●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.92.1-1 ~ W-pI.92.11-3

Lesson 92



Miracles are seen in light, and light and strength are one.

  • seen [síːn] : 「seeの過去分詞形」
  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」

❖ "Miracles are ~ "「奇跡は光の中で目撃され、そして、光と力は一つである」。奇跡は真実の放つ光の中だけで目撃出来るものであり、強さ(力)とは叡智がもたらす確信である。



1. The idea for today is an extension of the previous one. You do not think of light in terms of strength, and darkness in terms of weakness. 

  • extension [iksténʃən] : 「拡張、伸長、延長、伸展」
  • previous [príːviəs] : 「前の、以前の」
  • in terms of : 「〜に関して、〜の観点から」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
  • weakness [wíːknis] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性」

❖ "The idea for ~ "「今日のテーマは、前回のテーマの延長である」。"You do not ~ "「あなたは、光を力という観点から考えることはないし、闇を弱さという観点から考えることもない」。あなたは、真実の光が力であると関連づけて考えることも、幻想の闇を弱さと関連づけて考えることもない。



That is because your idea of what seeing means is tied up with the body and its eyes and brain. 

  • mean [míːn] : 「〜を意味する、…とは〜を指す」
  • tie [tái] up : 「結び付ける、関連させる、関連付ける」
  • brain [bréin] : 「脳、大脳、頭脳、知力」

❖ "That is because ~ "「それは、見るということが何を意味するのか、あなたのそれに対する考えが、肉体や目や脳に関連づけられているからだ」。見るということは、肉体的な感覚器官である目を通して周囲のイメージを取り込み、それを脳で処理して情報化することだと、あなたは信じている。



Thus you believe that you can change what you see by putting little bits of glass before your eyes. 

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • believe [bilíːv] : 「信じる、確信する、信頼する」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • bits of : 「ちっぽけな〜、〜の破片」
  • glass [ɡlǽs] : 「眼鏡」

❖ "Thus you believe ~ "「こうして、あなたは、目の前にちっぽけな眼鏡を付けることで、目にするものを変えることが出来るのだと信じてしまう」。先入観、偏見、経験、評価判断、暗示、洗脳、等々の色眼鏡をかければ、あなたは真実を偽りに、偽りを真実に変えることが出来る。真実も偽りも、あなたの知覚次第で変化流動してしまうのだ。それが当たり前のことだと、あなたは信じている。



This is among the many magical beliefs that come from the conviction you are a body, and the body's eyes can see.

  • among [əmʌ́ŋ] : 「〜の中の、〜の間で」
  • magical [mǽdʒikəl] : 「魔術の、魔法の、奇術の」
  • belief [bilíːf] : 「信じること、信念、信仰、信条、信用、信頼」
  • conviction [kənvíkʃən] : 「信念、確信」

❖ "This is among ~ "「これは魔術的な信念の部類に属することであって、それは、あなたが肉体であり、肉体的な目だけが見ることが出来ると確信していることに由来する」。魔術的な信念とは、幻想を現実だと信じること。たとえば、深い催眠状態の人に対して、目の前に犬がいると暗示をかければ、その人は現実的に犬を見る。これは一種の魔術である。催眠状態で得られる証言は、法的に効力をもたない理由がここにある。
余談になるが、目撃証言もまた、実は大きな不確実性をもっている。極端な話、人は見たいものを勝手に見、見たくないものは見ない。しかも、見たものの記憶を無意識のうちに都合よく勝手に変えることが出来る。知覚のもつ魔術性を考慮に入れないと、目撃証言によって無実の罪で有罪を宣言されるケースは後を絶たないであろう。



2. You also believe the body's brain can think. If you but understood the nature of thought, you could but laugh at this insane idea. 

  • also [ɔ́ːlsou] : 「〜もまた、同様に、また、〜もやはり」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
  • nature [néitʃər] : 「本質、特質、本性」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • laugh [lǽf] at : 「〜を笑う」
  • insane [inséin] : 「ばかげた、愚かな、常軌を逸した、正気でない」

❖ "You also believe ~ "「また、あなたは、肉体的な頭脳は考えることが出来ると信じている」。"If you but ~ "仮定法、「もしあなたが、思考のもつ性質を理解しているなら、こんな狂った考えを笑うしかないだろう」。もっとも、あなたは、『私の頭は活発に考えている』と反論するだろう。しかし、それは夢の中で一生懸命考えているようなものであって、目覚めれば、本当は何も考えていなかったことに気付く。同様に、この幻想世界にあって、あなたは肉体的な頭脳で考えていると思っているが、実相世界に目覚めれば、本当は何も考えていなかったことに気付くのである。実相的な想念は、頭脳による思考とは異なる。真実の思い、実相的な思考とは、叡智による創造であって、それが本当の思考のもつ属性である。



It is as if you thought you held the match that lights the sun and gives it all its warmth; or that you held the world within your hand, securely bound until you let it go. 

  • as if : 「あたかも〜かのように、〜と言わぬばかりに」
  • held [héld] : 「holdの過去形」
  • hold [hóuld] : 「維持する、保持する、持続する」
  • light [láit] : 「〜を明るくする、〜を照らす」
  • warmth [wɔ́ːrmθ] : 「暖かいこと、熱心、暖かさ」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • securely [sikjúərli] : 「安全に、しっかりと」
  • bound : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を束縛する、拘束する」
  • let go : 「放す、手放す、解放する、自由にする」

❖ "It is as if ~ "「それは、あたかもあなたは、太陽を照らし太陽に暖かさを与える(ことの出来る)マッチを持っていると思っているようなものである」。"or that you held ~ "「あるいは、あなたは、世界を手の内に持って、手放すまでは安全に捕まえていれると思っているようなものだ」。孫悟空が筋斗雲(きんとうん)に乗ってどこまで飛んでも、観音様の手の内から出ることが出来ない物語を彷彿(ほうふつ)とさせる。次元、スケールがあまりにも違うのだ。たとえば、ハッブル望遠鏡によってこの宇宙の気の遠くなるような広大さを知ったあなたは、天動説を信じた古代人を笑うだろう。しかし、そんなあなたを誰かがどこかで笑っていることにあなたは気付かない。



Yet this is no more foolish than to believe the body's eyes can see; the brain can think.

  • no more : 「それ以上〜ない」
  • foolish [fúːliʃ] : 「愚かな、分別のない、ばつが悪い、恥ずかしい」

❖ "Yet this is no ~ "「しかし、この喩(たと)えは、肉体の目は見ることが出来るとか、頭脳は考えることが出来ると信じることより、決してばかばかしくはない」。同じくらい、いや、それ以上にばかげている、ということ。



3. It is God's strength in you that is the light in which you see, as it is His Mind with which you think. His strength denies your weakness. 

  • strength [stréŋkθ] : 「力、強さ、体力」
  • deny [dinái] : 「〜を否定する、否認する、拒む、拒絶する」
  • weakness [wíːknis] : 「弱さ、弱いこと、虚弱、脆弱性」

❖ "It is God's ~ "意訳する、「見ることを可能にしてくれる光とは、あなたの心の中の神の力である」。"as it is His ~ "「またそれは、考えることを可能にしてくれるものが神の心であるということと同じである」。"His strength ~ "「神の力は、あなたの弱さを否定する」。神は真実の総体、叡智の総体である。叡智の放つ真実の光の中で、あなたは見、そして知るのだ。それはちょうど、神の思いを心に抱いて考えるということと同等である。それは確信であって疑いを挟まない。かくして、あなたは神の強さをもって真実を目撃し、真実を知るのだ。もはや、あなたに弱さはない。



It is your weakness that sees through the body's eyes, peering about in darkness to behold the likeness of itself; the small, the weak, the sickly and the dying, those in need, the helpless and afraid, the sad, the poor, the starving and the joyless. 

  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を経て、手を通して」
  • peer [píər] : 「じっと見る」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • likeness [láiknis] : 「似ていること、類似」
  • sickly [síkli] : 「病弱な、活気のない、弱々しい」
  • dying [dáiiŋ] : 「死にかけている、死に瀕した」
  • in need : 「困窮している、貧乏している、困っている」
  • helpless [hélplis] : 「無力な、頼りない」
  • afraid [əfréid] : 「恐れて、心配して、怖がって」
  • sad [sǽd] : 「悲しげな、悲しそうな」
  • poor [púər] : 「貧しい、乏しい、不幸な、哀れな」
  • starving [stάːrv] : 「飢えた、凍えた」
  • joyless [dʒɔ́ilis] : 「喜びのない、楽しくない」

❖ "It is your weakness ~ "「肉体の目を通して見ようとすることが、あなたの弱さである」。"peering about ~ "意訳する、「その目は、闇の中で、似たもの同士を見つけようとする」。"the small, the weak ~ "「小さな者、弱い者、病気の者、死に瀕した者、困窮している者、無力で恐れている者、悲しみに浸る者、哀れな者、飢えた者、喜びのない者」、そういった似たもの同士を、あなたの目は見つけようとする。それがあなたの弱さである。



These are seen through eyes that cannot see and cannot bless.

  • seen [síːn] : 「seeの過去分詞形」
  • bless [blés] : 「〜を祝福する、〜を神聖にする、清める、〜を賛美する」

❖ "These are seen ~ "「これらは、見ることも出来ず、祝福することも出来ない目を通して見られるのだ」。祝福することも出来ない目とは、他者の中に神の愛、神の恩寵を見てとれない目、他者を神の愛する神の子だと見ることの出来ない目、簡単に言えば、愛のない目である。それが、あなたの弱さを作り出している肉体の目であり、肉体の目を通して得る知覚である。



4. Strength overlooks these things by seeing past appearances. It keeps its steady gaze upon the light that lies beyond them. 

  • overlook [òuvərlúk] : 「見落とす、見て見ぬふりをする」
  • past [pǽst] : 「〜のそばを過ぎて、〜を過ぎ去って」
  • appearance [əpíərəns] : 「外観、外見、見掛け、容姿」
  • steady [stédi] : 「固定した、安定した、揺るぎない、確固とした」
  • gaze [ɡéiz] : 「凝視、注視」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」

❖ "Strength overlooks ~ "「力は、表面的な見かけをすり抜けて見ることで、これらの(弱さ)を見ないで済ませる」。力は幻想に惑わされない。表面的な見かけを通り越して、真実を見る。"It keeps its ~ "「力は、見かけを越えたところにある光をじっと見続ける」。力は真実を見続け、幻想に秋波(しゅうは)を送ることはない。



It unites with light, of which it is a part. It sees itself. It brings the light in which your Self appears. In darkness you perceive a self that is not there. 

  • unite [junáit] with : 「〜と一緒になる、〜と結合する、〜と合体する」
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
  • appear [əpíər] : 「現れる、出現する、登場する」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」

❖ "It unites with ~ "「力は光と結びつき、その一部となる」。力は真実の放つ光と一体化し、その一部となる。"It sees ~ "「力は力自体を見る」。ここの『見る』とは、確信をもって『知る』ということ。神の属性でもある力は、自らを真実だと知るのである。あるいは、真実は力だと知るのだ。"It brings ~ "「力は、本当のあなた自身をあらわにする光をもたらす」。エゴに支配され、幻想に翻弄される弱いあなたは本当のあなたではない。真実の光に照らされたあなたは、自分が神の力をもつ強い存在だと知る。"In darkness ~ "「闇の中では、あなたは、ありもしない自分を知覚する」。幻想の中にいるから、あなたは弱々しい自分を見ることになる。しかし、そんな弱い自分は、本当は存在しない。



Strength is the truth about you; weakness is an idol falsely worshipped and adored that strength may be dispelled, and darkness rule where God appointed that there should be light.

  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • idol [áidl] : 「偶像、崇拝の対象、虚像、幻想」
  • falsely [fɔ́ːlsli] : 「偽って、不誠実に、不当に」
  • worship [wə́ːrʃip] : 「崇拝する、賛美する、崇敬する」
  • adore [ədɔ́ːr] : 「崇敬する、崇拝する、〜に憧れる、〜を熱愛する」
  • that = so that : 「〜できるように、〜するために、その結果」
  • dispel [dispél] : 「〜を追い払う、払いのける、払拭する」
  • rule [rúːl] : 「統治する、支配する、牛耳る」
  • appoint [əpɔ́int] : 「決める、指定する、定める」

❖ "Strength is ~ "「力は、あなたに関する真実である」。あなたが力強い存在であることは真実である。神の子として、あなたは神の属性である力を有している。力という真実を生まれつき持っているのだ。"weakness is ~ "「弱さとは、強さを払拭し、神によって光りがあるべきだと定められた場所を闇が支配出来るようにするために、誤って崇拝され敬愛される偶像である」。結局、弱さとはエゴそものなのだ。エゴが偶像なら、弱さも偶像である。弱さをもって強さに対抗し、非力をもて力に対抗し、闇をもって光に対抗しようとするのである。幻想をもって実相に対抗し、虚偽をもって真実と対抗する。これが偶像でなくて何だろう。



5. Strength comes from truth, and shines with light its Source has given it; weakness reflects the darkness of its maker. 

  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」

❖ "Strength comes ~ "「力は真実からやって来る」。"and shines ~ "「そして、力の源(である神)が与えてくれた光によって輝く」。"weakness reflects ~ "「弱さは、それをでっち上げた闇を反映する」。



It is sick and looks on sickness, which is like itself. Truth is a savior and can only will for happiness and peace for everyone. 

  • sick [sík] : 「病気の、病気になった、病んだ、異常な」
  • look on : 「〜を見る」
  • sickness [síknəs] : 「病気」
  • like [láik] : 「似ている、類似の、類似した、同様の、同種の」
  • savior [séiviər] : 「救助者、救い手、救済者、救い主」
  • will [wíl] : 「〜を望む、意図する、命ずる」

❖ "It is sick ~ "「弱さは病んでおり、病にばかり目を向けるが、病は弱さ自体と似ているからだ」。"Truth is ~ "「真実は救い主であり、みんなの幸せと平和を意思することが出来るだけだ」。救い主とは、幻想から実相へと救ってくれる者。虚偽を払拭し、真実に目覚めさせてくれる者。



It gives its strength to everyone who asks, in limitless supply. It sees that lack in anyone would be a lack in all. And so it gives its light that all may see and benefit as one. 

  • limitless [límitlis] : 「制限のない、無限の、果てしなく広い」
  • supply [səplái] : 「供給、補給」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • benefit [bénəfit] : 「得をする、利益を得る」

❖ "It gives its ~ "「真実は、求める者すべてに力を与え、しかも無制限に与える」。"It sees that ~ "「真実は、誰かが不足しているなら、それはみんなが不足していると見る」。"And so it ~ "意訳する、「また真実はその光を与えるので、すべての人が一つとなって、真実を見、そして真実から恩恵を得ることが出来るだろう」。"as one"「一つとして、一つとなって」とは、ここでは、多くの人が平等に、差別なく、一体となって、といった意味合い。そもそも、多くの人は実相的には自他一如なので、たった一人であるなずだから。



Its strength is shared, that it may bring to all the miracle in which they will unite in purpose and forgiveness and in love.

  • share in : 「〜を分かち合う、〜を共有する」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、容赦、寛容」

❖ "Its strength ~ "「真実のもつ力は分かち合われ、その結果、真実はあらゆる人たちに奇跡をもたらすことが出来るだろう」。"in which they ~ "「そして、その奇跡の中で人々は、目的と赦しにおいて、愛において、結びつくことになろう」。ここも意訳した方がいいだろう。「人々はその奇跡の中で結びつき、目的と赦しを共有し、愛を分かち合うだろう」。ここの『目的』とは、幻想から実相に目覚めること。『赦し』とは、幻想を認識し、受け入れ受け流して赦してしまうこと。『愛』は、言わずもがな。



6. Weakness, which looks in darkness, cannot see a purpose in forgiveness and in love. 

  • looks in : 「中を見る」

❖ "Weakness, which ~ "「弱さは、闇の中ばかりを見ているのだが、赦しや愛における目的性を見ることは出来ない」。闇の幻想に埋没した弱さは、赦しや愛が本当の目的だと見ることが出来ない。



It sees all others different from itself, and nothing in the world that it would share. It judges and condemns, but does not love. 

  • different [dífərənt] : 「相違する、違っている、異なる」
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
  • condemn [kəndém] : 「〜を非難する、責める、〜に有罪の判決を下す」

❖ "It sees all ~ "「弱さは、すべての他者をそれ自体と異なった姿に見てしまう」。弱さは、たとえば、彼は悪い男、彼女は愚かな女、彼はけちな男、等々というように、勝手なレッテルを貼って他者を見るわけだ。"and nothing ~ "「そして、この世界の何ものも分かち合おうとはしない」。"It judges and ~ "「弱さは、判断し、避難し、しかし、愛することはしない」。他者を非難、罵倒することで自分の正当性を主張する。そこには自己防衛本能が働いている。他者を攻撃することで自己を防衛する行為は、自らの弱さを表しているのだと思えばいい。



In darkness it remains to hide itself, and dreams that it is strong and conquering, a victor over limitations that but grow in darkness to enormous size.

  • remain [riméin] : 「とどまる、残る、生き残る、残存する」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • conquer [kάŋkər] : 「征服する、勝つ、障害を乗り越える」
  • victor [víktər] : 「優勝者、勝利者、征服者」
  • limitation [lìmətéiʃən] : 「制限、制約、限界」
  • grow [ɡróu] : 「成長する、育つ、大きくなる」
  • enormous [inɔ́ːrməs] : 「巨大な、膨大な、莫大な」
  • size [sáiz] : 「大きさ、寸法、体積、容積」

❖ "In darkness ~ "「弱さは、闇の中に自らを隠して居座る」。"and dreams that ~ "「そして、自分は強いのだ、打ち勝てるのだ、闇の中で巨大なサイズに成長していく制限に打ち勝つ勝者だ、と夢に見ている」。ここの制限とは、社会的制限、経済的制限、時空間の制限、等々の制限。社会は個人にどんどん制限をかけるが、それに打ち勝って、金持ちになるとか、権力者になるとか、他者を支配するとか、そういう成功を収めて勝者になる夢を見るわけだ。しかし、それすらも、出所(でどころ)は人間のもつ弱さなのである。



7. It fears and it attacks and hates itself, and darkness covers everything it sees, leaving its dreams as fearful as itself. 

  • fear [fíər] : 「〜を恐れる、〜を怖がる」
  • attack [ətǽk] : 「〜を襲う、〜を攻撃する、〜を非難する」
  • hate [héit] : 「〜を憎む、〜をひどく嫌う」
  • cover [kʌ́vər] : 「隠す、ごまかす」
  • leave [líːv] : 「〜を残す、〜を任せておく、ある状態のままにしておく」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい、ものすごい」

❖ "It fears and ~ "「弱さは、自分自身を恐れ、攻撃し憎む」。"and darkness ~ "「そして、闇は目にするものすべてを覆い隠し、夢をそれ自体と同じくらい恐ろしいものにしてしまう」。



No miracles are here, but only hate. It separates itself from what it sees, while light and strength perceive themselves as one. 

  • hate [héit] : 「憎悪、憎しみ、嫌悪」
  • separate [sépərèit] : 「離す、分ける、分離する、分解する」
  • while [hwáil] : 「〜なのに、〜ではあるものの、〜とはいえ、しかし一方」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」

❖ "No miracles ~ "「ここには奇跡はなく、あるものは憎しみだけだ」。"It separates ~ "「弱さは、目にしたものから自らを引き離してしまう」。弱さは分離から生じたので、嫌悪感や憎悪感を抱いて対象から自らを引き離す。対して、愛は他者を引き寄せ、融合を促す。"while light and ~ "「一方、光と力は、それ自体を一体と見なす」。光と力は同一、愛と真実も同一、叡智と創造も同一。一元論の必然である。



The light of strength is not the light you see. It does not change and flicker and go out. 

  • change [tʃéindʒ] : 「変わる、変化する、変遷する」
  • flicker [flíkər] : 「揺らめく、点滅する、徐々に消える」
  • go out : 「消える、消灯する、立ち消えになる」

❖ "The light of ~ "「力が放つ光は、あなたが目にする光ではない」。実相の光は、あなたがこの世で見る普通の光とは異質である。単なる電磁波ではない。"It does not ~ "「その光は変化することなく、チカチカ瞬くことも消えてしまうこともない」。もちろん、この光は肉体的な目を通して見ることは出来ない。心の目、ヴィジョンを通してのみ見ることの出来る永遠不変の光である。



It does not shift from night to day, and back to darkness till the morning comes again.

  • shift [ʃíft] : 「変わる、移る」
  • till [tíl] : 「〜まで」

❖ "It does not ~ "「その光は、夜から昼へとシフトすることはないし、朝が再びやって来るまで闇に戻るなどということもない」。永遠不変に輝き続ける光である。真実は永遠不変なのだ。したがって、叡智は変化することない確信であり、その確信が力を生み、光を放つ。



8. The light of strength is constant, sure as love, forever glad to give itself away, because it cannot give but to itself. 

  • constant [kάnstənt] : 「不変の、一定な」
  • sure [ʃúər] : 「確かな、確実な、確固とした」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • glad [ɡlǽd] : 「満足して、うれしく思う」
  • give away : 「引き渡す、引き渡す、逸する、逃す」

❖ "The light of ~ "「力の光は不変であり、愛のように確かで、永遠に、自らを喜んで与える」。自らを与えるとは、力はその光をみんなと分かち合う、ということ。"because it ~ "「なぜなら、力はそれ自身に与えることしか出来ないからだ」。力は力に対して光を与え、分かち合う。人は誰でも力のある神の子であるから、光を分かち合えない者はいない。



No one can ask in vain to share its sight, and none who enters its abode can leave without a miracle before his eyes, and strength and light abiding in his heart.

  • in vain [véin] : 「無駄に」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界、景色、眺め」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に参加する、〜に立ち入る」
  • abode [əbóud] : 「住居、居所、滞在」
  • leave [líːv] : 「 〜から離れる、〜から撤退する、〜と別れる」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」

❖ "No one can ~ "「誰も、光の光景を分かち合うことを求めて、無駄に終わることはない」。誰でも、光に満ちた光景を目撃出来、それを分かち合うことが可能だ。失望や落胆に終わることはない。"and none who ~ "意訳する、「光の満ちた場所に入って来た者は誰でも、目の前で起きる奇跡を見ずに立ち去ることは出来ないし、力と光は、その者の心の中にずっと居座ることになる」。



9. The strength in you will offer you the light, and guide your seeing so you do not dwell on idle shadows that the body's eyes provide for self-deception. 

  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる、〜を提供する、〜を勧める」
  • guide [ɡáid] : 「〜を導く、案内する、〜を指導する」
  • seeing [síːiŋ] : 「見ること、視覚、視力」
  • dwell [dwél] : 「ある、宿る、残る、存在する、くよくよ考える」
  • dwell [dwél] on : 「〜をくよくよ考える、こだわる、思案する」
  • idle [áidl] : 「動いていない、無意味な、無駄な」
  • provide [prəváid] : 「準備する、もたらす、与える、提供する」
  • self-deception [disépʃən] : 「自己欺瞞、自分を騙すこと」

❖ "The strength in ~ "「あなたの心の中の力は、あなたに光を差し出し、肉体の目が自己欺瞞のために提供する無意味な影にあなたが居座り続けないように、あなたの視線を(正しい方向へ)導いてくれる」。あなたの肉体的な目は存在しないものを存在するかのように知覚させ、あなたを欺く(self-deception)。しかし、あなたの心に宿った力は、あなたに光を差し出し、あなたが心の目を使って何を見ればいいのか、あなたを導いてくれる。



Strength and light unite in you, and where they meet, your Self stands ready to embrace you as Its Own. 

  • meet [míːt] : 「〜に会う、〜と会合する、〜と接触する」
  • stand [stǽnd] : 「立つ、立っている」
  • ready [rédi] : 「覚悟ができた、用意ができて」
  • embrace [imbréis] : 「囲む、〜を抱き締める、包含する、快諾する」

❖ "Strength and light ~ "「力と光はあなたの心の中で結合する」。"and where ~ "「あなたの心の中で力と光は出会い、本当のあなたが、自分自身としてあなたを抱きしめる用意を整えて(待っている)」。あなたは、エゴの支配する自己欺瞞的なあなたと、ホーリー・スピリットが宿る本当のあなたの2つに分裂している。今、力と光があなたの心の中で出会うとき、本当のあなた(ホーリー・スピリット)が偽りのあなた(エゴ)を抱きしめるのだ。エゴの支配からあなたは解放されるのである。



Such is the meeting place we try today to find and rest in, for the peace of God is where your Self, His Son, is waiting now to meet Itself again, and be as One.

  • meeting place : 「出会いの場、会合場所」
  • rest [rést] : 「ある、休む、静止する、置かれている」
  • wait [wéit] : 「待つ」

❖ "Such is the meeting ~ "「今日、私たちが見い出し、そこに休(やす)らおうとしている出会いの場とは、そういう所である」。"for the peace ~ "「なぜなら、神の平和は、あなた自身、つまり神の子が自分自身と再び出会い、一つになることを今待っている所にあるのだから」。あなたが本来の自分自身に戻れたとき、つまり、神の子であるという自覚を再び得たとき、実相的な平和、神の平和があなたに訪れる。その場が、力と光の出会う場所なのだ。



10. Let us give twenty minutes twice today to join this meeting. Let yourself be brought unto your Self. 

  • twice [twáis] : 「2回、2度」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する」
  • meeting [míːtiŋ] : 「出会い、遭遇、会合」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bringの過去・過去分詞形」

❖ "Let us give ~ "「この出会いに加わるために、日に2回、20分を(練習に)充てよう」。"Let yourself ~ "「あなた自身を、本当のあなた自身の下(もと)へ連れて行こう」。



Its strength will be the light in which the gift of sight is given you. 

  • gift [gíft] : 「贈り物、プレゼント、神からの贈り物、天賦の才」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界、景色、眺め」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」

❖ "Its strength ~ "「本当のあなた自身の力は光であり、その光の中で、贈り物である光景があなたに与えられる」。肉体的な知覚で見える光景ではなく、実相的な光景、すなわちヴィジョンがあなたに贈り物として与えられる。あなたは光の中で輝く真実を目撃するのだ。



Leave, then, the dark a little while today, and we will practice seeing in the light, closing the body's eyes and asking truth to show us how to find the meeting place of self and Self, where light and strength are one.

  • leave [líːv] : 「 〜から離れる、〜から撤退する、〜と別れる」
  • dark [dάːrk] : 「暗い、闇の、暗黒の」
  • a little while : 「しばらくの間、ちょっとの間」
  • show [ʃóu] : 「示す、表す、表示する」
  • find [fáind] : 「発見する、見いだす、気付く、理解する」

❖ "Leave, then ~ "「そこで、今日はしばらく間、闇から離れなさい」。"and we will ~ "「そうすれば、私たちは光の中で(ヴィジョンを)見る練習が出来る」。"closing the body's ~ "「肉体の目を閉じ、どうすれば自分と本当の自分の出会いの場所を見つけることが出来るか、真実に向かって尋ねなさい」。"where light and ~ "「その出会いの場所こそ、光と力が一つになっている場所である」。



11. Morning and evening we will practice thus. After the morning meeting, we will use the day in preparation for the time at night when we will meet again in trust. 

  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • preparation [prèpəréiʃən] : 「心構え、覚悟、用意、準備、支度」
  • trust [trʌ́st] : 「信頼、信用」

❖ "Morning and ~ "「朝と夕、私たちはこのように練習することになる」。"After the morning ~ "「朝の出会いの後は、信頼して再び会える夜の時間のために、一日を準備のために使う」。



Let us repeat as often as we can the idea for today, and recognize that we are being introduced to sight, and led away from darkness to the light where only miracles can be perceived.

  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • introduce [ìntrədjúːs] : 「取り入れる、取り込む、導入する、招く」
  • led [léd] : 「leadの過去・過去分詞形」
  • lead [líːd] : 「〜を導く、案内する、連れて行く」
  • away from : 「〜から離れて」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く、〜を見抜く」

❖ "Let us repeat ~ "「出来るだけ頻繁に、今日のものの見方を繰り返し述べ、ヴィジョンに招き入れられているのだと認識しよう」。"and led away ~ "「そして、闇から離れて、奇跡だけが知覚される光へと導かれているのだと受け入れよう」。
 
 
 




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