●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pII.7. What is the Holy Spirit?

 

7. What is the Holy Spirit?



1. The Holy Spirit mediates between illusions and the truth. 

  • mediate [míːdièit] : 「仲立ちする」
  • between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に」
  • mediate between : 「〜の間に立って調停する」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真理、本当のこと」

❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは、幻想と真実の間に立って調停する」。ホーリー・スピリットは幻想世界の神の子と実相世界の神の間を取り持つ媒介者である。


Since He must bridge the gap between reality and dreams, perception leads to knowledge through the grace that God has given Him, to be His gift to everyone who turns to Him for truth. 

  • bridge [brídʒ] : 「 〜に橋をかける」
  • gap [ɡǽp] : 「すき間、隔たり」
  • reality [riǽləti] : 「現実、実在」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、感じ方」
  • lead [líːd] to : 「つながる、結果として〜に導く、結局〜となる」
  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵、知見」
  • grace [gréis] : 「恩寵、神の愛、恩恵」
  • turn to : 「〜に頼る、〜の方を向く」

❖ "Since He must ~ "「ホーリー・スピリットは現実と夢との間のギャップに橋を架けるので、」幻想世界と実相世界の間の深いに溝に橋を架けて、幻想から実相へと向かう目覚めを促しているので、"perception leads ~ "「知覚は、神がホーリー・スピリットに与えた恩寵を通して、叡智へとつながる」。神は神の子への恩寵をホーリー・スピリットに託し、ホーリー・スピリットはその神の愛を神の子へ伝える。こうして、幻想世界を実在だと錯覚する肉体的な知覚を修正し、実相の真実の総体である叡智を取り戻すようにと神の子を導いていく。"to be His ~ "「それは、真実を求めてホーリー・スピリットの方に振り向くすべての人の、ホーリー・スピリットからの贈り物である」。


Across the bridge that He provides are dreams all carried to the truth, to be dispelled before the light of knowledge. 

  • across [əkrɔ́s] : 「〜を横切って」
  • provide [prəváid] : 「与える、提供する」
  • carry [kǽri] : 「〜を持ち運ぶ」
  • dispel [dispél] : 「〜を払いのける、払拭する」

❖ "Across the bridge ~ "「ホーリー・スピリットが提供する橋を渡ることで、夢のすべては真実へと運ばれる」。幻想はホーリー・スピリットの提供する橋を渡って実相へと運ばれる。"to be dispelled ~ "「こうして、夢は叡智の光の前で払拭されてしまう」。幻想は叡智の放つ真実の光によって消滅する。


There are sights and sounds forever laid aside. And where they were perceived before, forgiveness has made possible perception's tranquil end.

  • sight [sáit] : 「視覚、視野、視界」
  • laid [léid] : 「layの過去・過去分詞形」
  • lay aside : 「捨てる、放棄する」
  • aside [əsáid] : 「わきへ、離れて」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る」
  • make ~ possible : 「〜を可能にする」
  • tranquil [trǽŋkwil] : 「平静な、平穏な、穏やかな」

❖ "There are sights ~ "「景色や音は、永遠に捨て去られる」。幻想世界に存在し、肉体的な知覚によって感覚されていた景色や音は、夢の中の景色や音に過ぎないので、永遠に放棄される。"And where ~ "「そして、以前景色や音が知覚されていた場所で、赦しが知覚の穏やかな終焉を可能とする」。実在する現実だと信じてきたこの世界は知覚がでっち上げた幻想に過ぎないと悟り、その馬鹿げた夢を認識し受け流してしまう。赦された幻想は静かに消滅していく。


2. The goal the Holy Spirit's teaching sets is just this end of dreams. 

  • goal [ɡóul] : 「目標、目的」
  • teaching [tíːtʃiŋ] : 「教え、教義」
  • set [sét] : 「配置する、設定する」

❖ "The goal ~ "「ホーリー・スピリットが設定した目標は、この夢を終わらせることにつきる」。神の子を悪夢から目覚めさせること、それがホーリー・スピリットの役割。


For sights and sounds must be translated from the witnesses of fear to those of love. 

  • translate [trænsléit] : 「言い換える、解釈する」
  • witness [wítnəs] : 「証拠、証言、証人」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」

❖ "For sights and ~ "「なぜなら、景色も音も、恐れを証明するものから愛を証明するものへと解釈し直さなければならないからだ」。肉体的な知覚は恐ろしい現象が実在するかのように錯覚させる。その悪夢から抜け出して、実相的なヴィジョンが描き出す愛と安らぎの実相世界を目の当たりにする必要がある。


And when this is entirely accomplished, learning has achieved the only goal it has in truth. 

  • entirely [entáiərli] : 「全く、完全に」
  • accomplish [əkɑ́mpliʃ] : 「成し遂げる、成就する」
  • learning [lə́ːrniŋ] : 「習うこと、学ぶこと」
  • achieve [ətʃíːv] : 「獲得する、達成する」
  • in truth : 「実のところ、実際には」

❖ "And when ~ "「そしてこれが完全に達成されたとき、学びはそれが実際にもっている唯一の目標を達成したと言える」。実相的な学びは幻想から目覚める方法を学ぶことであって、夢から目覚めてしまえば学びは必要なくなる。学びの実相的役割が終わるからだ。


For learning, as the Holy Spirit guides it to the outcome He perceives for it, becomes the means to go beyond itself, to be replaced by the eternal truth.

  • guide [ɡáid] : 「〜を導く、案内する」
  • outcome [áutkʌ̀m] : 「結果、結末、成果」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜を見抜く」
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて」
  • replace [ripléis] : 「〜を交換する、置き換える」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の」

❖ "For learning ~ "「なぜなら、ホーリー・スピリットが知る学びの結果へとその学びを導くにしたがい、学びはそれ自体を越えていく方法となるからだ」。ホーリー・スピリットが目指す学びの結果とは、神の子の悪夢からの目覚めだ。ホーリー・スピリットは神の子が恐れの証言を愛の証言に置き換える方法を学ばせる。恐れが幻想だと学ばせるだけにとどまらず、学びはそれ自体を越えて、幻想の先に実相の愛が存在することを知らしめる。つまり、学びは最終的に赦しへとつながり、幻想を赦して幻想を消滅させる。同時に学びはその役割を終える。


3. If you but knew how much your Father yearns to have you recognize your sinlessness, you would not let His Voice appeal in vain, nor turn away from His replacement for the fearful images and dreams you made. 

  • yearn [jə́ːrn] : 「切望する、熱望する」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、受け入れる」
  • sinlessness [sínlisnis] : 「罪のないこと、無辜」
  • appeal [əpíːl] : 「訴える、要請する」
  • in vain [véin] : 「無駄に」
  • appeal in vain : 「無駄な訴えをする」
  • turn away from : 「〜から目を背ける」
  • replacement [ripléismənt] : 「取り換え、差し替え」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい」

❖ "If you but ~ "「父なる神が、あなたは無辜(むこ)なのだとあなたに知らしめたいとどんなに切望しているかを、もしあなたが知ってさえいれば、」"you would not ~ "「あなたは、神の声が訴えることを無駄にすることはないだろうし、」"nor turn away ~ "「恐ろしいイメージやあなたがでっち上げた夢の代わりに神が置き換えてくれるものに背を向けることもないだろう」。この世界で、神の子は神を裏切ってしまったという罪の意識を抱き、神の復讐を恐れている。しかし、それはすべて夢だ。神は、神の子が悪夢に苦しんでいることを知っているし、神の子が完全に無辜であることも知っている。


The Holy Spirit understands the means you made, by which you would attain what is forever unattainable. 

  • attain [attain] : 「到達する、獲得する」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
  • unattainable [ʌ̀nətéinəbl] : 「達成不可能な」

❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットはあなたがでっち上げた手段を理解している」。"by which you ~ "「その手段を使って、あなたは永遠に手に入れることの出来ないものを手に入れようとしているのだ」。神の子はこの幻想世界にあって、金や地位や権力や名声によって自らの存在感を得ようとし、不確かな幸福や命を願っているが、そんなはかない手段をでっち上げなければならない神の子の心情をホーリー・スピリットは理解している。だからこそ、ホーリー・スピリットは神の子を本当の幸福や永遠の命に導こうとしている。


And if you offer them to Him, He will employ the means you made for exile to restore your mind to where it truly is at home.

  • offer [ɔ́fər] : 「差し出す、捧げる」
  • employ [implɔ́i] : 「採用する、使用する」
  • exile [éɡzail] : 「亡命、国外追放」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「元の場所に返す、回復させる」

❖ "And if you ~ "「そして、もしあなたがでっち上げた手段をホーリー・スピリットに差し出すなら、あなたの心が本当に安らぐことの出来る所へと心を返すために、あなたが自らを王国から追放するためにでっち上げた手段をホーリー・スピリットは使うだろう」。神の子は神から自分を分離しようとして、神の王国から自らを追放し、自分の世界であるこの幻想世界をでっち上げた。夢の中で様々な手段を使って罪の意識や恐れをごまかそうとする神の子のいわば想像力を使って、逆にその夢から目覚めさせようというのが、ホーリー・スピリットの作戦である。夢から目覚めるために、夢の中で夢を赦すという手段を使うのだ。赦しは幻想世界のものであって、実相世界には存在しない。必要ないからだ。


4. From knowledge, where He has been placed by God, the Holy Spirit calls to you, to let forgiveness rest upon your dreams, and be restored to sanity and peace of mind. 

  • knowledge [nάlidʒ] : 「知識、知恵」
  • place [pléis] : 「〜を置く、設置する」
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し」
  • restore [ristɔ́ːr] : 「〜を元の状態に戻す、回復させる」
  • rest [rést] : 「〜を休ませる、〜を置く」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」

❖ "From knowledge ~ "「神によってホーリー・スピリットが置かれた場所である叡智から、ホーリー・スピリットはあなたに呼びかける」。実相的な真実の総体である叡智のすべてを神から継承したホーリー・スピリットは、神の子を幻想から救う使命を神から託されてこの世界へ遣わされた。そのホーリー・スピリットが神の子へ呼びかける。"to let forgiveness ~ "「赦しをあなたの夢の上に置き、正気と心の平和へと戻るようにと呼びかける」。夢を夢と認めて受け流し、夢を赦してしまう。夢は赦されて消滅する。そうすれば、苦と痛み、罪と恐れにおののく心は修正されて、夢に惑わされることのない正気な心は実相的な平和を得ることが出来る。


Without forgiveness will your dreams remain to terrify you. 

  • remain [riméin] : 「とどまる、残る、生き残る」
  • terrify [térəfài] : 「脅かす、怖がらせる」

❖ "Without forgiveness ~ "「赦しがないなら、あなたの夢はあなたを脅し続ける」。悪夢は赦しなしに消滅することはない。


And the memory of all your Father's Love will not return to signify the end of dreams has come.

  • memory [méməri] : 「記憶、思い出」
  • return [ritə́ːrn] : 「戻る、帰る」
  • signify [sígnəfài] : 「〜を示す、知らせる」

❖ "And the memory ~ "「そして、父なる神の愛の記憶のすべては、夢の終わりがついにやって来たのだと知らしめるために戻って来ることもない」。赦しによって悪夢が消滅しない限り、神は一歩たりとも神の子から離れることなく愛し続けていたのだと知ることはない。


5. Accept your Father's gift. It is a Call from Love to Love, that It be but Itself. 

  • accept [æksépt] : 「認める、受け入れる」

❖ "Accept your ~ "「あなたの父なる神からの贈り物を受け入れなさい」。"It is a Call ~ "「それは、そのもの自体になるようにという、愛から愛への呼びかけである」。夢から目覚め、本来の神の子に帰るようにという呼びかけ。目覚めれば、神は変わらず神の子を愛し続けていたのだと知り、神の子もまた神を愛し続けていたのだと認識する。


The Holy Spirit is His gift, by which the quietness of Heaven is restored to God's beloved Son. 

  • quietness [kwáiətnis] : 「静寂、静けさ」
  • beloved [bilʌ́vd] : 「最愛の、いとしい」

❖ "The Holy Spirit ~ "「ホーリー・スピリットは神の贈り物であり、」ホーリー・スピリットは神が神の子の下(もと)へ遣わした使者であり、"by which ~ "「ホーリー・スピリットによって、天の王国の静寂が神の愛する神の子に復活する」。苦と痛みの幻想世界が消滅すると、愛と静寂が復活する。平和と喜びの実相世界である。


Would you refuse to take the function of completing God, when all He wills is that you be complete?

  • refuse [rifjúːz] : 「拒む、拒絶する」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、働き、役割」
  • complete [kəmplíːt] : 「仕上げる、完成する」
  • will [wíl] : 「意志、願望」
  • complete [kəmplíːt] : 「全部そろった、完全な」

❖ "Would you ~ "「あなたが完全であることだけを神が意志しているというのに、神を完結させるという役割を担うことを、あなたは拒否したいと思うだろうか」。悪夢から目覚めて本来の完全な神の子に戻ることを神が望んでいるというのに、それを拒否する理由がどこにあろうか。眠りから復活した神の子、神と神の子の仲を取り持ったホーリー・スピリット、そして神自身、その三者の愛が融合し再び三位が一体となる。神の完成である。世界は「God is」の二文字に収斂する。





Archive

Notification

My photo


❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
❖ AmazonからKindle版の精読シリーズを出版開始しました。『どこでもAcim』をご希望の方は是非どうぞ。
❖ Google PlayとiBookstoreからepub版の精読シリーズを出版開始しました。Kindle版で窮屈さをお感じでしたら、こちらをどうぞ。
❖ Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。Urtextは非常に面白いです。臨場感は半端でありません。

oohata_mnb@yahoo.co.jp
oohata.m@coda.ocn.ne.jp

アクセスカウンター
Powered by Blogger.