●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pII.351.1:1 ~ W-pII.354.2:7


 Lesson 351


My sinless brother is my guide to peace.

My sinful brother is my guide to pain.

And which I choose to see I will behold.

  • sinless [sínlis] : 「罪のない、潔白な」
  • guide [ɡáid] : 「指導者、案内人」
  • sinful [sínfəl] : 「罪深い、邪悪な」
  • pain [péin] : 「痛み、苦痛」
  • choose [tʃúːz] : 「〜を選ぶ、〜を選択する」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」

❖ "My sinless ~ "「無辜(むこ)なる我が同胞は平和への案内人だ」。"My sinful ~ "「罪深い我が同胞は痛みへの案内人だ」。"And which ~ "「そして、どっちを選ぶかで、私はそれを見ることになる」。同胞を無辜なる神の子と見れば心は平和を得ることが出来、罪深い者と見れば、幻想から抜けることが出来ずに苦と痛みの世界にとどまることになる。


1. Who is my brother but Your holy Son? And if I see him sinful I proclaim myself a sinner, not a Son of God; alone and friendless in a fearful world. 

  • proclaim [proukléim] : 「〜であることを明らかにする」
  • sinner [sínər] : 「罪人」
  • alone [əlóun] : 「独りで、孤立して」
  • friendless [fréndlis] : 「友のない」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい」

❖ "Who is my ~ "「あなたの聖なる子でなくして、誰が私の同胞でしょうか」。"And if I ~ "「もし、私が同胞を罪深いものと見るなら、私自身を、神の子ではなく罪人だと公言することになります」。"alone and ~ "「恐ろしい世界にあって、私は友もなく独りぼっちだということです」。神の子は実相的には単一の存在であり、この幻想世界でこそ分裂して多数の同胞が存在しているかのように見えますが、それは幻想です。私達は自他一如です。


Yet this perception is a choice I make, and can relinquish. 

  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • relinquish [rilíŋkwiʃ] : 「放棄する、手放す」

❖ "Yet this perception ~ "「しかし、この知覚は私が選択するものであって、手放すことも出来ます」。同胞を罪深い者と見なすか否かは、私自身が選択しなくてはいけません。


I can also see my brother sinless, as Your holy Son. And with this choice I see my sinlessness, my everlasting Comforter and Friend beside me, and my way secure and clear. 

  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、無辜」
  • everlasting [èvərlǽstiŋ] : 「永遠の、不朽の」
  • comforter [kʌ́mfərtər] : 「慰める人」
  • beside [bisáid] : 「〜のそばに、〜の傍らに」
  • secure [sikjúər] : 「不安のない、安全な」
  • clear [klíər] : 「澄んだ、明快な」

❖ "I can also ~ "「一方、私は同胞を罪なき者、あなたの神聖な子と見ることも出来ます」。"And with this ~ "「そして、そう選択することで、私自身の無辜性を知ることになり、永遠に私を慰めてくれる者である友が側にいて、進むべき道が安全で鮮明だと分かるのです」。同胞が無辜であると知ることで自分も無辜であり、神聖な神の子なのだと確信できます。共に神聖なスピリットとして、互いに励まし合い、神への回帰の道を安全に歩んで行ける友なのです。


Choose, then, for me, my Father, through Your Voice. For He alone gives judgment in Your Name.

  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力」

❖ "Choose, then ~ "「ならば、私のために、父なる神よ、あなたの声を通して選んで下さい」。あなたの声を伝えてくれるホーリー・スピリットの声を通して、私が同胞を無辜なる者と選択できるように手助けしてください。"For He alone ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットだけが、あなたの名の下(もと)に判断を下(くだ)せるのですから」。私も同胞も、心の奥底にホーリー・スピリットの声を聞くことが出来、それは神の意志を伝える声です。それは実相的な正しい判断を下す声です。どうぞホーリー・スピリットが、私と同胞が自他一如の無辜なる存在なのだと判断する声が聞こえて来ますように。



Lesson 352


Judgment and love are opposites. From one 

Come all the sorrows of the world. But from 

The other comes the peace of God Himself.

  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力」
  • opposite [άpəzit] : 「反対、正反対、逆」
  • sorrow [sάrou] : 「悲しみ、悲哀」

❖ "Judgment and ~ "「判断と愛は正反対である」。肉体的な頭脳が作り出す理性的判断と、心が生み出す愛は正反対である。"From one ~ "「一方からは世界のすべての悲しみが生み出される」。理性的判断は幻想世界の産物であり、苦と痛みを感覚させる。"The other ~ "「他方からは神自身の平和が生み出される」。実相的な愛からは平和、喜び、静寂が生み出される。


1. Forgiveness looks on sinlessness alone, and judges not. 

  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し」
  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、無辜」
  • alone [əlóun] : 「独りで、独力で」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、~だと思う」

❖ "Forgiveness looks ~ "「赦しは無辜性(むこせい)だけを見ますが、判断はそうではありません」。世界の幻想を認識し、それを受け流して赦すことで幻想は消滅します。罪も罰も幻想であり、神の子は実相的に完璧な無辜です。理性的判断は、人は神を裏切った罪深い存在であって、いつかきっと神は人間を罰すると断じます。


Through this I come to You. Judgment will bind my eyes and make me blind. 

  • through [θrúː] : 「~を通じて、~の手を経て」
  • bind [báind] : 「~を束縛する、拘束する」
  • blind [bláind] : 「目の見えない、盲目の」

❖ "Through this ~ "「こうすることで、私はあなたの下(もと)へ行きます」。幻想を赦して消滅させ、完全な無辜性を認識することで、私は神への回帰の旅に出かけることが出来ます。"Judgment will ~ "「判断は私の目を拘束し、私を盲目にしてしまいます」。理性的判断は私の知覚を狂わせて、ありもしない幻想をあたかも現実世界であるかのようにでっち上げて、私を騙します。


Yet love, reflected in forgiveness here, reminds me You have given me a way to find Your peace again. 

  • reflect [riflékt] : 「~を映す、示す、反映する」
  • remind [rimáind] : 「~に思い出させる、~に気付かせる」

❖ "Yet love, ~ "「しかし愛は、この世界における赦しの中に反映されて、あなたの愛を再び見出す道を、あなたが私に与えてくれたことを思い出させてくれます」。幻想を赦すことで幻想は消滅し、実相の愛が目の前に映し出されます。その愛に従って、私は再び神の愛に出会える旅の道を歩み出すことにします。


I am redeemed when I elect to follow in this way. You have not left me comfortless. 

  • redeem [ridíːm] : 「~を罪から救う、~を救い出す」
  • elect [ilékt] : 「選ぶ、選択する、決める」
  • follow [fάlou] : 「~の後について行く、~に従う」
  • left [léft] : 「leaveの過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「~を残す、置きっぱなしにする」
  • comfortless [kʌ́mfərtlis] : 「慰めにならない、わびしい」

❖ "I am redeemed ~ "「この道を辿ると決めれば、私は救われます」。苦と痛み、罪と罰の幻想世界から、無辜と平和の実相世界へと救い出されます。"You have not ~ "「あなたは私を、慰めのない状態にしておいたことはありません」。神はいつも私の側にいて、私を愛してくれました。


I have within me both the memory of You, and One Who leads me to it. 

  • within [wiðín] : 「~の中に、~の内側に」
  • memory [méməri] : 「記憶、思い出」
  • both A and B : 「AもBも、ABいずれも」
  • lead [líːd] : 「~を導く、案内する」

❖ "I have within ~ "「私は私の心の中に、あなたの思い出があり、そこへ私を導いてくれる人がいます」。神から分離した後、神の子は神を忘れていましたが、神の記憶は消えることなく心の中に残っています。その記憶へと神の子を導いてくれるのが、神の使者であるホーリー・スピリットであり、神の子の心の中にずっと住んでいます。


Father, I would hear Your Voice and find Your peace today. For I would love my own Identity, and find in It the memory of You.

  • identity [aidéntəti] : 「正体、アイデンティティー」

❖ "Father, I would ~ "「父なる神よ、私は今日、あなたの声を聞き、あなたの平和を見出したいと思います」。"For I would ~ "「なぜなら、私は私自身のアイデンティティーを愛したいと思いますし、」私は神の子という自分のアイデンティーを愛していますし、"and find in ~ "「その中に、あなたの思い出を見つけ出したいと思っているからです」。神の子として神と共に暮らした天の王国での思い出を見つけ出したいと思います。



Lesson 353


My eyes, my tongue, my hands, my feet today 

Have but one purpose; to be given Christ 

To use to bless the world with miracles.

  • tongue [tʌ́ŋ] : 「舌、言葉」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
  • bless [blés] : 「~を祝福する、清める」

❖ "My eyes, my ~ "「私の目、口、手、足は、今日、たった一つの目的しか持たない」。"to be given ~ "「世界を奇跡で祝福するためにキリストにそれを使ってもらうことだ」。肉体的感覚器官を理性的判断のために使うのではなく、それを幻想だと見抜いてホーリー・スピリットに委ね、幻想から目覚めるための学びの道具に利用してもらおうと思う。


1. Father, I give all that is mine today to Christ, to use in any way that best will serve the purpose that I share with Him. 

  • mine [máin] : 「私のもの」
  • best [bést] : 「最も良いもの、最善」
  • serve [sə́ːrv] : 「~に役立つ、果たす、~に仕える」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • share [ʃέər] : 「分かち合う、共有する」

❖ "Father, I give ~ "「父なる神よ、今日私は、持てるすべてをキリストに与えます」。"to use in ~ "「それは、私がキリストと分かち合っている目的に一番よく貢献できる方法で使えるようにするためです」。理性による判断ではなく、ホーリー・スピリットの導きにすべてを委ねて、幻想からの覚醒と神への回帰の旅という目的に向かって最善を尽くしたいと思います。


Nothing is mine alone, for He and I have joined in purpose. 

  • alone [əlóun] : 「独りで、単独で」
  • join [dʒɔ́in] : 「一緒になる、結合する」

❖ "Nothing is ~ "「自分だけのものなど何もありません」。"for He and ~ "「なぜなら、キリストと私は目的において一緒だからです」。私の心はホーリー・スピリットと同一であり、同じ目的を抱いています。


Thus has learning come almost to its appointed end. A while I work with Him to serve His purpose. 

  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと」
  • almost [ɔ́ːlmoust] : 「ほとんど、九分通り」
  • appoint [əpɔ́int] : 「決める、指定する」
  • while [hwáil] : 「少しの時間、ちょっとの間」

❖ "Thus has ~ "「このように、学びは決められた最終地点にほぼ近づいて来ました」。肉体的知覚は幻想ですが、学びのための補助装置という意味を持っています。今、実相への目覚めが近づき、学びの終わりが近づいています。"A while I ~ "「しばらくの間、私はキリストの目的に寄与するようにキリストと共に働きます」。私はホーリー・スピリットと一緒になって、幻想から実相へと目覚め、神への回帰の旅の準備に入ります。


Then I lose myself in my Identity, and recognize that Christ is but my Self.

  • lose [lúːz] : 「~を失う、見失う、喪失する」
  • identity [aidéntəti] : 「正体、アイデンティティー」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「~を認める、受け入れる」

❖ "Then I lose ~ "「その後、私はアイデンティティーにおいて自分自身を失います」。この幻想世界における仮の自分を終了させます。それは神から分離し、罪と罰から逃れるために自己解離をし、肉体的存在として嘘の自分をでっち上げたのです。"and recognize ~ "「そして私は、キリストこそが本当の自分だと受け入れます」。私の実相的アイデンティティーはホーリー・スピリットそのものだと、言い換えれば、世界を幻想から救うキリストなのだと受け入れます。



Lesson 354


We stand together, Christ and I, in peace 

And certainty of purpose. And in Him

 Is His Creator, as He is in me.

  • together [təɡéðər] : 「一緒に、共に」
  • stand together : 「並んで立つ、結束する、団結する」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者」

❖ "We stand ~ "「キリストと私、二人は平和な気持ちを抱きながら、目的に対して確信を持っている」。"And in Him ~ "「そして、キリストの中に創造主が存在し、私の中にも創造主がいる」。ホーリー・スピリットの中にも神の子の中にも、神がいつもいてくれる。実相的に、神、ホーリー・スピリット、神の子は三位一体であって、分離することは不可能だ。


1. My oneness with the Christ establishes me as Your Son, beyond the reach of time, and wholly free of every law but Yours. 

  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性」
  • establish [istǽbliʃ] : 「確立する、成立させる」
  • beyond [bijάnd] : 「~の向こうに、~を越えて」
  • reach [ríːtʃ] : 「届く範囲」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律」

❖ "My oneness ~ "「私がキリストと一体であることは、私が神の子であることを確立し、時間の概念を超越して、一体性はあなたの法以外のあらゆる法から完全に自由です」。この世の空間と時間は幻想であり、キリストと一体である神の子はその幻想から解放されます。幻想世界のあらゆる法則から解放され、実相世界の神の法、あるいは愛の法だけに従います。


I have no self except the Christ in me. I have no purpose but His Own. And He is like His Father. 

  • self [sélf] : 「自己、自分」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」

❖ "I have no ~ "「私の心の中のキリスト以外に本当の私はいません」。心の内なるキリストが私の本当のアイデンティティーです。"I have no ~ "「キリスト自身の目的以外に私は何の目的ももちません」。"And He is ~ "「そして、キリストは彼の父なる神とそっくりです」。


Thus must I be one with You as well as Him. For who is Christ except Your Son as You created Him? And what am I except the Christ in me?

  • A as well as B : 「AもBも」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」

❖ "Thus must ~ "「だから私は、キリストと一体であると同時にあなたと一体であるに違いありません」。神とキリスト(ホーリー・スピリット)と神の子は分離することが出来ません。三位一体です。"For who is ~ "「と言うのも、あなたが神の子として創造したキリスト以外に、誰がキリストでしょうか」。"And what ~ "「そして、私の内なるキリスト以外に、一体私は何なのでしょうか」。







Archive

Notification

My photo


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター
Powered by Blogger.