●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
●  Workbook精読http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp です。
●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.200.1:1 ~ W-pI.200.11:9

Lesson 200



There is no peace except the peace of God
  • except [iksépt] : 「〜を除いて、〜以外に」
❖ "There is no ~ "「神の平和を除いて、平和はない」。この世の平和は、夢の中で変化流動する見せかけの平和だ。実相的な神の平和は変化流動することはない。



1. Seek you no further. You will not find peace except the peace of God. 
  • seek [síːk] : 「探し求める、捜し出す」
  • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらになお」
❖ "Seek you ~ "「これ以上、探し求めてはいけない」。今までのように、この世に本物の平和を求めても意味はない。なぜなら、実相的な平和はこの世に存在しないからだ。"You will not ~ "「あなたは、神の平和を除いて、平和を見出すことは出来ない」。



Accept this fact, and save yourself the agony of yet more bitter disappointments, bleak despair, and sense of icy hopelessness and doubt. 
  • accept [æksépt]: 「受け入れる、承認する」
  • fact [fǽkt] : 「事実、真相、現実」
  • agony [ǽɡəni] : 「激しい苦痛、苦悶」
  • bitter [bítər] : 「苦々しい、悲痛な」
  • disappointment [dìsəpɔ́intmənt] : 「失望、落胆、失意」
  • bleak [blíːk] : 「荒涼とした、希望のない」
  • despair [dispέər] : 「絶望、失望」
  • sense [séns] : 「感覚、感触、感じ」
  • icy [áisi] : 「凍えるような、冷淡な」
  • hopelessness [hóuplisnis] : 「絶望」
  • doubt [dáut] : 「疑い、疑念、疑惑」
❖ "Accept this ~ "「この事実を認め、落胆よりもなおいっそう辛い苦悶や寒々とした失望、そして氷のように冷たい絶望や疑いの感覚からあなた自身を救いなさい」。この世の平和の裏返しが苦悶や絶望や疑惑であって、変化流動するこの世の平和の行き先は混沌とする悪夢だ。



Seek you no further. There is nothing else for you to find except the peace of God, unless you seek for misery and pain.
  • else [éls] : 「そのほかの」
  • unless [ənlés] : 「〜でない限り、〜である場合を除いて」
  • misery [mízəri] : 「悲惨、不幸、苦痛、惨めさ」
  • pain [péin] : 「痛み、苦痛」
❖ "Seek you ~ "「これ以上、探し求めてはいけない」。"There is nothing ~ "「あなたが悲惨さや痛みを探して求めていない限り、神の平和を除いて、あなたは何も見つけることは出来ない」。あなたが探し求めるべきものは、悲惨さや痛みという幻想から目覚めた先にある実相的な神の平和である。



2. This is the final point to which each one must come at last, to lay aside all hope of finding happiness where there is none; of being saved by what can only hurt; of making peace of chaos, joy of pain, and Heaven out of hell. 
  • final [fáinl] : 「最後の、最終の、決定的な」
  • point [pɔ́int] : 「要点、核心、真意」
  • at last : 「最後に、ついに、とうとう」
  • lay aside : 「やめる、捨てる、放棄する」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける」
  • chaos [kéiɑs] : 「混沌、大混乱、カオス」
  • joy [dʒɔ́i] : 「喜び、歓喜」
  • hell [hél] : 「地獄、生き地獄、修羅場」
❖ "This is the ~ "「次に述べることが、各自が最終的にたどり着かねばならない最終地点だ」。"to lay aside ~ "「ありもしない所に幸せを見つけ出そうとする希望のすべてを捨てること」。神の平和はこの幻想世界に存在しないので、この世で実相的な平和を探すことを放棄する。"of being saved ~ "「傷つけることしか出来ないものによって救われようする希望のすべてを捨てること」。エゴの思考システムは、奪われる前に奪い、殺される前に殺せ、と指示する。この世は弱肉強食の生存競争で成り立っている。そんな傷つけ合いによる救いの可能性はない。"of making peace ~ "「混沌によって平和を作り出そうとしたり、痛みから喜びを得ようとしたり、地獄から天の王国を作り出そうとしたりする希望のすべてを捨てること」。どうあがいても、幻想から実相を生み出すことは出来ない。そんな夢は捨てること。



Attempt no more to win through losing, nor to die to live. You cannot but be asking for defeat.
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • no more : 「それ以上〜ない」
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、喪失する、なくす」
  • ask for : 「〜を求める、〜を要求する」
  • defeat [difíːt] : 「敗北、負け」
❖ "Attempt no ~ "「もはや、失うことで勝とうと試みたり、生きるために死のうと試みてはいけない」。失うことや死ぬことは幻想であって、その幻想を利用して実相的な幸せや命を得ようとすることを放棄する。"You cannot ~ "「敗北だけを求めていることになってしまう」。幻想によって実相を手に入れようとすることは、始めから失敗すると決まっている。なぜなら、存在しない場所に何かを求めても、それを手に入れることは出来ないからだ。海に釣り糸を垂れても、空飛ぶ鳥は釣れない。



3. Yet you can ask as easily for love, for happiness, and for eternal life in peace that has no ending. 
  • easily [íːzili] : 「気楽に、簡単に、楽に」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の」
❖ "Yet you can ~ "「しかしあなたは、いとも簡単に、愛や幸せや、終わりのない平和の中にある永遠の命を求めることが出来る」。本当の愛や幸せや命が実在している場所にそれを求めればいい。



Ask for this, and you can only win. To ask for what you have already must succeed. 
  • win [wín] : 「成功する、勝つ」
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、とっくに〜済み」
  • succeed [səksíːd] : 「成功する」
❖ "Ask for this ~ "「これを求めさえすれば、必ず手に入る」。"To ask for ~ "「あなたがすでに持っているものを求めることは、必ず成功する」。本当の愛や幸せや命は、あなた(神の子)が神によって創造された時にすでに与えられている。神の属性のすべてをあなたは継承したからだ。あなたは、その神からの贈り物を忘れているだけなのだ。



To ask that what is false be true can only fail. Forgive yourself for vain imaginings, and seek no longer what you cannot find. 
  • false [fɔ́ːls] : 「誤った、虚偽の、偽の」
  • fail [féil] : 「失敗する、しくじる」
  • forgive [fərɡív] : 「許す、容赦する」
  • vain [véin] : 「無価値な、空虚な」
  • imaginings [imǽdʒəniŋz] : 「想像上の物」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "To ask that ~ "「誤ったことを真実にしたいと求めることは失敗するしかない」。実在しない幻想(誤り)を実在する実相(真実)に変えることは不可能だ。"Forgive yourself ~ "「むなしい幻想物を求めた自分を赦し、見つけ出すことの出来ないものを、もう求めないようにしなさい」。存在しない幻想の数々を追い求めた愚かな自分をしっかり認識し、夢の中の愚行であったと悟ること。過去を赦して洗い流し、今後は本当の愛や幸せや命を求めればいい。



For what could be more foolish than to seek and seek and seek again for hell, when you have but to look with open eyes to find that Heaven lies before you, through a door that opens easily to welcome you?
  • foolish [fúːliʃ] : 「愚かな、分別のない」
❖ "For what could ~ "「なぜなら、〜でなくてはならない時に、地獄を繰り返し繰り返し探すこと以上に愚かなことはあり得るだろうか」。"when you have ~ "「あなたを歓迎するために容易に開くドアを通して、あなたの目の前にある天の王国を見出すために見開いた目をもってそれを見なくてはならない時に、」地獄を繰り返し探し出そうとすることは愚か極まりない。



4. Come home. You have not found your happiness in foreign places and in alien forms that have no meaning to you, though you sought to make them meaningful. 
  • foreign [fɔ́ːrən] : 「外国の、異質な」
  • alien [éiljən] : 「異質な、縁もゆかりもない」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、現れ、姿」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図」
  • sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
  • meaningful [míːniŋfəl] : 「意味のある、重要な」
❖ "Come home"「家に帰って来なさい」。"You have not ~ "「あなたにとって何の意味もなく縁もゆかりもない形の中や異質な場所に、あなたは幸せを見つけることは出来なかった」。"though you ~ "「あなたは、それらを意味のあるものにしようとしたのだが、」あなたは幸せを見つけることは出来なかった。ここの"foreign places"は"Come home"に対比させて、自国に対して他国を並べたのだろう。また、"alien forms"は、実相的な心にふさわしくない形象を伴った幻想のことで、たとえば物質や金、名誉、地位、等々のこと。つまり、幻想世界で本当の幸せを見つけることは不可能であって、実相世界へ帰って来なさい、ということ。



This world is not where you belong. You are a stranger here. 
  • belong [bilɔ́ːŋ] : 「属する、所属する」
  • stranger [stréindʒər] : 「よそ者、他人」
❖ "This world is ~ "「この世界は、あなたが居るべき所ではない」。"You are a ~ "「ここでは、あなたはよそ者だ」。



But it is given you to find the means whereby the world no longer seems to be a prison house or jail for anyone.
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • whereby [hwɛərbái] : 「それによって〜するところの」
  • no longer : 「もはや〜でない」
  • prison [prízn] : 「監獄、監禁」
  • prison house : 「獄舎」
  • jail [dʒéil] : 「刑務所、投獄」
❖ "But it is ~ "「しかしこの世界は、それがもはや誰にとっても獄舎でも刑務所でもないと思わせるための手段を見出すために、あなたに与えられた」。この世界は幻想に過ぎず、存在はしていないが、誰もがそれに気付くための学びの補助装置しての役目がある。この世の幻想性に気付き、それを赦すことで、この獄舎同然の幻想世界を消滅させるためだ。



5. Freedom is given you where you beheld but chains and iron doors. 
  • freedom [fríːdəm] : 「自由、解放、自主、独立」
  • beheld [bihéld] : 「beholdの過去・過去分詞形」
  • behold [bihóuld] : 「見守る、注視する」
❖ "Freedom is ~ "「あなたが鎖や鉄のドアばかりを見てきた場所に、あなたの解放は与えられる」。あなたが解放される場所はこの幻想世界においてであって、幻想を赦すことで実現する。自由と解放は、願えば空から降って来るというようなものではない。



But you must change your mind about the purpose of the world, if you would find escape. 
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出、逃避」
❖ "But you must ~ "「しかし、あなたが(獄舎からの)逃げ道を見出したいと思っているなら、この世界の目的に対するあなたの心を変えなくてはいけない」。この世は幻想であって存在してはいないが、この世界はその幻想性から解放されるための学びの場なのだとして、この世界の目的をとらえ直さなくてはいけない。



You will be bound till all the world is seen by you as blessed, and everyone made free of your mistakes and honored as he is. 
  • bound : 「bind の過去・過去分詞形」
  • bind [báind] : 「〜を束縛する、拘束する」
  • bless [blés] : 「〜を祝福する、清める、〜を賛美する」
  • mistake [mistéik] : 「誤り、過ち、思い違い」
  • honor [άnər] : 「〜に敬意を払う、尊敬する」
❖ "You will be ~ "「この世界のすべてが祝福されているものとして、あなたによって見届けられ、あらゆる人達があなたの誤りから自由になって、ありのままの彼らとして敬意を払われるまでは、あなたは束縛され続けることになる」。あなたの同胞達はあなたから分離して存在しているかのように見えるが、本当はたった一人の神の子が誤って心を分裂させ、多種多様の分離を夢に見ているだけだと認識すること。同胞もまた、あなたと同じただ一人の神の子だと認識すること。さらに、この世界が神の子の分離を支え続けてきた偽物のからくりなのだと認識し、赦して清めること。そうしない限り、あなたの本当の解放はあり得ない。



You made him not; no more yourself. And as you free the one, the other is accepted as he is.
  • no more : 「それ以上〜ない」
  • accept [æksépt]: 「受け入れる、承認する」
❖ "You made ~ "「あなたは同胞を創造したのではないし、ましてやあなた自身を創造したのでもない」。神は神の愛の延長上に単一の神の子を創造した。あなたも同胞も単一の神の子であって、分離して存在しているかのように見えるのは幻想だ。"And as you ~ "「そして、あなたが一方を自由にすれば、他方はありのままの自分として受け入れられる」。あなたと同胞は単一の存在(自他一如)なので、あなたが解放されることで同胞も解放され、同胞が解放されることであなたも解放される。その時、神の子というありのままの姿を受け入れることが出来る。



6. What does forgiveness do? In truth it has no function, and does nothing. For it is unknown in Heaven. 
  • forgiveness [fərɡívnis] : 「許すこと、許し、寛容」
  • in truth : 「実のところ、実際には」
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「機能、働き、役割」
  • unknown [ʌnnóun] : 「知られていない、未知の」
❖ "What does ~ "「赦しは何をするのだろうか」。"In truth it ~ "「実際には、赦しは何の機能も持っていないし、何もしない」。"For it is ~ "「なぜなら、天の王国では、赦しは知られていないからだ」。赦しはこの幻想世界の出来事であって、実相世界には赦しは存在しない。必要ないからだ。赦しは実相的な機能を持っているわけではなく、この世だけで展開する夢の一部である。



It is only hell where it is needed, and where it must serve a mighty function. 
  • hell [hél] : 「地獄、生き地獄」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜の役目を果たす」
  • mighty [máiti] : 「強力な、強大な」
❖ "It is only ~ "「赦しが必要とされるのはこの地獄だけであり、そこでは絶大な機能を果たす役目をもつ」。赦すことで幻想を消滅させるという絶大な機能を果たす。赦しはそういう役割を持っている。



Is not the escape of God's beloved Son from evil dreams that he imagines, yet believes are true, a worthy purpose? 
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出」
  • beloved [bilʌ́vd] : 「最愛の、いとしい」
  • evil [íːvəl] : 「悪魔のような、邪悪な、悪意ある」
  • imagine [imǽdʒin] : 「想像する、心に描く」
  • worthy [wə́ːrði] : 「尊敬すべき、価値ある」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
❖ "Is not the ~ "「神の愛する神の子が心に描き、本物だと信じ込んでいる邪悪な夢から神の子が脱出することは価値のある目的ではないだろうか」。そのために赦しがある。赦しが幻想世界での出来事だとしても、その機能には価値がある。



Who could hope for more, while there appears to be a choice to make between success and failure; love and fear?
  • hope for : 「〜を期待する、〜を望む」
  • appear [əpíərəns] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に」
  • success [səksés] : 「成功、上出来」
  • failure [féiljər] : 「失敗、不成功」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、心配」
❖ "Who could ~ "「成功と失敗のどちらか、愛と恐れのどちらかという選択しかないように思える時に、いったい誰がこれ以上の望みを抱けるだろうか」。苦と痛みと恐れの幻想世界に居残るか、愛と平和と安らぎの実相世界に目覚めるか、そのどちらかを選択しなくてはいけないときに、赦し以上の機能をもつ手段など望むことは出来ない。



7. There is no peace except the peace of God, because He has one Son who cannot make a world in opposition to God's Will and to his own, which is the same as His. 
  • except [iksépt] : 「ただし、除いて」
  • opposition [ὰpəzíʃən] : 「反対、対立」
  • in opposition to : 「〜に反対で」
❖ "There is no ~ "「神の平和を除いて、平和は存在しない」。実相的な平和以外の平和は偽物の平和だ。"because He ~ "「なぜなら、神には、神の意志と自分の意志、それは神の意志と同じものなのだが、それに反する世界を創造することが出来ないたった一人の神の子がいるからだ」。神が実相的な平和の内にあるなら、神の創造した神の子もまた実相的な平和の内にある。それ以外の幻想の平和をでっち上げようとする意志は神にはない。目覚めた神の子も同様だ。



What could he hope to find in such a world? It cannot have reality, because it never was created. 
  • reality [riǽləti] : 「現実、実在、現実のこと」
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
❖ "What could he ~ "「神の子はそんな世界の中に何を見出せると期待できるだろう」。本物の平和の存在しないこの世の中に、あなたはそれ以外の何を求めることが出来るだろう。"It cannot ~ "「この世界は実在性を持たない」。この世界は、本当は実在していない。単なる幻想に過ぎない。"because it ~ "「なぜなら、この世界は決して創造されなかったからだ」。この世界は神によって創造されたのではない。この世界は、神の子が深い眠りの中で見ている夢に過ぎない。



Is it here that he would seek for peace? Or must he see that, as he looks on it, the world can but deceive? 
  • seek [síːk] : 「探し求める、捜し出す」
  • seek for : 「〜を探し求める」
  • look on : 「〜を見る」
  • deceive [disíːv] : 「欺く、惑わす、だます」
❖ "Is it here ~ "「神の子が平和を探し出そうとするのはここだろうか」。この世界に平和を見出そうとするのは誤りだ。"Or must he ~ "「あるいは、神の子がこの世界に目を向けたとき、世界は騙すことしか出来ないのだと見破るに違いないのだろうか」。夢から目覚めた目で見れば、この幻想世界は実在しているかのようにあなたを騙して来たのだと認識できる。



Yet can he learn to look on it another way, and find the peace of God.
  • another way : 「別の方法」
❖ "Yet can he ~ "「しかし神の子は、この世界を別の見方で見ることを学び、神の平和を見出すことが出来る」。神の子は、この世界を覚醒のための学びの補助装置に過ぎないと見ることが出来るようになり、深い眠りから目覚めた時、実相的な神の平和を見出すことが出来る。



8. Peace is the bridge that everyone will cross, to leave this world behind. 
  • cross [krɔ́s] : 「〜を渡る、〜を横切る」
  • behind [biháind] : 「〜の後ろに、後方に」
❖ "Peace is the ~ "「この世界を後(あと)に残して離れるために、平和は誰もが渡る橋である」。平和は、幻想世界から実相世界へ移るために誰もが渡る必要がある橋。心は本当に平和な状態になる必要がある。真実に目覚めた心の状態だ。



But peace begins within the world perceived as different, and leading from this fresh perception to the gate of Heaven and the way beyond. 
  • begin [biɡín] : 「始まる、開始する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • perceive [pərsíːv] : 「知覚する、〜に気付く」
  • differently [dífərəntli] : 「異なって、違って」
  • lead [líːd] : 「案内する、先導する、率いる」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、知見、見識」
  • gate [ɡéit] : 「入り口、門扉」
  • beyond [bijάnd] : 「向こうに、かなたに」
❖ "But peace begins ~ "「しかし平和は、世界を違ったように知覚する中で始まり、」つまり、圧倒的にリアルに見えるこの世界は幻想に過ぎないが、赦しを学ぶために必要な補助装置なのだと知ることで本当の平和は始まり、"and leading ~ "「この新鮮な知覚から天の王国のゲートへと、さらにそれを越える先へと導いてくれる」。平和な心は世界の安寧(あんねい)に止まることなく、さらに進んで、神への回帰を始める。



Peace is the answer to conflicting goals, to senseless journeys, frantic, vain pursuits, and meaningless endeavors. 
  • answer [ǽnsər] : 「答え、回答、返事」
  • conflict [kənflíkt] : 「対立する、矛盾する」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的」
  • senseless [sénslis] : 「無分別な、愚かな、無意味な」
  • journey [dʒə́ːrni] : 「旅、旅行」
  • frantic [frǽntik] : 「取り乱した、半狂乱の」
  • vain [véin] : 「無駄な、無益な、空虚な」
  • pursuit [pərsúːt] : 「追い求め、追求」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「意味のない、無意味な」
  • endeavor [indévər] : 「努力、企て、試み」
❖ "Peace is the ~ "「平和は、矛盾対立する目的に対する答えであり、愚かな旅、半狂乱の無益な追求、意味のない努力に対する答えだ」。たとえば、争いをなくせば平和が達成されるはずだと考え、争いをなくすための争いをする。目的達成のために起きるコンフリクトだ。たとえば、物質的な豊かさが幸せをもたらしてくれるはずだと考え、半狂乱になって金儲けに奔走する。しかし、気付けば、得られるのは意味のない孤独だけだ。何のために生き、傷つき、痛みに耐えなければならないのか。そのすべての答えは、世界をまったく別のように見て本当の平和を知ることから始めなければならない、ということ。



Now the way is easy, sloping gently toward the bridge where freedom lies within the peace of God.
  • slope [slóup] : 「傾斜する」
  • gently [dʒéntli] : 「優しく、穏やかに」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "Now the way ~ "「今や、道は容易だ」。本当の平和の感覚を知った今、旅の道はもう険しく感じない。"sloping gently ~ "「道は緩やかに、神の平和の内に自由が横たわる橋へと続いていく」。天の王国の入り口にある橋までの道は緩やかに続く。その橋にたどり着けば、そこは実相世界の入り口だ。あなたは完全に解放され、完全に自由になって、神の平和に包み込まれることになる。



9. Let us not lose our way again today. We go to Heaven, and the path is straight. 
  • lose [lúːz] : 「〜を失う、見失う、なくす」
  • path [pǽθ] : 「小道、細道」
  • straight [stréit] : 「真っすぐな、一直線の」
❖ "Let us not ~ "「今日、私達は再び道を見失うことがないようにしよう」。"We go to ~ "「私達は天の王国に行くのであって、その道は一直線だ」。



Only if we attempt to wander can there be delay, and needless wasted time on thorny byways. 
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • wander [wɑ́ndər] : 「さまよう、横道にそれる」
  • delay [diléi] : 「遅れ、遅延」
  • needless [níːdləs] : 「不必要な、無用の」
  • wasted [wéistid] : 「役に立たない、無駄な」
  • thorny [θɔ́ːrni] : 「イバラの、苦しい」
  • byway [báiwei] : 「横道、脇道」
❖ "Only if we ~ "「私達が横道にそれようとした時だけ、遅れたり、イバラの横道で無駄な時間を浪費することがあり得る」。エゴの誘惑に負け、イバラの横道に等しい幻想世界にしがみついて、天の王国への旅を遅らせてしまう可能性は十分にある。



God alone is sure, and He will guide our footsteps. He will not desert His Son in need, nor let him stray forever from his home. 
  • guide [ɡáid] : 「〜を導く、案内する」
  • footstep [fútstèp] : 「足跡、歩み」
  • desert [dizə́ːrt] : 「〜を見捨てる」
  • in need : 「困窮している、困っている」
  • stray [stréi] : 「道に迷う、はぐれる」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "God alone ~ "「神だけが確実であり、神が私達の歩みを導いてくれる」。"He will not ~ "「神は、困っている神の子を見捨てることはないし、神の子がその故郷から永遠にはぐれたままにさせておくこともない」。道に迷い、この世を彷徨(さまよ)う神の子を、神は確実に助けてくれる。ただ、神は直接手を下すことはなく、いつもホーリー・スピリットを通じて神の子に手を差し伸べる。



The Father calls; the Son will hear. And that is all there is to what appears to be a world apart from God, where bodies have reality.
  • that is all there is to : 「それだけのことだ」
  • appear [əpíərəns] : 「〜のように見える、〜と思われる」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
  • reality [riǽləti] : 「現実、実在、現実のこと」
❖ "The Father ~ "「父なる神は呼びかけ、神の子は耳を傾ける」。"And that is ~ "「そして、神から離れて世界があるように見え、そこでは肉体が実在性をもっているかのように見えるだけのことだ」。夢の中で幻想世界に生きている神の子は、神から分離し、肉体をもって生きているかのように錯覚しているだけだ。



10. Now is there silence. Seek no further. You have come to where the road is carpeted with leaves of false desires, fallen from the trees of hopelessness you sought before. 
  • silence [sáiləns] : 「静けさ、静寂、沈黙」
  • further [fə́ːrðər] : 「さらにまた、さらになお」
  • carpet [kάːrpit] : 「〜にじゅうたんを敷く」
  • leaves [líːvz] : 「leafの複数」
  • leaf [líːf] : 「葉」
  • false [fɔ́ːls] : 「誤った、虚偽の、偽の」
  • desire [dizáiər] : 「熱望、切望、欲望」
  • fallen [fɔ́ːlən] : 「fallの過去分詞形」
  • hopelessness [hóuplisnis] : 「絶望」
  • sought [sɔ́ːt] : 「seek の過去・過去分詞形」
❖ "Now is there ~ "「今あるのは静けさだけ」。"Seek no ~ "「これ以上探すことはない」。"You have come ~ "「誤った望みという落ち葉で道が敷き詰められた場所まであなたはやって来た」。この世であなたが探し求めていた名誉や地位や財産など、必要のない葉はすべて地に落ちて道に敷き詰められた。"fallen from ~ "「それは、以前あなたが探し求めていた希望のない木々から落ちた葉である」。この世の幻想の木々に、名誉や地位や財産という葉や実を求めても意味はない。真実に目覚めれば、すべてが偽りだと分かる。落ち葉となって朽ちていくだけの夢だ。



Now are they underfoot. And you look up and on toward Heaven, with the body's eyes but serving for an instant longer now. 
  • underfoot [ʌndərfút] : 「足元に」
  • toward [təwɔ́ːd] : 「〜の方へ、〜に向かって」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、〜に仕える」
  • instant [ínstənt] : 「瞬間、一瞬」
  • for an instant : 「ちょっとの間、ほんのつかの間」
❖ "Now are ~ "「今、それらはあなたの足下にある」。幻想の夢はすべて地に落ち、朽ちかけた落ち葉となってあなたの足下にある。"And you look ~ "「そしてあなたは、視線を上げて天の王国に目を向ける」。"with the body's ~ "「今、ほんのしばらくの間だけ役に立つ肉体の目をもって見るのだ」。天を見上げるあなたの目は、まだしばらくは肉体的な目だ。しかし、完全に目覚めた時、あなたの知覚は修正されて実相的な視力を獲得する。その実相的な目がとらえる光景がヴィジョンだ。



Peace is already recognized at last, and you can feel its soft embrace surround your heart and mind with comfort and with love.
  • already [ɔːlrédi] : 「すでに、今すぐ」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、受け入れる」
  • at last : 「最後に、ついに、とうとう」
  • embrace [imbréis] : 「囲むこと、抱擁」
  • surround [səráund] : 「包囲する、囲む、取り囲む」
  • comfort [kʌ́mfərt] : 「快適さ、心地よさ、安らぎ」
❖ "Peace is already ~ "「平和はついに、今にも認識される」。"and you can ~ "「平和が、安らぎと愛をもって、あなたの胸や心を柔らかく抱きしめているのを、あなたは感じることが出来る」。幻想の木々が枯れて、落ち葉の敷き詰められた道に立つあなたではあるが、寂寥感は微塵(みじん)もない。季節は冬に向かうのではなく、神の平和に包まれた春に向かうのだ。



11. Today we seek no idols. Peace can not be found in them. The peace of God is ours, and only this will we accept and want. Peace be to us today. 
  • idol [áidl] : 「偶像、崇拝の対象、虚像」
  • accept [æksépt] : 「認める、受け入れる」
❖ "Today we ~ "「今日、私達は偶像を探すことはない」。今日で偶像のエゴとはお別れだ。"Peace can ~ "「平和はその中に見出すことは出来ない」。エゴの作り出す幻想の中に、本当の平和は見出せない。"The peace of ~ "「神の平和は私達のものであり、これだけを私達は受け入れ、そして求める」。"Peace be to ~ "「平和は今日、私達の下(もと)へやって来る」。



For we have found a simple, happy way to leave the world of ambiguity, and to replace our shifting goals and solitary dreams with single purpose and companionship. For peace is union, if it be of God. 
  • simple [símpl] : 「簡素な、易しい」
  • leave [líːv] : 「〜から離れる、〜と別れる」
  • ambiguity [æ̀mbigjúːəti] : 「あいまいさ、不明確さ」
  • replace [ripléis] : 「〜を交換する、置き換える」
  • shifting [ʃíftiŋ] : 「変わりやすい」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的、目指すもの」
  • solitary [sάlətèri] : 「孤独な、独りぼっちの」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • companionship [kəmpǽnjənʃìp] : 「交際、親交、交わり」
  • union [júːnjən] : 「結合、融合」
❖ "For we have ~ "「なぜなら私達は、曖昧な世界に別れ告げ、移ろいやすい目的や孤独な夢を単一の目的と交わり合いに置き換えるための簡単で幸せな方法を見出したからだ」。神の子としての同胞達と交わりながら、実相世界へ回帰するという単一の目的へ向かって進んで行く。物や金や名誉などの移ろう目的に目を奪われることなく、友や神との断絶による孤独もない。"For peace is ~ "「なぜなら、もし平和が神のものであるなら、それは交わり合いだからだ」。本当の平和は神が創造した実相的な平和であり、神の子が神と交わり、神の子同士が交わり合って、その単一性の中に平和は見出せるものなのだ。



We seek no further. We are close to home, and draw still nearer every time we say: 

        There is no peace except the peace of God, 
        And I am glad and thankful it is so.
  • seek [síːk] : 「探し求める、捜し出す」
  • further [fə́ːrðər] : 「さらになお、さらに深く」
  • close [klóus] : 「近い、接近した」
  • draw [drɔ́ː] : 「近づく」
  • glad [ɡlǽd] : 「満足して、喜ばしい」
  • thankfully [θǽŋkfəli] : 「感謝して」
❖ "We seek ~ "「私達はもう探し回らない」。この幻想世界の中に、偽りの平和を探し回ることはもうしない。"We are close ~ "「私達は故郷の近くにいて、次の言葉を口にする度に、さらにずっと近づいて行く」。"There is no ~ "「神の平和を除いて、平和はない」。"And I am ~ "「そして私は、そうであることを喜び、感謝する」。






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❖ Text精読、完了しました。4年8ヶ月、1256回の投稿でした。長期に渡ってお付き合いいただき、感謝します。
❖ 引き続き、Workbook精読をご覧下さい。場所は「http://acimworkshop-workbook.blogspot.jp」です。
❖ Text精読の手直しも始めました。月日をかけて見直していきます。
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