●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pII.What Is the World.1:1 ~ 5:5

What Is the World?

Introduction to Lessons 241 - 250




1. The world is false perception. It is born of error, and it has not left its source. 
  • false [fɔ́ːls] : 「誤った、虚偽の、偽の」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見」
  • be born of : 「〜から生まれる、〜のもとに生まれる」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • left [léft] : 「leaveの過去・過去分詞形」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜と別れる」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
❖ "The world is ~ "「この世界は誤って知覚されている」。実在しないものを知覚が誤って実在しているかのように錯覚しているに過ぎない。"It is born ~ "「それは誤りから生まれ、誤りの源からいまだに離れていない」。神から分離することが出来たという誤った思いが実相的なヴィジョンを捨てて肉体的な知覚を生み出し、その知覚がこの世界が実在しているかのように錯覚する。誤った知覚を生み出した源は神からの分離であり、分離という錯覚から離れることが出来ない。



It will remain no longer than the thought that gave it birth is cherished. 
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る、生き残る」
  • no longer than : 「〜しか〜でない」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考」
  • give birth : 「生む、産む」
  • cherish [tʃériʃ] : 「〜を大切にする、可愛がる」
❖ "It will remain ~ "「この世界を生み出した思いが大切にされているうちしか、この世界は生き残ることが出来ない」。神から分離できるという誤った思いが捨てられれば、この世界は消滅する。肉体的な知覚が必要でなくなるからだ。



When the thought of separation has been changed to one of true forgiveness, will the world be seen in quite another light; and one which leads to truth, where all the world must disappear and all its errors vanish. 
  • separation [sèpəréiʃən] : 「分離、区別、離脱」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、寛容」
  • lead to : 「つながる、結局〜となる」
  • disappear [dìsəpíər] : 「存在しなくなる、消滅する」
  • vanish [vǽniʃ] : 「消える、消えてなくなる」
❖ "When the thought ~ "「分離という思いが本当の赦しの一つに変えられたとき、世界はまったく別の光の中で見られることになる」。神から分離したという思いは本当は誤りだったのだと気付き、夢に過ぎないと赦してしまえば、幻想世界は消滅し、新しい光の下(もと)に実相世界が見えて来る。"and one which ~ "「その光は真実へと導く光であり、」"where all the ~ "「その光の下(もと)では、この世界のすべてが消滅し、その誤りのすべても消えてしまう」。誤った知覚が消滅し、知覚がでっち上げた幻想世界が消滅すれば、真実の光の下(もと)で実相のヴィジョンが見えて来る。



Now its source has gone, and its effects are gone as well.
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「goの過去分詞形」
  • effect [ifékt] : 「結果、影響」
  • as well : 「同じに、同様にうまく、その上」
❖ "Now its source ~ "「今や誤りの源は消滅し、その結果も同様に消えてなくなる」。神から分離したという誤った思いは消滅し、その誤った思いがでっち上げた知覚によって錯覚された幻想のすべても消滅する。



2. The world was made as an attack on God. It symbolizes fear. And what is fear except love's absence? 
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • symbolize [símbəlàiz] : 「〜を象徴する」
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • absence [ǽbsəns] : 「不足、欠乏、欠如
❖ "The world was ~ "「この世界は神への攻撃として作られた」。神の子は、父なる神から分離独立し、神の子が新たな神として君臨できる独自世界をでっち上げた。"It symbolizes ~ "「この世界は恐れを象徴している」。神からの分離独立は神への裏切りであり、神はやがて神の子を罰するだろうという恐れを抱く。これが恐れの原型である。"And what is ~ "「そして、愛の欠如なくして一体何が恐れだろうか」。恐れと愛の欠如は同じ事だ。もし神の子が神の愛を信じることが出来るなら、神が神の子を罰するわけがないと知り得るはずだ。神の愛を信じることが出来ないことが恐れを生み出す。



Thus the world was meant to be a place where God could enter not, and where His Son could be apart from Him. 
  • meant [mént] : 「meanの過去・過去分詞形」
  • be meant to do : 「〜するように意図されている」
  • enter [énter] : 「〜に入る、〜に立ち入る」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "Thus the world ~ "「こうして、この世界は神が立ち入ることの出来ない場所として、そして神の子が神から離れていることが出来る場所として意図された」。神の住む実相世界から隔絶した幻想世界を、神の子は眠りの中でひたすら夢に見る。



Here was perception born, for knowledge could not cause such insane thoughts. 
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見」
  • cause [kɔ́ːz] : 「〜を引き起こす、〜の原因になる」
  • insane [inséin] : 「ばかげた、愚かな、正気でない」
❖ "Here was ~ "「ここに知覚が生まれる」。"for knowledge ~ "「なぜなら、叡智はそんな狂気じみた思いを作り出すことが出来ないからだ」。実在する実相を直接知ることが出来る叡智に対して、実在しない夢の光景をあたかも実在するかのように錯覚させるのが肉体的な知覚。叡智は実相的なヴィジョンを展開し、知覚は狂気じみた幻想を展開する。



But eyes deceive, and ears hear falsely. Now mistakes become quite possible, for certainty has gone.
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます」
  • falsely [fɔ́ːlsli] : 「偽って、不誠実に」
  • mistake [mistéik] : 「ミス、誤り、過ち」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実、確実性」
  • gone [ɡɔ́ːn] : 「goの過去分詞形」
❖ "But eyes ~ "「しかし目は欺き、耳は誤って聞く」。目はありもしないものを見えたと言い、耳はありもしないものが聞こえたと言う。"Now mistakes ~ "「今や誤りは極めて可能となる」。幻想世界は何でもありの世界となる。"for certainty ~ "「なぜなら、確実性が失われたからだ」。真実のみが確実に存在するという実相世界の基盤が失われたからだ。



3. The mechanisms of illusion have been born instead. And now they go to find what has been given them to seek. 
  • mechanism [mékənìzm] : 「構造、仕組み」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ」
  • go to find : 「〜を探しに行く」
  • seek [síːk] : 「探し求める、捜し出す」
❖ "The mechanisms ~ "「代わりに、幻想するという仕組みが生まれた」。"And now ~ "意訳する、「そして、目や耳は、見つけ出すようにと与えられたものだけを探そうとする」。知覚は、知覚したいと思うものを幻想の仕組みによって生み出し、それがあたかも現実に存在するかのように私達に錯覚させる。



Their aim is to fulfill the purpose which the world was made to witness and make real. 
  • aim [éim] : 「目標、目的」
  • fulfill [fulfíl] : 「〜を実行する、〜を果たす」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • witness [wítnəs] : 「証言する、証明する」
❖ "Their aim is ~ "意訳する、「本当に存在するのだと証明するために世界が作られるという目的を達成することが、知覚の目指すところだ」。知覚されれば、それは現実に存在するのだと誰も疑わない。そうなるように世界は作られた。そうすることが知覚の目的だ。夜見る夢の中の物が本当に存在していると、夢の中の誰も疑わない。



They see in its illusions but a solid base where truth exists, upheld apart from lies. 
  • solid [sɑ́ləd] : 「確固とした、揺るぎない」
  • base [béis] : 「基盤、土台」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生きている」
  • upheld [ʌ̀phéld] : 「upholdの過去・過去分詞形」
  • uphold [ʌ̀phóuld] : 「支持する、支える、維持する」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • lie [lái] : 「嘘、虚言」
❖ "They see in ~ "「偽りから離れて確保された真実が存在するという確固たる基盤だけを、知覚は世界の幻想の中に見る」。これが、本来の知覚の機能であるはずだ。いわゆる、実相的なヴィジョンである。ところが、神の子は幻想の中にヴィジョンを模した肉体的な知覚を作り出し、心が見たいと思う物だけを知覚できるというメカニズムをでっち上げた。知覚したものは偽りから遠く離れた真実であり、実在しているという確固たる論理基盤の上に知覚は安住しているというわけだ。



Yet everything that they report is but illusion which is kept apart from truth.
  • report [ripɔ́ːrt] : 「報告する、伝える」
  • kept [képt] : 「keepの過去・過去分詞形」
  • keep [kíːp] : 「保つ、〜の状態にしておく」
❖ "Yet everything ~ "「しかし、知覚が報告するものはすべて、真実から遠く離れた幻想にすぎない」。ありもしないものを勝手に知覚して、知覚したのだからそれは存在すると主張する。こうして、圧倒的にリアルなこの世界が構築された。



4. As sight was made to lead away from truth, it can be redirected. 
  • as : 「〜だけれども」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界」
  • lead away : 「連れ去る」
  • redirect [rìːdərékt] : 「(方向を) 変える、向け直す」
❖ "As sight was ~ "「視覚は真実から(私達を)遠ざけるために作られたのだが、それは方向を変えることが出来る」。肉体的な視覚は、実相的なヴィジョンの幻想版である。視覚が語る嘘に気付けば、それをヴィジョンの方向へと軌道修正することは可能だ。



Sounds become the call for God, and all perception can be given a new purpose by the One Whom God appointed Savior to the world. 
  • call for : 「〜への呼びかけ」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • appoint [əpɔ́int] : 「〜を任命する、指名する」
  • savior [séiviər] : 「救い手、救済者、救い主」
❖ "Sounds become ~ "「音は神への呼びかけとなり」、口から発する言葉は肉体レベルを越えて、神へ通ずる呼びかけへと変化し得るし、"and all perception ~ "「神がこの世界の救い主を指名した単一の者によって、あらゆる知覚は新たな目的が与えられ得る」。唯一者(the One)とは単一存在である神の子のことであり、世界を幻想から救う役割を与えられたとき、神の子はキリストとなる。そのとき、幻想を生み出していた知覚は新たな目的を与えられ、真実を直覚するヴィジョンへと生まれ変わる。



Follow His light, and see the world as He beholds it. Hear His Voice alone in all that speaks to you. 
  • follow [fάlou] : 「〜の後について行く、〜に従う」
  • light [láit] : 「光、明かり」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • alone [əlóun] : 「独りで、単独で」
  • speak to : 「〜に話し掛ける」
❖ "Follow His light ~ "「キリストの光に従い、キリストが見るようにこの世界を見なさい」。目覚めた神の子であるキリストが放つ叡智の光に従って、その光で照らし出された本当の世界の姿を見なさい。"Hear His Voice ~ "「あなたに語りかけるあらゆる声の中から、キリストの声だけを聞き取りなさい」。エゴの誘惑の声に負けることなく、ホーリー・スピリットの声でもあるキリストの話しに耳を傾けなさい。ホーリー・スピリットは神の意志を代弁してくれる。



And let Him give you peace and certainty, which you have thrown away, but Heaven has preserved for you in Him.
  • certainty [sə́ːrtnti] : 「確実性、間違いないこと」
  • thrown [θróun] : 「throwの過去分詞」
  • throw [θróu] : 「投げる、発射する」
  • throw away : 「〜を投げ捨てる」
  • preserve [prizə́ːrv] : 「〜を保つ、保存する、保護する」
❖ "And let Him ~ "「そして、キリストがあなたに平和と確信を与えてくれるように頼みなさい」。"which you have ~ "「その平和と確信はあなたが投げ捨ててしまったものだが、天の王国はあなたのために、ホーリー・スピリット(キリスト)の中にそれを保存しておいてくれた」。神の子が神から分離するとき、神の子は天の王国の実相的平和も神の子としての確信も捨ててしまった。しかし、神はそのいずれもホーリー・スピリットの中に保存し、時が満ちるとき、ホーリー・スピリット(キリスト)は神の子にそれを気付かせる。



5. Let us not rest content until the world has joined our changed perception. 
  • rest [rést] : 「ある、休む、静止する」
  • content [kəntént] : 「満足な状態で」
  • rest content : 「満足している」
  • until [əntíl] : 「〜する時まで」
  • join [dʒɔ́in] : 「交わる、一緒になる、結合する」
❖ "Let us not ~ "「この世界が、変えられた私達の目的と一緒になるまで、満足な状態に甘んずることがないようにしよう」。分裂して世界に広がった神の子達が、互いに共鳴し合って幻想から自らも世界も救うという目的に目覚めるまで、幻想世界の世俗的な安寧に満足してはいけない。



Let us not be satisfied until forgiveness has been made complete. And let us not attempt to change our function. 
  • satisfy [sǽtisfài] : 「〜を満足させる、満たす」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許し、容赦、寛容」
  • complete [kəmplíːt] : 「完全な、全部の」
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、役割」
❖ "Let us not ~ "「赦しが完全なものにされるまで、満足しないようにしよう」。"And let us ~ "「そして、私達の役割を変えようと企てないようにしよう」。幻想のすべてを幻想と見抜き、夢に過ぎないとして赦してしまう。苦と痛みの世界もまた幻想と見抜いて赦し、本当の実相世界へ目覚める。この一連の役割を忘れないようにしよう。



We must save the world. For we who made it must behold it through the eyes of Christ, that what was made to die can be restored to everlasting life.
  • save [séiv] : 「救う、助ける」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
  • through [θrúː] : 「〜を通じて、〜の手を通して」
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「回復させる、修復する、復活させる」
  • everlasting [èvərlǽstiŋ] : 「永遠の、不朽の」
  • life [láif] : 「命、生命」
❖ "We must save ~ "「私達はこの世界を救わなくてはならない」。"For we who ~ "「なぜなら、この世界をでっち上げた私達は、キリストの目を通して世界を見つめるに違いないからだ」。神の子が自らでっち上げた夢から目覚め、キリストのヴィジョンをもった以上は、救いという役割を成就する必要がある。"that what was ~ "「そうすれば、死ぬように作られたものが永遠の命へと復活できる」。幻想世界の肉体は死をもって終わる運命にあるが、時間の存在しない実相世界の命は永遠だ。夢の中の肉体を赦し、その存在を消滅させた後は、実相の命が復活する。






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