●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.31.1:1 ~ W-pI.31.5:2

Lesson 31



I am not the victim of the world I see.
  • victim [víktim] : 「被害者、犠牲者」
❖ "I am not the victim ~ "「私は、目にしている世界の犠牲者ではない」。あなたは、目にしている幻想の犠牲者ではない。なぜなら、あなたは幻想を幻想として認識することが出来るからだ。幻想の裏に神の意思を見ることが出来るからだなのだ。ここまで来れば、あなたに残されたことは、その幻想を赦して消滅させることだけである。



1. Today's idea is the introduction to your declaration of release. 
  • introduction [ìntrədʌ́kʃən] : 「導入、採用、導入部」
  • declaration [dèkləréiʃən] : 「公表、宣言、布告」
  • release [rilíːs] : 「救出、解放」
❖ "Today's idea is ~ "「今日のテーマは、あなたの解放の宣言への導入となる」。幻想に屈服しない、という宣言は、あなたの幻想からの解放に繋がる。幻想世界からの解放に繋がるのだ。肉体からの解放である。



Again, the idea should be applied to both the world you see without and the world you see within. 
  • again [əɡéin] : 「再び、かさねて、この場合もやはり」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
  • both [bóuθ] A and B : 「AもBも、ABいずれも」
  • without [wiðáut] : 「外で、外側に」
  • within [wiðín] : 「内部で、内側は、内心は、精神的に」
❖ "Again, the idea ~ "「再び言うが、今日のテーマは、あなたが目にする世界にも、あなたが心の中に見る世界にも、その両者に適用出来る」。外部世界が幻想世界であることはいいとして、あなたの心の中も、実はエゴに支配されているので、怒りや憎悪や恐れ攻撃性、等々の幻想が所狭しとひしめいている。あなたの心の中の、そのエゴ世界に対しても、今日のものの見方は適用出来る。つまり、あなたはエゴの犠牲者ではないと宣言するのである。エゴからの解放に繋がるのだ。



In applying the idea, we will use a form of practice which will be used more and more, with changes as indicated. 
  • use [juːz] : 「使う、利用する、生かす、働かせる」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
  • more and more : 「ますます」
  • change [tʃéindʒ] : 「変化、変更、移行、交換」
  • indicate [índikèit] : 「示す、意味する、述べる、示唆する」
❖ "In applying the idea ~ "「今日のものの見方を適用するに当たって、私たちは、宣言するたびに形を変えながらますますこれを使用する練習形態をとることになる」。少々変な訳になってしまったが、要するに、今日のものの見方は、今後形を変えながらいろんな所に登場してくる、ということ。



Generally speaking, the form includes two aspects, one in which you apply the idea on a more sustained basis, and the other consisting of frequent applications of the idea throughout the day.
  • generally speaking : 「一般的に言えば」
  • include [inklúːd] : 「含める、含有する、包含する」 
  • aspect [ǽspekt] : 「局面、状況、側面、特徴」
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
  • sustained [səstéind] : 「持続した、息の長い」
  • basis [béisis] : 「土台、基礎、基盤、基準、原理、原則、根拠、理由」
  • consist [kənsíst] of : 「〜から成る、〜で構成される」
  • frequent [fríːkwənt] : 「たびたび起こる、よくある、常習的な」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • throughout [θruːáut] : 「〜の間中、〜の初めから終わりまで」
❖ "Generally speaking ~ "「一般的に言えば、その練習形態には二つの側面がある」。"one in which you ~ "「一つは、より持続性を重んじた基盤の上で、ものの見方を適用していく形態であり、」"and the other ~ "「他方は、一日を通して、しばしばものの見方を適用していくという形態を含むものである」。簡単に言えば、長期的な練習を積んでいく形態のテーマと、短期集中型の練習でテーマを完成させる形態がある、ということ。抽象的な内容の練習は長期型になるだろうし、具体的な内容の練習は短期型になるだろう。概して、内面世界に対しては長期型、外面世界に対しては短期型となる。まあ、どちらにしても、焦らないことだ。ACIMはホログラフィック的な構造をしており、どこをとっても全体が反映されるように出来ている。あるレッスンを取り逃がしたとしても、あとで同じようなテーマが出てくるので、回収できるのだ。ぐるぐる回りながら、らせん階段をどんどん上り詰めて行くような感じである。



2. Two longer periods of practice with the idea for today are needed, one in the morning and one at night. 
  • long [lɔ́ːŋ] : 「長い、長くかかる」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
❖ "Two longer periods ~ "「二回の、いつもより長い練習時間を今日のテーマに費やす必要がある」。"one in the morning ~ "「一回は朝に、もう一回は夜に行う」。



Three to five minutes for each of these are recommended. During that time, look about you slowly while repeating the idea two or three times. 
  • recommend [rèkəménd] : 「〜を推薦する、〜を薦める」
  • during [djúəriŋ] : 「〜の間ずっと、〜の期間に、〜の間に」
  • look about : 「周りを見回す、周囲に気を付ける、目を配る」
  • while [hwáil] : 「〜の間ずっと、〜する間に、その間に」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
❖ "Three to five minutes ~ "「各々、2〜5分の練習が推奨される」。"During that time ~ "「その間、今日のテーマを2〜3回繰り返し述べながら、あなたの周りをゆっくりと見渡す」。



Then close your eyes, and apply the same idea to your inner world. You will escape from both together, for the inner is the cause of the outer.
  • close [klóuz] : 「閉じる、閉める」
  • same [séim] : 「同じ、同一の、変わらない」
  • inner [ínər] : 「 内部の、内面的な、精神的な」
  • escape [iskéip] : 「逃げる、ずらかる、脱出する、抜ける」
  • both [bóuθ] : 「両方、双方、両者」
  • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に、同時に」
  • cause [kɔ́ːz] : 「原因、要因、理由、動機」
  • outer [áutər] : 「外側の、外面の」
❖ "Then close your ~ "「その後、目を閉じ、同様に今日のテーマを、あなたの内部世界に適用させる」。心の中を見渡すのだ。"You will escape from ~ "「あなたは、外部世界からも内部世界からも、同時に逃れることが出来る」。心の外に展開する世界の幻想からも、心の中に展開するエゴの幻想からも、あなたは解放され得る。"for the inner is ~ "「なぜなら、内なるものは、外なるものの原因だからだ」。外部世界も内部世界もあなたの心が作り出したイメージに過ぎず、どちらにしてもあなたの心の中にあるものが原因となっている。



3. As you survey your inner world, merely let whatever thoughts cross your mind come into your awareness, each to be considered for a moment, and then replaced by the next. 
  • survey [sərvéi] : 「見渡す、見晴らす、調査する、検査する」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • whatever [hwʌtévər] : 「〜するのは何でも、どんなものが〜でも」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • cross [krɔ́s] : 「〜を横断する、渡る、〜を横切る」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性 」
  • each [íːtʃ] : 「それぞれの、一つ一つの、めいめいの」
  • consider [kənsídər] : 「よく考える、熟考する」
  • for a moment : 「少しの間、一瞬」
  • replace [ripléis] : 「〜に取って代る、〜を交換する」
  • next [nékst] : 「次の、翌〜、隣の」
❖ "As you survey your ~ "「あなたの内部世界を調べながら、ただ単に、あなたの心に過(よぎ)った思いなら何でも、あなたの意識に乗せなさい」。"each to be ~ "「そして、その一つ一つをしばらくの間よく考えて、その後、次へ移りなさい」。



Try not to establish any kind of hierarchy among them. Watch them come and go as dispassionately as possible. 
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、制定する、成立させる」
  • kind [káind] : 「種類」
  • hierarchy [háiərὰːrki] : 「階層、階級、序列」
  • among [əmʌ́ŋ] : 「〜の中の、〜の間で」
  • watch [wάtʃ] : 「じっと見る、観察する」
  • dispassionately [dispǽʃənətli] : 「公平に、偏見なく、冷静に」
  • as A as possible : 「できるだけAの」
❖ "Try not to establish ~ "「心に過ったものに、いかなる序列も設けないように努めなさい」。"Watch them come ~ "「出来るだけ公平に、浮かんでは消えていく思いを見つめなさい」。理性的な善悪判断や価値判断を停止するのである。評価しないのだから、序列を作ることもない。単なる観察者となって、心に浮かんでは消えていく思いを見つめるのだ。



Do not dwell on any one in particular, but try to let the stream move on evenly and calmly, without any special investment on your part. 
  • dwell [dwél] on : 「〜をくよくよ考える、こだわる、思案する」
  • in particular : 「特に、とりわけ、格別に、詳細に、特別に」
  • stream [stríːm] : 「流れ、連続」
  • evenly [íːvənli] : 「むらなく、均一に、均等に、一様に、公平に、平等に」
  • calmly [kάːmli] : 「静かに、落ち着いて」
  • without [wiðáut] : 「〜がなくて、〜を持たないで」
  • special [spéʃəl] : 「特別な、独特の、特別の、特有の」
  • investment [invéstmənt] : 「投資、出資」
  • on one's part : 「〜としては、〜にとってみれば、〜の側では、〜の方では」
❖ "Do not dwell on ~ "「特別な何かに長居(ながい)してはいけない」。"but try to let ~ "「そうではなく、一様に、静かに、思いの流れを流していきなさい」。"without any special ~ "「あなたにとっての特別な思い入れをもってはいけない」。あくまでも、客観的な観察者になりきるのだ。明鏡止水。



As you sit and quietly watch your thoughts, repeat today's idea to yourself as often as you care to, but with no sense of hurry.
  • sit [sít] : 「座る、腰掛ける、着席する」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、黙って、平穏に」
  • often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
  • care [kέər] to : 「〜したいと思う」
  • sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
  • hurry [hʌ́ri] : 「急ぐ必要、急ぎたいこと」
❖ "As you sit and ~ "「座って静かにあなたの思いを見つめながら、そうしたいと思ったら何度でも、今日のテーマをあなたに自身に向かって繰り返し述べる」。"but with no ~ "「しかし、心を急(せ)かしてはいけない」。



4. In addition, repeat the idea for today as often as possible during the day. 
  • in addition [ədíʃən] : 「さらに、その上、加えて」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • during [djúəriŋ] : 「〜の間ずっと、〜の期間に、〜の間に」
❖ "In addition, repeat ~ "「加えて、一日を通して、出来るだけ頻繁に、今日のテーマを繰り返し述べる」。



Remind yourself that you are making a declaration of independence in the name of your own freedom. And in your freedom lies the freedom of the world.
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
  • declaration [dèkləréiʃən] : 「公表、宣言、布告」
  • independence [ìndipéndəns] : 「独立、自活、自立、非依存性、主体性」
  • in the name of : 「〜の名において、〜という名目で」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "Remind yourself that ~ "「あなたは、あなた自身の自由の名において、独立宣言をしているのだと、あなたに自身に気付かせなさい」。"And in your freedom ~ "「あなたの自由の中に、世界の自由がある」。あなたが自由になれば、世界も自由になる。世界に平和をもたらすには、あなたが平和にならなくてはいけない。あなたは外部世界の幻想からも自由であるし、内部世界のエゴからも自由なのだと宣言するのである。あなたの真実を解放するのだ。ホーリー・スピリットに支えられた心を解放してあげるのである。



5. The idea for today is also a particularly useful one to use as a response to any form of temptation that may arise. 
  • particularly [pərtíkjulərli] : 「特別に、とりわけ、かなりの程度、非常に」
  • useful [júːsfəl] : 「役立つ、便利な、有益な、価値ある」
  • response [rispάns] : 「反応、反響、返答、回答」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
❖ "The idea for today ~ "意訳する、「今日のものの見方は、心に生じるであろういかなる形の誘惑に対しても、うまく対応するための、特に有効な練習でもある」。エゴは、あなたを幻想に留め置こうとして、様々な誘惑をあなたに仕掛けてくる。物であり金であり色であり、地位であり支配であり名誉であり、様々な欲をあなたの心に生じさせる。それに対抗する手段として、今日のものの見方は有効である。つまり、自分は欲の犠牲者にはならない、と宣言するのだ。
エゴはあなたが作り上げた幻想の偶像であって、幻想であるがゆえに真実が一番怖い。なぜなら、あなたが幻想に気付いて幻想を赦したなら、幻想は消滅し、同時にエゴも消滅してしまうからだ。あなたを幻想に留め置くために、エゴはあらゆる巧妙な作戦に出る。あなたを釣り上げる最も簡単な方法が誘惑である。



It is a declaration that you will not yield to it, and put yourself in bondage.
  • yield [jíːld] : 「降伏する、屈服する」
  • bondage [bάndidʒ] : 「緊縛、隷属性、束縛、奴隷の境遇」
❖ "It is a declaration ~ "「それは、あなたは誘惑に屈しないという宣言である」。"and put yourself ~ "「あなた自身を誘惑の奴隷にしないという宣言なのだ」。仏教的な用語を使えば、『煩悩』に屈しないという宣言である。煩悩を滅するのである。煩悩とは、エゴが用意した、あなたを釣り上げるための餌である。その餌に食らいつくかどうかは、あなたの自由意思による選択にかかっている。しかし、食らいついたら最後、エゴの釣り針はあなたの肉体に突き刺さるのだ。世の中を見渡せば、エゴの釣り針を肉体に突き刺したまま、それでも餌をむさぼり食っている亡霊どもの何と多いことか! 
 
 
 


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