目覚めると、神の子を実相世界の神の下(もと)へ回帰させるためにホーリー・スピリットが神から遣わされたのだと知る。同時に、神を裏切るような罪深い属性をもった自分は錯覚の産物だと知らされる。自分は神に愛される神の子なのだという本当のアイデンティティーを思い出すのだ。







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