●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pII.What is the Body.1:1 ~ 5:8

5. What is the Body
肉体とは何か。




1. The body is a fence the Son of God imagines he has built, to separate parts of his Self from other parts. 
  • fence [féns] : 「フェンス、囲い」
  • separate [sépərèit] : 「分ける、分離する」
❖ "The body ~ "「肉体とは、神の子が自分で作ったと想像している囲いであり、自分自身を他の部分から分離するために作ったのだ」。神なしで神のように生きようと思い立ち、分離不可能な神と神の子の関係を想像上で分離し、神と共にいる本当の自分を後に残して自分自身を囲い(肉体)で覆った。



It is within this fence he thinks he lives, to die as it decays and crumbles. 
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • decay [dikéi] : 「腐る、腐敗する」
  • crumble [krʌ́mbl] : 「崩れる、崩壊する」
❖ "It is within ~ "「神の子が生き、肉体が腐敗すれば死んで崩壊すると思い込んでいるのは、この囲いの中である」。肉体の存在こそが命そのもので、肉体が朽ちれば命は終わると思い込んでいる。



For within this fence he thinks that he is safe from love. Identifying with his safety, he regards himself as what his safety is. 
  • identify [aidéntəfài] : 「〜を同一視する、同定する」
  • identify with : 「〜と同一であると見なす」
  • safety [séifti] : 「安全、無事」
  • regard [riɡάːrd] : 「見なす、思う、考える」
❖ "For within ~ "「なぜなら、この囲いの中にいれば、愛を受けずに済むと神の子は思い込んでいるからだ」。神の子を愛する神の目から逃れることが出来ると思い込んでいる。神を裏切って罪を犯した自分を、肉体という囲いの中に隠して居場所をごまかそうという魂胆だ。ちょうど、親との約束を破った子供が、自分の布団の中にもぐり込んで、親の目から逃れたと思い込んでいるようなものだ。"Identifying with ~ "「安全性と自分を同一視しようとして、神の子は安心安全であることが自分自身だと見なす」。今や、犯した罪から目をそらし、神からの罰を回避することが最大の課題となる。身の安全こそが生きる目的のすべてとなる。安全であるなら、肉体と共に死んでもいいと思うわけだ。



How else could he be certain he remains within the body, keeping love outside?
  • else [éls] : 「そのほかに」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな」
  • remain [riméin] : 「とどまる、残る」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部に」
❖ "How else ~ "「そうでないなら、どうして、神の子は愛を囲いの外に追い出したまま、肉体の中にとどまっている方が確かなのだと思えるだろうか」。神の愛を拒絶してまで肉体という囲いの中にとどまりたいと思うのは、そこが一番安全な場所だと思うからだ。神の目から逃れるには外部から孤絶した存在の方が有利だ。罪と罰の恐れから逃れ得る場所は、この孤立した囲いの中だけなのだから。



2. The body will not stay. Yet this he sees as double safety. 
  • stay [stéi] : 「ある状態が継続する、〜のままでいる」
  • double [dʌ́bl] : 「二重の、倍の」
❖ "The body ~ "「肉体はそのままの状態を維持出来ない」。"Yet this he ~ "「しかしこれがかえって、神の子には二重の安全性に見える」。肉体は永遠に存在することはないが、かえって、肉体が衰え崩壊していくことで我が身の安全性を保つための仕事をしてくれているのだと考える。



For the Son of God's impermanence is "proof" his fences work, and do the task his mind assigns to them. 
  • impermanence [impə́ːrmənənt] : 「非永続性」
  • proof [prúːf] : 「証拠、証し」
  • assign [əsáin] : 「〜を割り当てる、任命する」
❖ "For the Son ~ "「なぜなら、神の子の非永続性は、神の子の囲いが機能し、心が囲いに対して割り当てた仕事をちゃんとやっている証拠だからだ」。物が機能し役立てば、物はやがて壊れるものだと信じているから、逆に肉体が衰えて死に至るなら、肉体は安全を確保する機能を果たしてくれていると信じるわけだ。



For if his oneness still remained untouched, who could attack and who could be attacked? Who could be victor? Who could be his prey? Who could be victim? Who the murderer? 
  • oneness [wʌ́nnis] : 「単一性、同一性」
  • remain [riméin] : 「依然として〜のままである」
  • untouched [ʌ̀ntʌ́tʃt] : 「触れられていない、手付かずの」
  • victor [víktər] : 「勝利者」
  • prey [préi] : 「餌食、犠牲」
  • victim [víktim] : 「犠牲者、被災者」
  • murderer [mə́ːrdərər] : 「殺人者、人殺し」
❖ "For if his ~ "「なぜなら、もし神の子の単一性が手つかずのままであるなら、誰が攻撃でき、誰が攻撃され得るだろうか」。神の子が神から分離した後、神の子は分離を象徴する幻想世界を偽創造し、神の子自らも散り散りに分裂した。自他という区別を設けた結果、他者からの攻撃を受ける可能性と他者を攻撃する可能性が生じた。"Who could ~ "「誰が勝者になり得るか」。"Who could ~ "「誰が餌食にされ得るか」。"Who could ~ "「誰が犠牲者になり得るか」。"Who the ~ "「誰が人殺しになり得るか」。ここに、神の子が神に換えて偽創造した偽神エゴの理論が見て取れる。永遠不変を保証する神を否定した以上、変化流動し崩壊へ向かう分離分裂世界が必要となる。攻撃される前に攻撃し、殺される前に殺すことで身の安全を確保する世界である。この弱肉強食の世界を生き抜くために肉体は悪戦苦闘し、傷つき、衰え、死に向かうという論だ。



And if he did not die, what "proof" is there that God's eternal Son can be destroyed?
  • die [dái] : 「死ぬ、死亡する」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不滅の」
  • destroy [distrɔ́i] : 「〜を破壊する」
❖ "And if he ~ "「そして、もし神の子が死ななければ、神の永遠の子が破壊され得るというどんな証拠があるだろう」。神の子が永遠不変の存在なら、崩壊し死に向かう肉体など存在しないことになる。つまり、肉体は幻想に過ぎないことになってしまう。



3. The body is a dream. Like other dreams it sometimes seems to picture happiness, but can quite suddenly revert to fear, where every dream is born.
  • picture [píktʃər] : 「〜を描写する、絵に描く」
  • quite suddenly [sʌ́dnli] : 「全く突然に」
  • revert [rivə́ːrt] : 「元に戻る」
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖」
  • born [bɔ́ːrn] : 「生まれる、誕生する」
❖ "The body ~ "「肉体は夢である」。肉体は幻想に過ぎず、実相的には存在しない。"Like other ~ "「他の夢と同じように、それは時として幸せを描いてみせることもあるが、まったく突然、恐れに逆戻りしてしまう可能性がある」。"where every ~ "「その恐れこそ、あらゆる夢が生まれ出る場所である」。神を裏切って神を捨てた罪に対する神の罰を恐れ、神の子はその恐れに絶えきれなくなって自己を乖離し別人格の自分を作り出した。恐れが生み出した幻想世界に様々な夢を描き、夢の中を浮いたり沈んだりしながら、やがて肉体の死を迎える。



For only love creates in truth, and truth can never fear. Made to be fearful, must the body serve the purpose given it. 
  • create [kriéit] : 「創造する、創り出す」
  • in truth : 「実のところ、実際には」
  • fearful [fíərfəl] : 「恐ろしい」
  • serve [sə́ːrv] : 「〜に役立つ、〜に仕える」
  • purpose [pə́ːrpəs] : 「目的、目標」
  • given [ɡívən] : 「giveの過去分詞形」
❖ "For only ~ "「なぜなら、実際、愛だけが創造できるのであって、真実は決して恐れを抱くことがないからだ」。実相世界は単一論の世界であって、愛や喜びや美しさなどの真実だけが存在し、憎しみや悲しみや醜さは存在しない。実相的な創造は、純粋な真実を拡張増大させることであって、新たに何かを生み出すことではない。ましてや幻想を生み出して幻想遊びをすることなどない。"Made to be ~ "「肉体は恐れを感じるように作られたので、肉体は与えられた目的に沿うように仕えざるを得ない」。恐れが幻想世界を生み出し、隠れ蓑(みの)として肉体が作られた。肉体は外部からの攻撃を戦々恐々として待ち構え、あわよくば先制攻撃しようとする。それが肉体に与えられた使命だ。



But we can change the purpose that the body will obey by changing what we think that it is for.
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う」
❖ "But we can ~ "「しかし、肉体は何のためになるのかという考えを変えることで、私達は肉体が従う目的を変えることが出来る」。肉体を、幻想から真実に目覚めるための手段に使うのである。学びのための補助装置として、肉体の存在をとらえ直すことで、実相世界への扉の前に立つことが出来る。



4. The body is the means by which God's Son returns to sanity. 
  • means [míːnz] : 「手段、方法」
  • return [ritə́ːrn] to : 「〜に帰る、〜戻る」
  • sanity [sǽnəti] : 「正気、健全さ」
❖ "The body is ~ "「肉体は、神の子が正気に戻るための手段である」。実相的には存在しない肉体をリアルな存在に感じるのは正気の沙汰ではない。そこで、知覚を修正することで肉体の非実在性を曝き、その幻想性を赦してやることで肉体を消滅させる。かくして、心は正気に戻る。もっとも、ここで言う肉体の消滅は死を意味することではない。実相的な消滅、つまり、ヴィジョンから見たときの肉体の消滅である。



Though it was made to fence him into hell without escape, yet has the goal of Heaven been exchanged for the pursuit of hell. 
  • though [ðóu] : 「〜だけれども」
  • fence [féns] : 「〜に囲いをする」
  • hell [hél] : 「地獄」
  • escape [iskéip] : 「逃亡、脱出」
  • goal [ɡóul] : 「目標、目的」
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「〜を交換する」
  • pursuit [pərsúːt] : 「追い求めること、追求」
❖ "Though it was ~ "「肉体は、神の子を地獄に閉じ込めてそこから逃げ出すことが出来ないように作られたのだが、地獄を追い求めることに換えて、天の王国を目標とする」。地獄の様相を呈する幻想世界の中に肉体的、物質的、あるいは世俗的な目標を求める代わりに、この世の幻想性を見極めてそれを赦し、幻想を消滅させて実相世界(天の王国)へ回帰することを最大の目標とする。



The Son of God extends his hand to reach his brother, and to help him walk along the road with him. 
  • extend [iksténd] : 「延ばす、広げる」
  • along [əlɔ́ːŋ] : 「〜に沿って、〜に従って」
❖ "The Son of ~ "「神の子は、同胞が共に道を歩んで行くことが出来るように手助けの手を差し伸べる」。幻想が消滅すれば、自分と同胞との区別も消える。自他一如を知った神の子は助け合って天の王国への道を進む。



Now is the body holy. Now it serves to heal the mind that it was made to kill.
  • heal [híːl] : 「癒やす、救う」
❖ "Now is ~ "「今や肉体は神聖だ」。実相的な目標を果たすために使われるのだから、幻想の肉体も神聖な光りを帯び始める。"Now it serves ~ "「肉体は心を殺すために作られたのだが、今や肉体は心を癒やすことに仕える」。心の奥深くに追いやられた真実を殺すために肉体という幻想は作られたのだが、今やその真実を救い出す道具として肉体は使われる。



5. You will identify with what you think will make you safe. Whatever it may be, you will believe that it is one with you. 
  • identify [aidéntəfài] : 「〜を同一視する、同定する」
❖ "You will ~ "「あなたは、あなたを安全にしてくれるものと同一視しようとする」。"Whatever it ~ "「それが何であれ、自分と一体なのだと信じる」。肉体は自分を安全に覆い隠してくれるから、肉体こそが自分自身だと信じている。そういう勘違いを正さなくてはいけない。



Your safety lies in truth, and not in lies. Love is your safety. Fear does not exist. Identify with love, and you are safe. Identify with love, and you are home. Identify with love, and find your Self.
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
  • lie [lái] : 「嘘、虚言」
  • exist [iɡzíst] : 「存在する、生存する」
❖ "Your safety ~ "「あなたの安全性は真実の中にあるのであって、嘘の中にはない」。"Love is ~ "「愛が、あなたの安全性だ」。実相的な愛という真実の中にこそ、神の子の安全性がある。なぜなら、真実(愛)だけが存在しているからだ。"Fear does ~ "「恐れは存在しない」。恐れは心の闇がでっち上げた幻想に過ぎない。"Identify with ~ "「愛と同一視すれば、あなたは安全だ」。"Identify with ~ "「愛と同一視すれば、あなたは生まれ故郷にいる」。愛と一体である自分は実相世界へ回帰する。"Identify with ~ "「愛と同一視すれば、あなたは本当の自分を見出す」。自分は神が愛の延長上に創造した神の子なのだと知ることが出来る。






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