●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.161.1:1 ~ W.-pI.161.12:6

Lesson 161



Give me your blessing, holy Son of God.
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵、幸運」
❖ "Give me your ~ "「神聖な神の子よ、私にあなたの祝福を与えてほしい」。ここの『私』は、キリスト。イエス自身と考えてもいい。いずれにしても、神への祝福につながる。与えることと得ることは同一であるから、結局、あなた自身への祝福に帰着する。また、祝福とは単なる賛美ではない。実相的な祝福は、愛であり感謝であり、喜びである。神聖な関係性を確信をもって受け入れるという宣言だ。



1. Today we practice differently, and take a stand against our anger, that our fears may disappear and offer room to love. 
  • practice [prǽktis] : 「練習する、実践する」
  • differently [dífərəntli] : 「異なって、違って」
  • take a stand against : 「〜に反対の態度を取る」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、消滅する」
  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、〜を提供する」
  • room [rúːm] : 「機会、余地、可能性」
❖ "Today we ~ "「今日、私達はいつもとは違った練習をし、私達の怒りと対峙する姿勢をとる」。"that our fears ~ "「その結果、私達の恐れは消滅し、愛に余地を与えることが出来るかもしれない」。怒りの原因は恐れであり、いつもなら原因である恐れと対峙するのだが、今日は結果である怒りと向き合ってみる。怒りが愛を覆い隠しているので、怒りを消滅させれば、そこに愛を回復させる余地を与えることが出来る。



Here is salvation in the simple words in which we practice with today's idea. 
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
  • simple [símpl] : 「簡素な、易しい、難しくない」
❖ "Here is salvation ~ "「この簡素な言葉の中に救いがあり、今日のものの見方をもって練習する」。今日のテーマが含むものの見方を実践練習することで、私達は救われる。簡素な言葉ではあるが、大切なテーマである。もちろん、この言葉とは『神聖なる神の子よ、あなたの祝福を私に与えてくれまいか』、つまりキリストを祝福し、自らキリストになるという宣言である。イエス・キリスト賛美だけに終わってしまわないことが肝要。ACIMは宗教でも信仰でもない。



Here is the answer to temptation which can never fail to welcome in the Christ where fear and anger had prevailed before. 
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事」
  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎する、喜んで受け入れる」
  • prevail [privéil] : 「広く行き渡る、流行する、普及する」
❖ "Here is the answer ~ "「ここに誘惑に対する答えがあり、それは、以前恐れと怒りがはびこっていた場所にキリストを迎え入れ損なうことのない答えである」。ややもすれば恐れを抱き怒りに燃えそうになる誘惑に抗して、今日のテーマを実践することで、必ずキリストの救いが喜びを伴って迎え入れられる。。



Here is Atonement made complete, the world passed safely by and Heaven now restored. Here is the answer of the Voice for God.
  • atonement [ətóunmənt] : 「償い、贖罪」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な、全部の」
  • pass by : 「過ぎ去る」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する、復活させる」
❖ "Here is Atonement ~ "「ここに贖罪は完全なものとされ、この世界は安全に通り過ぎてしまい、天の王国が修復される」。恐れや怒り、その元凶である罪という幻想が赦されて消滅し、この幻想世界も姿を消す。実相世界が蘇るのだ。"Here is the answer ~ "「これが、神に代わって話す声の答えである」。イエス・キリスト(ホーリー・スピリット)の声である。つまり、イエスがあなたに祝福を求めている声であり、それが答えだ。言い換えれば、イエスはあなたに愛を求め、あなたもまたイエスに愛を求める、その愛の分かち合いが答えのすべてである。恐れや怒りが消滅した後に、愛が回復される所以である。神聖な関係性が形成される。



2. Complete abstraction is the natural condition of the mind. But part of it is now unnatural. 
  • abstraction [æbstrǽkʃən] : 「抽象、抽象的概念」
  • condition [kəndíʃən] : 「条件、状態、状況、様子」
  • unnatural [ʌnnǽtʃərəl] : 「不自然な、自然に反する」
❖ "Complete abstraction ~ "「完全な抽象は、心の自然な状態である」。具象は心が投影によって生み出した幻想。"But part of it ~ "「しかし、心の一部は、今は不自然である」。エゴに支配された心の一部分が具象という幻想を生み出しているので、自然な状態だとは言えない。



It does not look on everything as one. It sees instead but fragments of the whole, for only thus could it invent the partial world you see. 
  • instead [instéd] : 「代わりに、そうしないで」
  • fragment [frǽgmənt] : 「破片、かけら」
  • whole [hóul] : 「すべてを含んだ、欠けたものがない」
  • invent [invént] : 「〜をでっち上げる、考案する」
  • partial [pάːrʃəl] : 「部分的な、一部の、不完全な」
❖ "It does not ~ "「心の一部は、あらゆるものを一つと見ることはない」。"It sees instead ~ "「その代わり、心は全体の断片を見ている」。"for only thus ~ "「なぜなら、こうすることでのみ、心はあなたが目にする断片的世界をでっち上げることが出来るからだ」。心が投影によって作り出す世界は分離分裂を象徴する二元論世界である。一なるものを断片化し、無数の断片から好きなもの(部品)だけを選んで組み合わせ、この世界を構成する。



The purpose of all seeing is to show you what you wish to see. All hearing but brings to your mind the sounds it wants to hear.
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
❖ "The purpose of ~ "「見るというすべての行為の目的は、あなたが見たいと思うことをあなたに示すことである」。あなたが見たいと望んだことを、心が断片化した要素を組み合わせてでっち上げているだけである。"All hearing but ~ "「聞くものすべても、心が聞きたいと思う音をあなたの心にもたらしているだけだ」。思いは現実化するが、この幻想世界にあっては、あなたの心の望みが投影によって幻想化され、あなたの眼前に表れる。あなたはそれが実在していると騙されて、具象が現実だと信じ込んでいる。



3. Thus were specifics made. And now it is specifics we must use in practicing. 
  • specific [spisífik] : 「限定されたもの、明確なもの」
❖ "Thus were ~ "「こうして、限定されたもの(具象的なもの)が作られた」。抽象的なものを制限して具象的なものを心が作り出した。たとえば、肉体や物質、時空間など。"And now it ~ "「そこで、今、私達が練習に際して用いなければならないものは具象的なものである」。たとえば、時間や空間を学びのための補助装置として利用するのである。幻想から目覚めるために、たとえば肉体を幻想と認識して赦し、贖罪を果たすのだ。ここの文意は、完全な抽象に至るために、具象を利用するという意味合いになる。



We give them to the Holy Spirit, that He may employ them for a purpose which is different from the one we gave to them. 
  • employ [implɔ́i] : 「用いる、使用する」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
❖ "We give them ~ "「私達は具象的なものをホーリー・スピリットに与えれば、ホーリー・スピリットは、私達が具象的なものに与えた目的とは異なった目的のためにそれらを利用できる」。ホーリー・スピリットは、幻想である具象的なものを教えの補助装置として利用する。いわば、ホーリー・スピリットの弁証法的止揚である。つまり、あなたが差し出す具象を受け止めて、それを消滅させて抽象へと発展させるのである。



Yet He can use but what we made, to teach us from a different point of view, so we can see a different use in everything.
  • yet [jét] : 「今のところは」
  • point of view : 「観点、視点、見方、考え方」
❖ "Yet He can ~ "「今のところホーリー・スピリットは、異なった視点に立って私達に教えるために、私達がでっち上げたものだけを使うことが出来、私達はあらゆるものに対して異なった使い方を知ることが出来る」。異なった視点とは、具象的なものが実在ではなく幻想に過ぎないと見る視点のこと。私達はエゴの思考システムの視点に立ってものを見てきたが、今やそれをホーリー・スピリットの思考システムの視点に切り替えて、すべてのものを見るのだ。



4. One brother is all brothers. Every mind contains all minds, for every mind is one. Such is the truth. 
  • contain [kəntéin] : 「含む、包含する」
❖ "One brother ~ "「一人の同胞はみんなの同胞である」。"Every mind ~ "「一つ一つの心は、すべての心を含んでいる」。"for every ~ "「なぜなら、すべての心は単一だからだ」。"Such is the ~ "「それが真実である」。まさに『自他一如』、『多即一、一即多』である。



Yet do these thoughts make clear the meaning of creation? Do these words bring perfect clarity with them to you? 
  • creation [kriéiʃən] : 「創造、創作、創作物、作品」
  • clarity [klǽrəti] : 「明瞭さ、鮮明さ」
❖ "Yet do these ~ "「しかし、これらのものの見方は創造が意味することを明確にするだろうか」。"Do these words ~ "「これらの言葉は、その言葉がもっている完璧な明確さをあなたにもたらしてくれるだろうか」。自他一如にしても多即一にしても、抽象的な実相の真実が意味することを、まだ幻想に埋没したあなたは直覚することが出来ない。



What can they seem to be but empty sounds; pretty, perhaps, correct in sentiment, yet fundamentally not understood nor understandable. 
  • empty [émpti] : 「空の、空っぽの」
  • pretty [príti] : 「うわべを飾った、巧妙な」
  • sentiment [séntəmənt] : 「所感、情趣、感傷」
  • fundamentally [fʌ̀ndəméntli] : 「根本的に、基本的には」
  • understandable [ʌ̀ndərstǽndəbl] : 「理解できる、分かる」
❖ "What can they ~ "「それらは空虚な響きに聞こえるだけで、うわべだけのもの、感傷的に正しいように思えるだけであって、しかし根本的に理解されてはいなし、理解可能でもない」。自他一如にしても多即一にしても、あまりにも常識から外れた抽象的真実なので、あなたは実感としてその意味するところが理解出できない。



The mind that taught itself to think specifically can no longer grasp abstraction in the sense that it is all-encompassing. We need to see a little, that we learn a lot.
  • taught [tɔ́ːt] : 「teachの過去・過去分詞形」
  • specifically [spisífikəli] : 「明確に、具体的に」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • grasp [ɡrǽsp] : 「把握する、理解する」
  • abstraction [æbstrǽkʃən] : 「抽象、抽象的概念」
  • in the sense that : 「〜という意味では」
  • encompass [inkʌ́mpəs] : 「包含する、網羅する」
❖ "The mind that ~ "「具体的に考えることを自らに教えた心は、抽象がすべてを包含しているという意味で、抽象を把握することがどうしても出来ない」。すべてを包含する抽象的真実を断片に分解し、一つ一つを具体的に考えていけば心は抽象的真実の理解に近づくことが出来るかもしれない。仏教的に言えば、『方便(ほうべん)』を用いるのだ。"We need to ~ "「私達はほんの少しだけ見る必要があり、そうすれば、多くを学ぶことが出来る」。



5. It seems to be the body that we feel limits our freedom, makes us suffer, and at last puts out our life. Yet bodies are but symbols for a concrete form of fear. 
  • limit [límit] : 「〜を限定する、〜を制限する」
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • suffer [sʌ́fər] : 「苦しむ、苦痛を感じる」
  • at last : 「最後に、ついに」
  • put out : 「消す、〜の機能を停止させる」
  • concrete [kάnkriːt] : 「具体的な、有形の」
❖ "It seems to ~ "「私達の自由を制限し、苦しみを与え、ついには私達の命を消してしまうのは肉体であるかのように見える」。"Yet bodies are ~ "「しかし肉体は、恐れの具体的な形を象徴するものに過ぎない」。神の子が神を裏切って神から分離したことに対する罪の意識、そして、神の報復(罰)に対する恐れ、これが神の子の罪と恐れの原型である。神から分離した神の子は分離を象徴する幻想世界を心の投影によって作り出すのだが、肉体はその代表例である。



Fear without symbols calls for no response, for symbols can stand for the meaningless. 
  • call for : 「〜を必要とする、〜を要求する」
  • response [rispάns] : 「反応、返答」
  • stand for : 「〜を表す」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
❖ "Fear without ~ "「象徴をもたない恐れは、反応を一切求めない」。"for symbols ~ "「なぜなら、象徴は意味のないものを表しているに過ぎないからだ」。もし恐れが、肉体という具象的象徴をもっていなかったなら、自由を制限したり、苦や死を与えたりすることは不可能だ。肉体に反応を求めることが出来ないからだ。形あるものとしての象徴とは、したがって、意味のない幻想である。



Love needs no symbols, being true. But fear attaches to specifics, being false.
  • attach [ətǽtʃ] : 「付着する、付随する」
  • specific [spisífik] : 「限定されたもの、明確なもの」
  • false [fɔ́ːls] : 「誤った、虚偽の、偽の」
❖ "Love needs no ~ "「愛は真実であるから、一切の象徴を必要としない」。愛はそれ自体として実在しているから、何かを借りて象徴する必要はないのだ。愛は具体的な形として表現される必要はない。"But fear attaches ~ "「しかし、恐れは誤りであるから、限定されたものに付着する」。恐れは幻想であり、投影によって生み出されるものなので、形に制限されたもの、つまり具象的なものに依存しなければならない。実在しないものは、何か形あるものに取り憑くのである。



6. Bodies attack, but minds do not. This thought is surely reminiscent of our text, where it is often emphasized. This is the reason bodies easily become fear's symbols. 
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する」
  • reminiscent [rèmənísnt] : 「〜を思い起こさせる」
  • emphasize [émfəsàiz] : 「強調する、力説する」
  • reason [ríːzn] : 「理由、原因、根拠」
  • easily [íːzili] : 「安易に、簡単に」
❖ "Bodies attack ~ "「肉体は攻撃するが、心は攻撃しない」。"This thought is ~ "「この見方は私達のテキスト(ACIM・TEXT)を確かに思い起こさせるものであって、しばしば強調されている」。"This is the reason ~ "「これは、肉体が恐れの象徴に容易になり得る理由である」。肉体は攻撃したり攻撃されたり、傷つけたり傷つけられたりする。そこに恐れが生じ、肉体が恐れを象徴しているように見える。心は攻撃しない。したがって、心は傷つけることも傷つけられることもない。実相に目覚めた心は、確かに傷つくことはなく、恐れが幻想に過ぎないことを知っている。



You have many times been urged to look beyond the body, for its sight presents the symbol of love's "enemy" Christ's vision does not see. 
  • urge [ə́ːrdʒ] : 「促す、要請する、勧める」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界」
  • present [préznt] : 「示す、提示する」
  • enemy [énəmi] : 「敵、かたき」
❖ "You have many ~ "「あなたは何度も、肉体を超えてその向こうを見るようにと促されてきた」。ACIMのTEXTの中で、何度もそう言われてきた。"for its sight ~ "「なぜなら、肉体的な視覚は、キリストのヴィジョンが目にすることがない愛の『敵』という象徴を提供しているからだ」。愛の敵とは憎悪のことで、憎悪が攻撃性を生み出し、攻撃性が恐れを生み出す。世界を幻想から救い出そうとするキリストのヴィジョン、すなわちスピリットの目には憎悪は見えないし、憎悪を象徴する肉体は幻想に過ぎないと簡単に見破ってしまう。



The body is the target for attack, for no one thinks he hates a mind. Yet what but mind directs the body to attack? 
  • target [tάːrɡit] : 「的、標的」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • direct [dirékt] : 「〜に〜するよう指示する」
❖ "The body is ~ "「肉体は攻撃のターゲットである」。"for no one ~ "「なぜなら、誰も心を嫌っているとは思っていないからだ」。"Yet what but ~ "「しかし、心以外に、いったい何が肉体を攻撃に向かわせているだろうか」。平穏な心を嫌悪する者は誰もいない。ところが、他者が汚い心をもっていると感じるやいなや、たちまちその他者に対する憎悪という感情が芽生えて、攻撃に転ずる。しかし、他者が汚い心をもっていると感じる、と書いたが、本当は自分の心の中の汚れを嫌悪し恐れを抱いているのだ。それを認めまいとして他者に投影し、他者を汚い心の持ち主にしてしまう。他者を攻撃対象とすることで、当面は自分の心の汚れから目をそらせることが出来るというわけだ。



What else could be the seat of fear except what thinks of fear?
  • seat [síːt] : 「巣、病巣、源」
❖ "What else could ~ "「恐れを思いつくもの以外のいったい何が、恐れの温床になり得るだろうか」。恐れが実在すると信じる心自体が恐れの温床である。



7. Hate is specific. There must be a thing to be attacked. An enemy must be perceived in such a form he can be touched and seen and heard, and ultimately killed. 
  • specific [spisífik] : 「具体的な、詳しい、明確な」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
  • ultimately [ʌ́ltəmətli] : 「最後に、最終的に」
❖ "Hate is ~ "「憎しみは具体的だ」。憎悪は具体的な攻撃という形をとって、肉体をもった他者に向かう。"There must be ~ "「攻撃され得るものが必ず必要とされる」。"An enemy must ~ "「敵は、触たり見たり聞いたり、そして最終的に殺されたり出来るものとして知覚されなくてはならない」。他者の肉体に向かう具体的な攻撃が可能な形で憎しみは発散される。



When hatred rests upon a thing, it calls for death as surely as God's Voice proclaims there is no death. 
  • hatred [héitrid] : 「強い嫌悪、憎しみ、憎悪」
  • rest [rést] on : 「〜に基礎を置く、〜にある」
  • call on : 「求める、要求する」
  • proclaim [proukléim] : 「〜を明白に示す」
❖ "When hatred ~ "「憎悪がものに向けられると、憎悪は死を求める」。"as surely as God's ~ "「それは、神に代わって話す声が死など存在しないと明白に示すことと同じくらい確かなことだ」。ホーリー・スピリットが死は幻想だと示してくれるのと同じくらい確実に、憎悪は死を求める。



Fear is insatiable, consuming everything its eyes behold, seeing itself in everything, compelled to turn upon itself and to destroy.
  • insatiable [inséiʃəbl] : 「飽くことのない」
  • consume [kənsúːm] : 「消費する、破壊する」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • compel [kəmpél] : 「強制的に〜させる」
  • turn upon : 「作動させる、刺激する」
  • destroy [distrɔ́i] : 「〜を破壊する、破損する」
❖ "Fear is ~ "「恐れは止まることを知らず、目にするものすべてを食い尽くし、あらゆるものの中にそれ自身(恐れ)を見い出し、強制的に恐れに火を付けて破壊しようとする」。



8. Who sees a brother as a body sees him as fear's symbol. And he will attack, because what he beholds is his own fear external to himself, poised to attack, and howling to unite with him again. 
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • external [ikstə́ːrnl] : 「外の、外側の、外部の」
  • poise [pɔ́iz] : 「〜の準備をする」
  • poise to : 「〜する態勢になっている」
  • howl [hául] : 「うなり声を上げる」
❖ "Who sees a ~ "「同胞を肉体と見る者は、彼を恐れのシンボルと見なす」。"And he will ~ "「そして、彼は攻撃するだろう」。"because what he ~ "「なぜなら、彼が目にするものは、彼自身の外にある彼自身の恐れであり、それが攻撃態勢に入り、彼と再び一体化しようとわめいているからだ」。つまり、自分の恐れを他者に投影して、その他者を恐れているわけだ。投影した恐れは攻撃に転じ、あたかも鏡に映った自分の像が自分と一体化するように、攻撃に転じた恐れは再び自分に戻って一体化しようとする。
 野生動物の前に鏡を置いて動物の行動を観察する実験を行った映像を見たことがあるが、多くの動物は防御態勢に入りながらも好奇心に押されて鏡に近づく。ある種の動物は、鏡に映った像が自分を攻撃しないと察知してその場を去る。また、ある種の動物は猛然と鏡の中の自分の像に攻撃を仕掛ける。知恵のない動物の仕草だと笑うなかれ。私達は同じことをしているのだ。



Mistake not the intensity of rage projected fear must spawn. It shrieks in wrath, and claws the air in frantic hope it can reach to its maker and devour him.
  • mistake [mistéik] : 「思い違いする、間違える」
  • intensity [inténsəti] : 「強烈さ、激しさ」
  • rage [réidʒ] : 「激怒、激しい怒り」
  • project [prɑ́dʒekt] : 「〜を投影する、映し出す」
  • spawn [spɔ́ːn] : 「〜を発生させる、引き起こす」
  • shriek [ʃríːk] : 「金切り声を出す、悲鳴を上げる」
  • wrath [rǽθ] : 「激怒、憤怒」
  • claw [klɔ́ː] : 「〜を裂く、爪で引っかく」
  • frantic [frǽntik] : 「半狂乱の、狂乱した」
  • devour [diváuər] : 「貪り食う」
❖ "Mistake not the ~ "「恐れが生み出したに違いない投影された怒りの激しさを誤ってとらえてはいけない」。自らの恐れを他者に投影し、他者に怒りを感じて攻撃するわけだが、その怒りは猛り狂って自分自身に返って来る。その激しさは尋常ではない。自分自身に与える悪影響も多大だ。"It shrieks in ~ "「それは怒り狂って金切り声を発し、怒りを生み出した者に手を伸ばしてむさぼり食おうと半狂乱の望みを抱き、空(くう)を掻きむしる」。



9. This do the body's eyes behold in one whom Heaven cherishes, the angels love and God created perfect. This is his reality. 
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大切にする、可愛がる」
❖ "This do the ~ "「天の王国が大切に扱い、天使が愛し、神が完璧に創造した神の子の中に、肉体の目はこんな半狂乱の怒りを見ているのだ」。



And in Christ's vision is his loveliness reflected in a form so holy and so beautiful that you could scarce refrain from kneeling at his feet. 
  • loveliness [lʌ́vlinis] : 「愛らしさ、素晴らしさ」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • scarce [skέərs] : 「=scarcely」
  • scarcely [skέərsli] : 「ほとんど〜ない」
  • refrain from : 「〜を控える、〜をやめる」
  • kneel [níːl] : 「ひざまずく」
❖ "And in Christ's vision ~ "「キリストのヴィジョンの中では、彼の愛らしさはあまりにも神聖であまりにも美しく反映されるので、あなたは彼の足下(あしもと)に跪(ひざまず)かずにはいられないだろう」。あなたが恐れを投影し、怒り狂って攻撃しようとする相手は、神が愛する完璧な神の子である。その真実の姿を知れば、同胞の足下に跪きたくなるはずだ。



Yet you will take his hand instead, for you are like him in the sight that sees him thus. 
  • instead [instéd] : 「代わりに、そうしないで」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界」
❖ "Yet you will ~ "「しかしあなたは、跪く代わりに同胞の手を取るかもしれない」。"for you are ~ "「なぜなら、同胞をそのように見るヴィジョンの中では、あなたは彼とそっくりだからだ」。あなたと同胞の平等性が見えて来るので、跪くという行為にまでは及ばずに、ただ手を取り合うことになる。ACIMでは、足下に跪くという行為は『畏敬』を表している。平等な同胞に畏敬を感じる必要はない。同じ神の子として、手を取り合って慈しみ合うことで十分なのだ。



Attack on him is enemy to you, for you will not perceive that in his hands is your salvation. 
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を理解する」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い」
❖ "Attack on him ~ "「同胞への攻撃は、あなたの敵である」。"for you will ~ "「なぜなら、彼の手の中にこそあなたの救いがあるのだとあなたは知覚することがなくなるからだ」。あなたは同胞を幻想から救い、同胞を救うことであなたも救われる。あなたの救いの鍵を握っているのは同胞である。救い主を攻撃することは、救い主を敵に回すことであり、同胞を、そしてあなた自身をも敵に回すことになる。



Ask him but for this, and he will give it to you. Ask him not to symbolize your fear. 
  • symbolize [símbəlàiz] : 「〜を象徴する」
❖ "Ask him but ~ "「同胞に救いだけを求めなさい」。"and he will ~ "「そうすれば、彼はあなたに救いを与えてくれる」。救いを求めるとは、救いを与えることである。"Ask him not ~ "「決して、あなたの恐れのシンボルを同胞に求めてはいけない」。



Would you request that love destroy itself? Or would you have it be revealed to you and set you free?
  • require [rikwáiər] : 「〜を求める、〜に要求する」
  • destroy [distrɔ́i] : 「破壊する、壊す」
  • reveal [rivíːl] : 「示す、明かす」
  • set [sét] : 「〜を(ある状態に)する」
❖ "Would you request ~ "「愛が愛自体を破壊することを、あなたは求めたいと思うだろうか」。"Or would you ~ "「それとも、あなたは、愛があなたに姿を現し、あなたを解放してくれることを求めるだろうか」。



10. Today we practice in a form we have attempted earlier. Your readiness is closer now, and you will come today nearer Christ's vision. 
  • practice [prǽktis] : 「練習する、実践する」
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • earlier [ə́ːrliər] : 「より前の」
  • readiness [rédinəs] : 「準備ができていること」
  • close [klóus] : 「近い、接近した、近接した」
  • near [níər] : 「近い、接近した」
❖ "Today we practice ~ "「今日、私達は、以前試みた形式で練習する」。以前試みた形式(方法)とは、Workbookの初期の段階で、身の回りのものに関心を向けて、具体的に練習したこと。"Your readiness is ~ "「今やあなたの準備は(以前よりずっと)出来ているので、今日あなたは、キリストのヴィジョンにより近づくことになるだろう」。幻想からの目覚めがずっと近づいているので、もうすぐ実相的ヴィジョンが獲得できるようになる。



If you are intent on reaching it, you will succeed today. And once you have succeeded, you will not be willing to accept the witnesses your body's eyes call forth. 
  • intent [intént] : 「断固とした、決意が固い」
  • be intent on : 「〜に専心している」
  • reach [ríːtʃ] : 「達する、至る、手が届く」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
  • be willing to : 「進んで〜する、〜に気乗りする」
  • accept [əksépt]: 「受け入れる、承認する」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、証人」
  • call forth : 「〜を生じさせる、〜を呼び起こす」
❖ "If you are intent ~ "「もし、あなたにキリストのヴィジョンに到達したいという意志があるなら、今日、成功するだろう」。"And once you ~ "「そして、ひとたび成功すれば、あなたの肉体的な目が生じさせた証言を受け入れたいとは思わなくなるだろう」。あなたの知覚でとらえたこの世界の存在が、本当は幻想に過ぎないと気付いて、その実在性を受け入れることはなくなる。それを可能にしてくれるのが、キリストのヴィジョン、心の目である。



What you will see will sing to you of ancient melodies you will remember. You are not forgot in Heaven. Would you not remember it?
  • ancient [éinʃənt] : 「古代の、古くからの」
  • remember [rimémbər] : 「〜を覚えている、〜を思い出す」
  • forgot [fərɡάt] : 「forgetの過去・過去分詞形」
❖ "What you will ~ "「あなたが見るであろうものは、あなたが覚えている古(いにしえ)のメロディーをあなたに歌って聞かせる」。天の王国に暮らしていたときの思い出である。"You are not ~ "「あなたは天の王国を忘れてはいない」。"Would you not ~ "「あなたは天の王国を思い出したいとは思わないのだろうか」。



11. Select one brother, symbol of the rest, and ask salvation of him.
select [səlékt] : 「〜を選択する、〜を選ぶ」
ask of : 「〜に要求する」
❖ "Select one brother ~ "「一人の同胞を選び、彼を残りの同胞のシンボルにして、彼に救いを求めなさい」。繰り返しになるが、同胞に救いを求めるとは、同胞を救うことである。同胞の罪を赦すことである。同胞の罪を幻想だと認識して赦し、罪を消滅させるのだ。その結果、あなたの罪の意識も赦されて、あなたは救われるのである。なお、一人の同胞を具体的に指定してレッスンするやり方が、以前試みた形式というわけだ。



See him first as clearly as you can, in that same form to which you are accustomed. 
  • clearly [klíərli] : 「はっきりと、明らかに、明瞭に」
  • accustomed [əkʌ́stəmd] : 「〜に慣れて、習慣の」
❖ "See him first ~ "「まず最初に、あなたが見慣れた形で、出来るだけ鮮明に彼を見なさい」。普段肉体的な目で見るように、一人の同胞をなるべく鮮明に見る。イメージとして心の中で具体的に見る。



See his face, his hands and feet, his clothing. Watch him smile, and see familiar gestures which he makes so frequently. 
  • clothing [klóuðiŋ] : 「衣類、装身具」
  • familiar [fəmíljər] : 「見慣れた、普通の」
  • gesture [dʒéstʃər] : 「身ぶり、手ぶり」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「しばしば、たびたび」
❖ "See his face ~ "「彼の顔、手と足、着ているものを見なさい」。"Watch him smile ~ "「笑っている様子、彼が頻繁に行う見慣れた身振りを観察しなさい」。ここも、心の中で鮮明に思い浮かべればいい。



Then think of this: What you are seeing now conceals from you the sight of one who can forgive you all your sins; whose sacred hands can take away the nails which pierce your own, and lift the crown of thorns which you have placed upon your bleeding head. 
  • conceal [kənsíːl] : 「隠す、秘密にする」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する」
  • sacred [séikrid] : 「神聖な、聖なる」
  • take away : 「奪い去る、連れ去る、持ち去る」
  • nail [néil] : 「釘、鋲」
  • pierce [píərs] : 「〜を刺し通す、貫く」
  • lift [líft] : 「解除する、取り除く」
  • crown [kráun] : 「王冠」
  • thorn [θɔ́ːrn] : 「とげ、針」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • bleed [blíːd] : 「血が出る、出血する」
❖ "Then think ~ "「その後、次のように思いなさい」。"What you are ~ "「あなたが今目にしているものは、あなたの罪のすべてを赦すことが出来る者の姿をあなたから隠している」。あなたが鮮明に思い出して描いた同胞の表面的な容姿は、救い主としての姿を覆い隠している。"whose sacred hands ~ "「彼の神聖な手は、あなた自身の手を貫いている釘を取り除くことが出来、血の滴るあなたの頭にあなたが置いた茨(いばら)の冠(かんむり)を持ち上げてくれる」。ここの暗いイメージは、もちろん、十字架上のイエスのイメージを借りたものだ。茨の冠を頭に載せられ、十字架に釘で打ち付けられた姿こそ、あなたのこの世での姿である。あなたが自分でそうしたのだ。十字架とは幻想世界に他ならない。その幻想から救い出してくれるのが、あなたの同胞である。



Ask this of him, that he may set you free: Give me your blessing, holy Son of God. I would behold you with the eyes of Christ, and see my perfect sinlessness in you.
  • blessing [blésiŋ] : 「祝福、恩恵」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、無辜」
❖ "Ask this of ~ "「この救いを彼に求めなさい」。"that he may ~ "「そうすれば、彼はあなたを解放してくれるだろう」。"Give me your ~ "「神聖な神の子よ、私にあなたの祝福を与えてほしい」。"I would behold ~ "「私は、キリストの目をもってあなたを見つめ、あなたの中に、私の無辜性を見たいと思う」。ここまで来れば、あなたが選んだ同胞は、実はキリストであることがわかるだろう。言い換えれば、あなたの同胞の表面的な姿に隠されたキリスト性をあなたのヴィジョンが見極めることが出来たとき、あなたは救われるのであり、同時に、あなた自身もまたキリストであることを発見するのである。



12. And He will answer Whom you called upon. For He will hear the Voice for God in you, and answer in your own. 
  • answer [ǽnsər] : 「答える、返事する」
  • call upon : 「求める、要求する」
❖ "And He will ~ "「あなたが(救いを)求めたキリストは答えてくれるだろう」。"For He will ~ "「なぜなら、キリストはあなたの心の中に神に代わって話す(ホーリー・スピリットの)声を聞き、あなた自身の声で答えてくれるからだ」。あなた自身の心がホーリー・スピリットの心と同化し、あなたの声はホーリー・スピリットの声と同一となる。



Behold him now, whom you have seen as merely flesh and bone, and recognize that Christ has come to you. 
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • flesh [fléʃ] : 「肉、表皮」
  • bone [bóun] : 「骨」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、受け入れる」
❖ "Behold him now ~ "「単に肉と骨として見てきた同胞を、今見つめ直し、あなたの下(もと)へキリストがやって来たことを認識しなさい」。肉体として見てきた同胞は、あなたを救い出すキリストであると受け入れなさい。



Today's idea is your safe escape from anger and from fear. Be sure you use it instantly, should you be tempted to attack a brother and perceive in him the symbol of your fear. 
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、逃避」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • sure [ʃúər] : 「確信して、固く信じて」
  • instantly [ínstəntli] : 「すぐに、あっという間に」
  • should [ʃəd] : 「万一〜ならば」
  • tempt [témpt] : 「〜を誘惑する、〜を唆す」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
❖ "Today's idea is ~ "「今日のものの見方は、怒りと恐れからあなたを安全に逃れさせてくれる」。同胞を救い主と見抜くことで、あなたは安心して怒りと恐れから解放される。もはや他者は敵ではなく救い主なのだから。"Be sure you ~ "「万が一、あなたが同胞を攻撃したいという誘惑に駆られたり、あなたの恐れの象徴を同胞の中に知覚したいという誘惑に駆られたら、すぐにでも今日のものの見方を利用できるのだと確信しなさい」。



And you will see him suddenly transformed from enemy to savior; from the devil into Christ.
  • suddenly [sʌ́dnli] : 「突然に、急に」
  • transform [trænsfɔ́ːrm] : 「〜を変形する、〜を変換する」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い主」
  • devil [dévəl] : 「魔王、悪魔、鬼」
❖ "And you will ~ "「そうすれば、敵から救い主へと、悪魔からキリストへと姿を変えた同胞を目にすることになるだろう」。






Archive

Notification

My photo


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター
Powered by Blogger.