●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.51.1:1 ~ W-pI.51.5:6

Lesson 51



Review of Lessons 1 - 5


The review for today covers the following ideas:
  • review [rivjúː] : 「復習、再考、再吟味、再調査」
  • cover [kʌ́vər] : 「取り上げる、取り扱う、対象にする、含める」
  • following [fάlouiŋ] : 「次に来る、次の、以下の」
❖ "The review for ~ "「今日の復習は、以下のものの見方をカバーしている」。


1. Nothing I see means anything. (私が目にするものは何の意味ももたない)

The reason this is so is that I see nothing, and nothing has no meaning. It is necessary that I recognize this, that I may learn to see. 
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • meaning [míːniŋ] : 「意味、意義、意図、真意」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • learn [lə́ːrn] : 「〜を学ぶ、〜であると分かる、〜を覚える、知る」
❖ "The reason this ~ "「こうである理由は、私は何も見ていなし、何も意味をもたないからである」。あなたが圧倒的なリアルさで見ているものは幻想であり、あなたは夢を見ている過ぎないから、現実的には本当は何も見てはいない。見ていると思っているものは実在せず、したがって、何の意味ももたない。"It is necessary ~ "「私はこのことを認識し、(真に実在するものを)見ることを学ぶ必要がある」。幻想を実在だと錯覚する知覚を修正し、真実を見抜くヴィジョンを獲得する必要がある。



What I think I see now is taking the place of vision. I must let it go by realizing it has no meaning, so that vision may take its place.
  • take the place of : 「〜の代わりをする、〜に取って代わる」
  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
  • let go : 「放す、手放す、解放する、捨てる、あきらめる」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
❖ "What I think I ~ "「今私が見ていると思っているものは、ヴィジョンに取って代わったものである」。実在を黒雲で覆い隠して、非実在の幻想を見ているに過ぎない。空(くう)なるキャンバスに心を投射することによって、イメージを描いているだけだ。"I must let it ~ "「ヴィジョンが自分の位置を確保するために、私は、目にするものは意味をもたないのだと認識することで、目にしているもの(幻想)を手放さなくてはならない」。知覚を修正しヴィジョンを獲得するために、目にしているものが実在せず、したがって意味を持たないのだと認識する必要がある。



2. I have given what I see all the meaning it has for me. (私は、私が目にするものに対して、それが私にとってもつべき意味のすべてを与えた)

I have judged everything I look upon, and it is this and only this I see. 
  • judge [dʒʌ́dʒ] : 「判断する、〜だと思う」
  • look upon : 「〜を見る」
❖ "I have judged ~ "「私は、見るものすべてを判断してきた」。"and it is this ~ "「これが、これだけが、私が見ているものである」。あなたが見ているものは、あなたの理性的な頭脳が判断評価した内容に従って心が描き出したイメージである。そしてあなたの知覚は、そのイメージを実在だと主張するのである。



This is not vision. It is merely an illusion of reality, because my judgments have been made quite apart from reality. 
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • reality [riǽləti] : 「現実性、実在性、現実のこと」
  • judgment [dʒʌ́dʒmənt] : 「判断、判断力、意見、分別」
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "This is not ~ "「これはヴィジョンではない」。"It is merely ~ "「それは単に、幻想的な現実に過ぎない」。"illusion of reality"「幻想的な現実」とは、心が描いたイメージ(幻想)を現実だと思うこと。幻想を実相と取り違える知覚はヴィジョンではない。"because my judgments ~ "「なぜなら、私の判断は、実相と完全に離れて下されてきたからだ」。真実を見抜くヴィジョンによって真偽の判断が出来ないものだから、理性による判断に頼ってきたのだ。



I am willing to recognize the lack of validity in my judgments, because I want to see. 
  • be willing to : 「〜する意思がある、進んで〜する、〜に前向きである」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • lack [lǽk] : 「不足、欠乏、欠如、欠落」
  • validity [vəlídəti] : 「妥当性、正当性、正しいこと」
❖ "I am willing to ~ "「私は、私の判断に正当性が欠けていると喜んで認めよう」。"because I want ~ "「なぜなら、私は見たいからだ」。もちろん、ヴィジョンによって見ることを切望している、ということ。



My judgments have hurt me, and I do not want to see according to them.
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける」
  • according [əkɔ́ːrdiŋ] to : 「〜に従って、〜と一致して」
❖ "My judgments ~ "「私の判断は私を傷つけてきた」。"and I do not ~ "「私は、私の判断に従ってものを見たいとは望まない」。肉体的な目はあなたの判断に支配されている。その結果、あなたは幻想世界の苦と痛みを見続けてきた。そんな肉体の目を離れて、あなたは心の目、すなわちヴィジョンでものを見たいと望んでいる。心の平和を切望している。



3. I do not understand anything I see. (私は、私が目にするものを何も理解していない)

How could I understand what I see when I have judged it amiss? What I see is the projection of my own errors of thought. 
  • amiss [əmís] : 「間違って、不適当に、場違いに」
  • projection [prədʒékʃən] : 「投影、射影、投射、映写」
  • error [érər] : 「誤り、間違い」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
❖ "How could I ~ "「私が誤って判断したというのに、どうして私は見たものを理解出来よう」。たとえば、あなたは物質は実在すると誤って判断したから、物質はあなたの心が描き出した幻想だと理解することが出来ない。"What I see is ~ "「私が目にするものは、私自身の思考の誤りの投影に過ぎない」。あなたの肉体も目にする物質も、すべては分離を象徴する偶像である。二元論世界を象徴する錯覚なのだ。これを支えているのがエゴの思考システムであり、エゴの思考システムに則った思考を心の外部に投射してイメージ化したものに過ぎない。



I do not understand what I see because it is not understandable. There is no sense in trying to understand it. 
  • understandable [ʌ̀ndərstǽndəbl] : 「理解できる、分かる、無理からぬ」
  • there is no sense in ~ing : 「〜することには意味がない」
❖ "I do not understand ~ "「それは理解不能なものなので、私は目にするものを理解出来ない」。"There is no sense ~ "「それを理解しようとすることには意味がない」。幻想には意味がない。意味のないものを理解することは不可能だ。理解しようと試みることも意味がない。夜見る夢の中に出てきた様々なものを、あなたは理解出来ないのと同様である。



But there is every reason to let it go, and make room for what can be seen and understood and loved. 
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • make room for : 「〜のためのスペースをあける、〜に席を譲る」
  • understood [ʌ̀ndərstúd] : 「understandの過去・過去分詞形」
❖ "But there is ~ "「しかし、それを手放し、見ることが可能なものに席を譲り、理解し、愛することには、十分な理由がある」。幻想を手放し、ヴィジョンが見ることの出来るものに席を譲れば、あなたは理解も可能だし、見たものを愛することも出来るのだ。「十分な理由」と訳したが、「十分に正当な理由」といった意味合い。ヴィジョンを得て、真実を見たいと望むことは十分に正当な理由となる。



I can exchange what I see now for this merely by being willing to do so. Is not this a better choice than the one I made before?
  • exchange [ikstʃéindʒ] : 「〜を交換する、〜を引き替える」
  • merely [míərli] : 「ただ単に、単に」
  • better [bétər] : 「より良い、より望ましい」
  • choice [tʃɔ́is] : 「選ぶこと、選択」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
❖ "I can exchange ~ "「私は、単に喜んでそうしたいと思うことで、私が目にしているものをこれ(ヴィジョン)と交換することが出来る」。"Is not this ~ "「これは、私が以前になした選択よりもずっと良い選択ではないだろうか」。"one I made before"「以前になした選択」とは、知覚が捉えたイメージを実在だと判断する選択のこと。知覚をヴィジョンと交換することは良い選択だ。



4. These thoughts do not mean anything. (これらの思いは、何も意味しない)

The thoughts of which I am aware do not mean anything because I am trying to think without God. 
  • be aware [əwέər] of : 「〜を承知している、〜に気付いている、知っている」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
❖ "The thoughts of ~ "「私は神なしで考えようとしているので、私が意識している思いは何も意味しない」。「神なしで」とは、ここではヴィジョン抜きで、という意味合い。頭脳による理性的な思考は、ヴィジョンを欠いているので幻想である。幻想の思考は意味がない。



What I call "my" thoughts are not my real thoughts. My real thoughts are the thoughts I think with God. 
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
❖ "What I call ~ "「私が、『私の』思いと呼んでいるものは、私の本当の思いではない」。エゴの思考であり、幻想的な思いである。"My real thoughts ~ "「私の本当の思いは、私が神と共に考える思いである」。ヴィジョンをもって考えるとき、それがあなたの本当の実相的な思いである。



I am not aware of them because I have made my thoughts to take their place. 
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている」
  • take one's place : 「〜の代わりをする、〜と交代する」
❖ "I am not aware of ~ "「私は私の本当の思いに気付いていない」。"because I have ~ "「というのも、私の思いを本当の思いと入れ替えてしまったからだ」。レベル・コンフュージョンを起こしてしまったのだ。実相と幻想がひっくり返ってしまった。



I am willing to recognize that my thoughts do not mean anything, and to let them go. 
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
  • let go : 「放す、手放す、解放する、捨てる、あきらめる」
❖ "I am willing to ~ "「私は、私の思いは何も意味しないと喜んで認識したいし、それを手放してしまおう」。



I choose to have them be replaced by what they were intended to replace. My thoughts are meaningless, but all creation lies in the thoughts I think with God.
  • choose [tʃúːz] : 「 〜を選ぶ、〜を選択する」
  • have [həv] : 「〜に〜させる」
  • replace [ripléis] : 「〜に取って代る、〜を交換する」
  • intend [inténd] : 「〜するつもりである、〜を意図する」
  • meaningless [míːniŋlis] : 「 意味のない、無益な、価値のない」
  • creation [kriéiʃən]: 「創造、創作、創作物、作品」
  • lie [lái] : 「ある、存在する」
❖ "I choose to have ~ "意訳する、「私は、私の思いを本当の思いに置き換えることを選択する」。"My thoughts are ~ "「私の思いは意味がない」。"but all creation ~ "「しかし、あらゆる創造物は、私が神と共に考える思いの中に存在する」。あなたの思いは幻想であって、幻想の思いが作り出す物は存在しない。知覚に騙されて存在しているように見えるだけだ。しかし、あなたが神と共に考える本当の思いは、これは実相的な想念であって、想念は現実化し、実在の創造物を生み出す。実相世界には、あなたの本当の想念が創造した真実が至るところに存在するのだ。



5. I am never upset for the reason I think. (私は、私が思っている理由で動揺しているのではない)

I am never upset for the reason I think because I am constantly trying to justify my thoughts. 
  • upset [ʌpsét] : 「動揺して、気が動転して、取り乱して、狼狽して」
  • reason [ríːzn] : 「理由、動機、原因、根拠」
  • constantly [kάnstəntli] : 「絶えず、しきりに、絶え間なく、常に」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する、正当だと説明する」
❖ "I am never upset ~ "「私は絶えず私の思いを正当化しているので、私が考える理由で動揺しているのでは決してない」。あなたは、常に自分の思いを正当化し、自分が正しいと思っているから、それを理由に動揺することはない。



I am constantly trying to make them true. I make all things my enemies, so that my anger is justified and my attacks are warranted. 
  • make [méik] : 「〜の状態を作り出す、〜にする」
  • true [trúː] : 「真の、真実の、本当の、本物の」
  • enemy [énəmi] : 「敵、敵国、かたき」
  • so that : 「〜できるように、〜するために、その結果」
  • anger [ǽŋɡər] : 「怒り、憤り」
  • justify [dʒʌ́stəfài] : 「正当化する、正当だと説明する」
  • attack [ətǽk] : 「攻撃、暴行、襲撃」
  • warrant [wɔ́ːrənt] : 「〜を正当化する、保証する」
❖ "I am constantly ~ "「私は絶えず自分の思いを正しいものにしようとしている」。"I make all ~ "「私はすべてのものを私の敵に回している」。"so that my anger ~ "「それは、私の怒りを正当化し、私の攻撃性を正しいと保証するためである」。あなたは、あなたの理性的判断によって、自分の思いは正当であると主張し続けている。あなたが怒るのも当然であり、あなたが攻撃したくなるのも正当だと判断する。その結果、あなたは周りに多くの敵を作ってきた。



I have not realized how much I have misused everything I see by assigning this role to it. 
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • misuse [misjúːz] : 「誤用する、悪用する、乱用する」
  • assign [əsáin] : 「〜を割り当てる、指定する、任命する、与える」
  • role [róul] : 「役、役柄、役割、役目、任務」
❖ "I have not realized ~ "「私が目にするあらゆるものにこんな役割を割り当てることで、それをどんなに誤って使ってきたか、私は気付くことがなかった」。あなたが目にするものは幻想であるにもかかわらず、その実在性を信じて、あなたの思いを正当化する道具に使ってきたのだ。幻想に対して、そういう役割を与えてきたのだ。あるいは、あなたの思いが、目にするものの実在性を正当化してきたのである。どんなに誤用に誤用を重ねてきたか、それに気付くことさえ今までなかった。



I have done this to defend a thought system that has hurt me, and that I no longer want. I am willing to let it go.
  • done [dʌ́n] : 「doの過去分詞」
  • defend [difénd] : 「守る、防御する」
  • hurt [hə́ːrt] : 「〜を傷つける」
  • no longer : 「もはや〜でない」
❖ "I have done this ~ "「私を傷つけ続ける思考システムを守るために、私はこんなことをし続けてきたのだ」。"and that I no ~ "「もう、そんな思考システムを望みはしない」。"I am willing ~ "「そんな思考システムは喜んで手放そう」。もちろん、この思考システムはエゴの思考システムである。幻想を実在だと信じさせ、攻撃の道具に使わせてきたのだ。得るためには奪え、奪われる前に奪い取れ、攻撃される前に攻撃せよ、殺される前に殺してしまえ、嘘でもいいから自己正当化せよ、嘘でもいいから他者を非難せよ、これがこの世の幻想を巡る争奪戦の基本原則である。エゴの思考システムがあなたに教えてきた鉄則である。その結果、あなたも他者も傷ついてきたのだ。もうそんなエゴの思考システムは捨て去って、ホーリー・スピリットの思考システムに回帰すべきである。
 
 
 



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