●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.49.1:1 ~ W-pI.49.5:3

Lesson 49



God's Voice speaks to me all through the day.
  • voice [vɔ́is] : 「声」
  • speak to : 「〜に話し掛ける」
  • all through : 「〜を通してずっと」
❖ "God's Voice speaks ~ "「神の声は、一日中私に話しかけている」。あなたの心の内奥の声である。厳密に言えば、神の代弁者であるホーリー・スピリットの声である。ホーリー・スピリットは、神の創造したいわば分身であるから、ホーリー・スピリットの声と神の声を区別して考える必要はない。
あなたが気付かなくても、常にホーリー・スピリットはあなたに話しかけている。その声に、あなたは気付く必要があるのだ。なぜなら、真実を語るのは、このホーリー・スピリットの声だからである。あなたは常に、エゴの声に騙されて続けているからだ。



1. It is quite possible to listen to God's Voice all through the day without interrupting your regular activities in any way. 
  • quite [kwáit] : 「すっかり、全く、完全に」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る、なし得る、実行できる」
  • listen to : 「耳を傾ける、聴く、聞く」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
  • interrupt [ìntərʌ́pt] : 「中断する、遮断する、妨害する、邪魔する」
  • regular [réɡjulər] : 「習慣的な、いつもの」
  • activity [æktívəti] : 「活動、活発な動作」
  • in any way : 「何らか、多少なりとも、形はどうあれ」
❖ "It is quite possible ~ "「普段あなたがどんな活動をしていても、それを妨害することなく、一日中神の声を聞くことはまったく可能である」。普段仕事をしている時などは、神の声を意識しなくてもいい。意識はしなくても、あなたの心は確実に神の声を聞いている。しかし、今日のレッスンでは、意識して神の声を聞く練習をするわけだ。



The part of your mind in which truth abides is in constant communication with God, whether you are aware of it or not. 
  • part [pάːrt] : 「一部、部分」
  • truth [trúːθ] : 「現実、事実、真相、真理、本当のこと」
  • abide [əbáid] : 「とどまる、居住する」
  • constant [kάnstənt] : 「不変の、一定な」
  • communication [kəmjùːnəkéiʃən] : 「通信、やりとり、連絡、伝達」
  • whether [hwéðər] : 「〜かどうか、〜であろうとなかろうと」
  • be aware of : 「〜を承知している、〜に気付いている」
❖ "The part of your ~ "「真実が宿るあなたの心の部分は、あなたが気付いていようがいまいが、いつも神とコミュニケーションをとっている」。あなたの心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットが宿り、そこに神の祭壇があって、そこが神へのチャンネルになっている。このチャンネルを通して神の声はあなたに届くのだ。あるいは、ホーリー・スピリットが神の声を受信し、あなたにその内容を伝える。しかも、このチャンネルは休止することなく常に接続されており、神とのコミュニケーションは常時なされている。



It is the other part of your mind that functions in the world and obeys the world's laws. 
  • function [fʌ́ŋkʃən] : 「 働く、機能する」
  • obey [oubéi] : 「〜に従う、〜の言うことに従う」
  • law [lɔ́ː] : 「法、法律、法規、法令」
❖ "It is the other part ~ "強調構文、「この世界で機能し世界の法に従っているのは、あなたの心の別の部分である」。この世界に順応している理性的な心の部分は、ホーリー・スピリットの宿る心の部分ではない。いわゆる、エゴに支配された部分である。



It is this part that is constantly distracted, disorganized and highly uncertain.
  • constantly [kάnstəntli] : 「絶えず、しきりに、絶え間なく、常に」
  • distracted [distrǽktid] : 「気を散らされた、ボーッとして、注意散漫で」
  • disorganized [disɔ́ːrɡənàizd] : 「整理されていない、組織の乱れた」
  • highly [háili] : 「大いに、非常に、極めて」
  • uncertain [ʌnsə́ːrtn] : 「不確かな、不明確な、不安定な、変わりやすい」
❖ "It is this part that ~ "「常に気を散らし、整理されることなく、極めて変わりやすいのは、心のこの部分である」。気まぐれで、気分をころころ変えるのは、エゴの支配を受けた心の部分である。頭脳による理性的な判断に頼っているので、時間と共に評価判断が変化し、その度に心がころころ変わるのだ。



2. The part that is listening to the Voice for God is calm, always at rest and wholly certain. It is really the only part there is. 
  • calm [kάːm] : 「穏やかな、静かな、落ち着いた、穏和な」
  • always [ɔ́ːlweiz] : 「いつも、以前からずっと、常にいつでも」
  • at rest : 「安らいで、安心して」
  • wholly [hóulli] : 「完全に、全く、全体として、全体的に、すっかり」
  • certain [sə́ːrtn] : 「確実な、確かな、間違いのない、信頼できる」
  • really [ríəli] : 「実際には、ほんとうは、確かに、本当に」 
❖ "The part that is ~ "「神の声に耳を傾けている心の部分は静かで、いつも安らいでおり、完全に信頼の中にいる」。何があっても動ずることなく、神の力の中にある。神の光の中、穏やかな静寂の中にあり、神への信頼、自分への信頼が揺らぐことはない。



The other part is a wild illusion, frantic and distraught, but without reality of any kind. 
  • wild [wáild] : 「乱れた、狂気じみた、荒れ狂った」
  • illusion [ilúːʒən] : 「幻想、幻覚、錯覚」
  • frantic [frǽntik] : 「取り乱した、半狂乱の、狂乱した」
  • distraught [distrɔ́ːt] : 「取り乱した、狂った、狂気の」
  • reality [riǽləti] : 「現実性、実在性、現実のこと」
  • of any kind : 「いかなる種類の」
❖ "The other part is ~ "「心の別の部分は、狂気じみた幻想である」。"frantic and distraught ~ "「半狂乱で、取り乱し、いかなる種類の現実性ももってはいない」。そもそもエゴは神の子が生み出した幻想に過ぎない。そのエゴを偶像に祭り上げて崇拝している心は、必然的に狂気的な幻想の中にいるのだ。



Try today not to listen to it. Try to identify with the part of your mind where stillness and peace reign forever. 
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • identify [aidéntəfài] : 「 〜を同一に扱う、〜を同一視する、同定する」
  • stillness [stílnis] : 「静けさ、静止、沈黙、平静」
  • peace [píːs] : 「平和、和平、安らぎ、平安、静けさ、静謐」
  • reign [réin] : 「支配する、主権を握る、君臨する」
  • forever [fərévər] : 「永遠に、永久に」
❖ "Try today not ~ "意訳する、「そんな狂気じみた心の部分に耳を傾けることがないように努めなさい」。"Try to identify ~ "「静けさと平和が永遠に主導するあなたの心の部分をあなた自身なのだと思うように努めなさい」。ホーリー・スピリットの宿る神聖で純粋な心の部分が本当のあなた自身の心なのだと気付きなさい。この部分が実相であり、実在であり、真実である。その他の部分は狂気じみた幻想なのだ。



Try to hear God's Voice call to you lovingly, reminding you that your Creator has not forgotten His Son.
  • lovingly [lʌ́viŋli] : 「かわいがって、愛情を込めて、優しく」
  • remind [rimáind] : 「〜に思い出させる、〜に気付かせる」
  • creator [kriéitər] : 「創造者、創作者、創設者」
  • forgotten [fərɡάtn] : 「forgetの過去分詞形」
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
❖ "Try to hear God's ~ "「神の声があなたに優しく呼びかけるのを聞くように努めなさい」。"reminding you that ~ "「神の声は、あなたの創造主である神は決して神の子を忘れたことなどないと、思い出せてくるくれるのだから」。神の子は神から分離し、神を忘れてしまったが、神は決して神の子を放棄したりしていない。ホーリー・スピリットを通して、常に神の愛を神の子に注いでいる。



3. We will need at least four five-minute practice periods today, and more if possible. 
  • need [níːd] : 「〜を必要とする、〜する必要がある」
  • at least : 「少なくとも、最少に見ても」
  • if possible : 「可能なら、できたら」
❖ "We will need ~ "「今日私たちは、5分間の練習を少なくとも4回は必要とする」。"and more if ~ "「出来れば、もっと多い方がいいのだが」。



We will try actually to hear God's Voice reminding you of Him and of your Self. 
  • actually [ǽktʃuəli] : 「実際は、本当は、実は、実のところ」
❖ "We will try actually ~ "「私たちは実際、神の声があなたに神とあなた自身を思い出させてくるのを聞くように努めることになる」。心の奥深くに潜行し、最も純粋で神聖な部分に到達して、そこに神の祭壇がありホーリー・スピリットが宿っているのだと思い出す試みを実行する。



We will approach this happiest and holiest of thoughts with confidence, knowing that in doing so we are joining our will with the Will of God. 
  • approach [əpróutʃ] : 「〜に近づく、〜に接近する」
  • holy [hóuli] : 「神聖な、聖なる」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • confidence [kάnfədəns ] : 「信頼、信用、信任、確かさ、確信、自信」
  • with confidence : 「胸を張って、自信を持って、敢然と」
  • join [dʒɔ́in] : 「結び付ける、結合する、連結する」
  • will [wíl] : 「意志、意欲、願望」
❖ "We will approach ~ "「私たちは自信をもって、この最も幸せで最も神聖な思いに近づくことになる」。"knowing that ~ "「そして、そうすることで、私たちは私たちの意思と神の意思を繋げるのだと知ることになる」。



He wants you to hear His Voice. He gave It to you to be heard.
  • gave [ɡéiv] : 「giveの過去形」
  • heard [hə́ːrd] : 「hearの過去・過去分詞形」
❖ "He wants you ~ "「神はあなたに、神の声を聞いて欲しいと望んでいる」。"He gave It ~ "「神は神の声を、それがあなたに聞かれるようにと、あなたに与えたのだ」。"gave"「与えた」と過去形になっていることからもわかるように、"His Voice"「神の声」とホーリー・スピリットは同一である。神の子が神から分離した後、神は神の声の代弁者としてホーリー・スピリットを神の子の下(もと)に遣わしたのだ。そして、神の子であるあなたがその声を聞いて欲しいとずっと願ってきたのである。



4. Listen in deep silence. Be very still and open your mind. 
  • deep [díːp] : 「深い、深さがある」
  • silence [sáiləns] : 「静けさ、静寂、沈黙」
  • still [stíl] : 「静かな、穏やかな、平穏な、平静な」
❖ "Listen in deep ~ "「深い静けさの中で耳を澄ましなさい」。"Be very still ~ "「とても静かな気持ちになり、あなたの心を開けなさい」。心の奥深くに潜行し、静かな気持ちになって、ホーリー・スピリットの宿る心の扉を開ければいい。



Go past all the raucous shrieks and sick imaginings that cover your real thoughts and obscure your eternal link with God. 
  • past [pǽst] : 「〜のそばを過ぎて、〜を過ぎ去って」
  • raucous [rɔ́ːkəs] : 「耳障りな、騒々しい」
  • shriek [ʃríːk] : 「甲高い声、金切り声」
  • sick [sík] : 「病気の、病気になった、病んだ、異常な」
  • imaginings [imǽdʒəniŋz] : 「想像上の物」
  • cover [kʌ́vər] : 「隠す、ごまかす」
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • obscure [əbskjúər] : 「〜を曖昧にする、見えなくする」
  • eternal [itə́ːrnl] : 「永遠の、不変の、永久の、不滅の」
  • link [líŋk] : 「結び付けるもの、関連性、相互関係」
❖ "Go past all ~ "「あなたの実相的な思いを覆い隠し、あなたが永遠に神と結ばれていることを曖昧にしている、あらゆる耳障りな金切り声や病的な妄想をやり過ごして進みなさい」。あなたの心の中の世俗的な騒々しさを無視して、心の奥深くに潜行する。あなたの頭の中の騒々しいおしゃべりは真実を覆い隠す幻想の騒ぎに過ぎない。気に留めることなく、素通りすること。



Sink deep into the peace that waits for you beyond the frantic, riotous thoughts and sights and sounds of this insane world. 
  • sink [síŋk] : 「沈む、徐々に下がる、落ち込む、沈没する」
  • deep [díːp] : 「深く、深い位置に」
  • wait [wéit] : 「待つ」
  • wait for : 「〜を待つ」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • frantic [frǽntik] : 「取り乱した、半狂乱の、狂乱した」
  • riotous [ráiətəs] : 「大騒ぎの、騒々しい」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界、景色、眺め」
  • sound [sáund] : 「音、物音、響き、声」
  • insane [inséin] : 「ばかげた、愚かな、常軌を逸した、正気とは思えない」
❖ "Sink deep into ~ "「この狂気的な世界の半狂乱、騒々しい思い、光景、音、それらを越えて、あなたを待っている平和へと深く沈んで行きなさい」。



You do not live here. We are trying to reach your real home. 
  • live [lív] : 「住む、居住する、生きている、生存する」
  • reach [ríːtʃ] : 「達する、至る、手が届く、〜に連絡する」
❖ "You do not ~ "「あなたはここに生きているのではない」。あなたはこの世界に生きていると錯覚しているだけ。幻想世界に実在することは不可能なのだ。"We are trying ~ "「私たちは、あなたの本当の家に到達しようと試みている」。"real home"「本当の家」、つまり、実相的な住み家であり、あなたの心の中のホーリー・スピリットが宿る神聖な部分である。



We are trying to reach the place where you are truly welcome. We are trying to reach God.
  • truly [trúːli] : 「全く、本当に、真に、正確に」
  • welcome [wélkəm] : 「歓迎する、喜んで受け入れる」
❖ "We are trying ~ "「私たちは、あなたが本当に歓迎される場所に到達しようとしている」。"We are trying to ~ "「私たちは、神へ到達しようとしているのだ」。あなたが最も純粋で神聖な心の部分に到達したとき、必ずホーリー・スピリットはあなたを歓迎してくれる。神がそれを意思してきたからだ。神の思いが実現したからである。



5. Do not forget to repeat today's idea very frequently. Do so with your eyes open when necessary, but closed when possible. 
  • forget [fərɡét] : 「〜を忘れる、〜を思い出せない」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • frequently [fríːkwəntli] : 「頻繁に、しばしば、たびたび」
  • necessary [nésəsèri] : 「必要な、必須の、欠くことのできない」
  • possible [pάsəbl] : 「可能性がある、あり得る、なし得る、実行できる」
❖ "Do not forget ~ "「かなり頻繁に、今日のテーマを繰り返し述べることを忘れないように」。"Do so with your ~ "「必要なら目を開けて、しかし、出来るなら目を閉じて繰り返しなさい」。



And be sure to sit quietly and repeat the idea for today whenever you can, closing your eyes on the world, and realizing that you are inviting God's Voice to speak to you.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • sit [sít] : 「座る、腰掛ける、着席する」
  • quietly [kwáiətli] : 「静かに、黙って、平穏に」
  • whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも、〜したときはすぐ」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • invite [inváit] : 「招待する、招く、案内する、〜を頼む、懇願する」
  • speak to : 「〜に話し掛ける」
❖ "And be sure to ~ "意訳する、「可能なら静かに座り、確実に今日のテーマを繰り返し述べるように」。"closing your eyes ~ "ここも意訳、「この世界に対しては目を閉じ、神の声があなたに話しかけることをあなたが望んでいるのだと自覚しなさい」。
蛇足になるが一言。神の声、つまりホーリー・スピリットの声を聞くと言っても、あなたの心の中から、まるでスピーカーから音が出てくるように声が聞こえてくるわけではない。そもそも想念は言葉を必要としない。神の声も同様に、言葉の音波として伝わってくるものでないのだ。たとえば、ホーリー・スピリットが『あなたを愛しています』という思いをあなたに伝えるときは、これが音声として心のスピーカーから聞こえてくるのではない。ホーリー・スピリットは、愛という想念を直接あなたに伝えるのである。愛は言葉を必要としないのだ。だから、もしあなたがホーリー・スピリットの声に耳を傾け、ホーリー・スピリットの愛を強く感じられたなら、それがホーリー・スピリットの言葉だと思えばいい。心が静まり、平和を感じたら、それが神の声なのだと知ればいいのだ。そのうち、そういったあなたの思いや感じがあなたのヴィジョンを通して翻訳され、あなたの使う言葉に置き換わって、まるでホーリー・スピリットが言葉を伝えたかのように思える時が来る。確実に、その時は来る。
 
 
 


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