●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.85.1:1 ~ W-pI.85.4:4

Lesson 85 



Review of Lessons 69 - 70


 Today's review will cover these ideas:
(今日の復習は次のテーマをカバーする)

1. My grievances hide the light of the world in me. (私の不平は、私の心の中にある世界の光を覆い隠してしまう)
My grievances show me what is not there, and hide from me what I would see. 
  • grievance [ɡríːvəns] : 「不平のもと、苦情の原因、立腹」
  • hide [háid] : 「隠す、隠蔽する、秘密にする」
  • show [ʃóu] : 「示す、表す、表示する」
❖ "My grievances show ~ "「私の不平は、そこにないものを私に見せ、」"and hide from ~ "「私がそこに見たいと思っているものを私(の目)から隠してしまう」。"grievance"「不平」とは、直面している事態の責任を外部世界に向けて投射し、怒りの中に自己の責任を回避する行為である。簡単に言えば、『悪いのは自分ではなく社会だ』、『悪いのは自分ではなく、他者だ』と、怒りを外の世界にぶつける行為である。ところが、外部世界はあなたの心が作り上げた幻想であるから、外部世界を激しく批判することで、逆に幻想を現実化してしまうのだ。あなたは、ありもしない幻想を現実と思い込み(show me what is not there)、本当に存在する真実(what I would see)をあなた自身の目から隠してしまう。こうして、あなたの心の中にある、世界を照らし出す真実の光は、その輝きをどんどん失っていく。
風車に突進するドン・キホーテを思い出してみるといい。はたして、不平を抱き怒りに燃えるあなたは、ドン・キホーテそのものではないのか? 



Recognizing this, what do I want my grievances for? They keep me in darkness and hide the light. 
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • darkness [dάːrknis] : 「暗がり、暗闇」
❖ "Recognizing this ~ "「このことを認識した上で、では、私の不平は何を求めているのだろうか」。"They keep me ~ "「不平は私を闇の中に閉じこめ、光を隠しているだけだ」。不平を抱いて腹を立てることは、あなたを闇の幻想に閉じこめてしまうだけだ。不平を抱いている限り、あなたには真実の光が見えない。



Grievances and light cannot go together, but light and vision must be joined for me to see. 
  • go together [təɡéðər] : 「一緒に行く、同行する、相伴う、調和する」
  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する」
❖ "Grievances and light ~ "「不平と光は両立不可能である」。"but light and vision ~ "「しかし、光とヴィジョンは、私が(真実を)見るために結合しなくてはならない」。真実を照らし出す光が映し出す光景、それがヴィジョンである。あるいは、真実の光で世界を見る心の目がヴィジョンである。ホーリー・スピリットの視力だと思ってもいい。そのヴィジョンを得るには、不平を抱いていてはいけないのだ。なぜなら、ヴィジョン(実相)と不平(幻想)は両立不可能だから。



To see, I must lay grievances aside. I want to see, and this will be the means by which I will succeed.
  • lay aside : 「のけておく、しまっておく、捨てる、放棄する」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
❖ "To see, I must ~ "「(真実を)見るために、私は不平を放棄しなくてはいけない」。"I want to ~ "「私は(真実を)見たいと思っているし、不平を放棄することは、私が成功するための手段になるはずだ」。ここの"this"を"lay grievances aside"として解釈してみた。"succeed"「成功する」とは、真実の光で世界を見るというヴィジョンを獲得すること。



2. Specific applications for this idea might be made in these forms:

        Let me not use this as a block to sight.
        The light of the world will shine all this away. 
        I have no need for this. I want to see.
  • specific [spisífik] : 「具体的な、詳しい、明確な」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造、現れ、姿、体つき」
  • block [blɔ́k] : 「障害物、妨害物」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界、景色、眺め」
  • shine [ʃáin] : 「〜を磨く、〜を光らせる」
  • shine away : 「輝き続ける、光り続ける 照らし出す、白日の下に曝す」
  • need [níːd] : 「必要、必要性」
❖ "Specific applications ~ "「今日のテーマを具体的に適用するには、次の形をとればいい」。"Let me not ~ "「これを、視界を遮(さえぎ)るブロックに使うまい」。"this"とは、あなたが直面している状況や事態のこと。"block"は、もちろん、真実の光を遮る障害物、幻想のこと。"The light of ~ "「世界の光は、この状況すべてを照らし出してくれる」。"shine away"は、ACIMでは「照らし出す、白日の下(もと)に曝(さら)す」という意味合いに使われることがある。本文は、したがって、世界を照らし出す真実の光は、この状況の幻想性を白日の下に曝してくれる、といった意味合いになる。簡単に言えば、『お前が抱いている不平は嘘っぱちだよ』と教えてくれるのだ。"I have no ~ "「私は、こんな状況を必要としていない」。状況も、もちろん、それに対する不平も、あなたには必要ない。"I want to ~ "「私は(真実が)見たいのだ」。



3. My salvation comes from me. (私の救いは、私からやって来る)
Today I will recognize where my salvation is. It is in me because its Source is there. 
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • come from : 「〜から来る、〜に由来する、源を〜に発する」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
❖ "Today I will ~ "「今日私は、私の救いがどこにあるか、それを知ることになる」。"It is in ~ "「救いは私の心の中にある」。"because its ~ "「救いの源は私の心の中にあるからだ」。幻想から実相へ目覚めることがACIMの救いである。真実を知ることが救いなのだ。真実の宿る場所は、あなたの心の奥深く、最も純粋で神聖な部分である。ホーリー・スピリットの宿る部分であり、そこに神の祭壇がある。



It has not left its Source, and so it cannot have left my mind. I will not look for it outside myself. It is not found outside and then brought in. 
  • left [léft] : 「leaveの過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「 〜から離れる、〜から撤退する、〜と別れる」
  • look for : 「〜を探す、〜を期待する」
  • outside [áutsáid] : 「〜の外に、〜の外部に」
  • found [fáund] : 「findの過去・過去分詞形」
  • find [fáind] : 「発見する、見いだす、気付く、理解する」
  • brought [brɔ́ːt] : 「bringの過去・過去分詞形」
  • bring [bríŋ] : 「〜を持って来る、〜をもたらす」
❖ "It has not ~ "「私の救いは、救いの源を離れてはいない」。あなたの救いはホーリー・スピリットや神から離れて存在しているわけではない。"and so it ~ "「だから、救いが私の心を離れてしまうことなど不可能なのだ」。あなたの心は、ホーリー・スピリットや神と直結しているのであって、救いを求めるあなたの心から救いだけが離れてしまうことなど不可能なのだ。救いはあなたの心の中にある。"I will not ~ "「私の心の外に、救いを探そうとはすまい」。"It is not found ~ "「救いは、外で見つけて、心の中に持ち込むというものではない」。



But from within me it will reach beyond, and everything I see will but reflect the light that shines in me and in itself.
  • within [wiðín] : 「中、内部、内側」
  • reach [ríːtʃ] : 「達する、至る、手が届く、〜に連絡する」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • reach beyond : 「越えて行く、ずっと先にまで到達する」
  • reflect [riflékt] : 「〜を映す、示す、反映する」
  • shine [ʃáin] : 「輝く、光る」
❖ "But from within ~ "「しかし、救いは私の心の中から心を越えて外に出て、目にするあらゆるものがその光を反映する」。"that shines ~ "「その光は、私の心の中で、そして、あらゆるものの中で輝く」。救いの光、真実の光はあなたの心を飛び出て、あなたが目にする世界を照らす。あなたが救われると同時に世界も救われ、あなたが目にするものも、自ら救いの光を放つ。真実の光を放つ。あたかも共鳴現象が起きたように、光が世界に充満するのだ。



4. These forms of the idea are suitable for more specific applications:

        Let this not tempt me to look away from me for my salvation. 
        I will not let this interfere with my awareness of 
        the Source of my salvation.
        This has no power to remove salvation from me.
  • suitable [súːtəbl] : 「ふさわしい、適切な」
  • specific [spisífik] : 「具体的な、詳しい、明確な」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • tempt [témpt] : 「〜を誘惑する、〜を唆す」
  • look away from : 「〜から目をそらす」
  • salvation [sælvéiʃən] : 「救出、救済、救い、救世」
  • interfere [ìntərfíər] with : 「〜を妨げる、〜を邪魔する」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性 」
  • remove [rimúːv] : 「取り除く、取り去る、取り外す、除去する」
❖ "These forms of ~ "「より具体的な適用のためには、次のような形がふさわしい」。"Let this not ~ "「私の救いのために、この状況が、私自身から目を逸らさせようと誘惑させないようにしよう」。この状況が自分自身から目を逸らせようとする誘惑に負けないようにしよう。"I will not let ~ "「私が救いの源を意識していることに対して、この状況が妨げにならないようにしよう」。この状況のために、心の中の救いの源を忘れてしまわないようにしよう。"This has no power ~ "「この状況は、私から救いを奪い取ってしまうパワーなどもっていない」。
 
 
 



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