●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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W-pI.34.1:1 ~ W-pI.34.6:4

Lesson 34



I could see peace instead of this.
  • peace [píːs] : 「平和、和平、安らぎ、平安、静けさ、静謐」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
❖ "I could see peace ~ "「私は、これの代わりに、平和を見ることが出来る」。Lesson 33を受けて、苦痛を感じる状況になったとしても、その苦痛の代わりに心の安らぎを感じることが出来るのだ、ということ。"could"とあるので、仮定法であり、言外に、もしそれを望むなら、その気になれば、というニュアンスを含んでいる。



1. The idea for today begins to describe the conditions that prevail in the other way of seeing. 
  • begin [biɡín] : 「 始まる、始める、開始する」
  • describe [diskráib] : 「言い表す、説明する、描写する、表現する」
  • condition [kəndíʃən] : 「事情、条件、状態、状況、様子」
  • prevail [privéil] : 「広がる、広く行き渡る、流行する、普及する」
  • other [ʌ́ðər] : 「その他、ほかのもの、他方」
  • way [wéi] : 「方法、やり方、手段、方途、様式」
❖ "The idea for today ~ "「今日のものの見方は、別の見方をする中によく見られる状況を述べ始めている」。幻想的な見方とは別の、実相的な見方をすれば、苦痛は幻想であって、心の平和が真実であると理解し始める、ということ。苦痛に出会ったら、幻想を赦して真実に目覚めるチャンスを与えられたのだ思えばいいのだ。苦痛と闘うと、戦うことで苦痛を現実化してしまう。逆に、苦痛を幻想として認め、受け入れて受け流すのである。苦痛を赦すのだ。こうして、幻想の苦痛は消滅し、心の平和が舞い戻ってくる。罪の意識も同様であり、ACIMの言うところの贖罪(Atonement)である。



Peace of mind is clearly an internal matter. It must begin with your own thoughts, and then extend outward. 
  • clearly [klíərli] : 「はっきりと、明らかに、明瞭に、疑いもなく」
  • internal [intə́ːrnl] : 「内部にある、内の、内部の、内的な、内在的な」
  • matter [mǽtər] : 「こと、事柄、問題、状況、事態」
  • thought [θɔ́ːt] : 「思い、考え、思考、思索、思想、見解」
  • extend [iksténd] : 「伸ばす、拡張する、拡大する」
  • outward [áutwərd] : 「外側へ、外へ」
❖ "Peace of mind ~ "「心の平和は、明らかに内部世界の事柄である」。平和は外に求めるのではなく、内に求めるものである。したがって、"It must begin with ~ "「心の平和は、あなた自身の思いから始まり、そして、外部へと拡張していく」。心の平和が達成すると、外部世界も平和になるのだ。だから、あなたの心が平和にならない限り、世界は平和になり得ない。



It is from your peace of mind that a peaceful perception of the world arises.
  • peaceful [píːsfəl] : 「平和な、穏やかな、のどかな、おとなしい」
  • perception [pərsépʃən] : 「知覚、認知、知見、見識」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
❖ "It is from your peace ~ "強調構文、「世界を平和だと知覚することが生まれるのは、あなたの心の平和からである」。あなたの心が平和だと知覚出来れば、世界もまた平和だと知覚出来るようになる。



2. Three longer practice periods are required for today's exercises. 
  • long [lɔ́ːŋ] : 「長い、長くかかる」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める、〜に要求する、命じる」
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
❖ "Three longer practice ~ "「今日のエクササイズのために、長めの練習は3回求められる」。



One in the morning and one in the evening are advised, with an additional one to be undertaken at any time in between that seems most conducive to readiness. 
  • advise [ædváiz] : 「アドバイスする、勧める」
  • additional [ədíʃənl] : 「付加的な、追加の、さらなる」
  • undertaken [ʌ̀ndərtéikn] : 「undertakeの過去分詞形」
  • undertake [ʌ̀ndərtéik] : 「企てる、始める、〜に着手する、〜に取り掛かる」
  • at any time : 「いつでも、常に、いつなりと」
  • in between : 「二つのものの間に、中間に」
  • conducive [kəndjúːsiv] : 「資する、貢献する、助けとなる」
  • readiness [rédinis] : 「準備ができていること」
❖ "One in the morning ~ "「朝の1回、晩の1回が勧められる」。"with an additional ~ "意訳する、「加えて、その間で、心の準備が整っていると思えた時間ならいつでも、もう1回、練習をすること」。



All applications should be done with your eyes closed. It is your inner world to which the applications of today's idea should be made.
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • done [dʌ́n] : 「doの過去分詞」
  • close [klóuz] : 「閉じる、閉める」
  • inner [ínər] : 「 内部の、内面的な、精神的な」
❖ "All applications ~ "「今日のものの見方を適用するには、3回とも、目を閉じて行うこと」。"It is your inner ~ "意訳する、「今日のものの見方を適用する世界は、あなたの内部世界だからである」。いつも通り、外部世界を探査するときは目を開けて、内部世界を探査するときは目を閉じて、である。



3. Some five minutes of mind searching are required for each of the longer practice periods. 
  • search [sə́ːrtʃ] : 「探す、捜索する、探る、うかがう」
  • require [rikwáiər] : 「〜を必要とする、求める、〜に要求する、命じる」
❖ "Some five minutes ~ "「(3回の)長めの各練習においては、5分かそこらの心の探査が要求される」。



Search your mind for fear thoughts, anxiety-provoking situations, "offending" personalities or events, or anything else about which you are harboring unloving thoughts. 
  • fear [fíər] : 「恐れ、恐怖、懸念、心配、不安」
  • anxiety [æŋzáiəti] : 「心配、不安、懸念、悩み、心配事」
  • provoke [prəvóuk] : 「〜を引き起こす、招く、起こさせる」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • offending [əféndiŋ] : 「問題になっている、不快にさせる、不愉快な」
  • personality [pə̀ːrsənǽləti] : 「人、人物、個性、魅力」
  • event [ivént] : 「出来事、事件、事象、成り行き」
  • harbor [hάːrbər] : 「心に抱く、〜をかくまう」
  • unloving [ʌnlʌ́viŋ] : 「愛情のない、愛情を表さない」
❖ "Search your mind ~ "「恐れの思いや、不安が引き起こす状況、『不愉快な』人物や出来事、その他、あなたが愛なき思いを抱くようなものを、心の中に探しなさい」。"unloving thoughts"「愛なき思い」とは、愛や喜びや平和を感じさせない思い、つまり、憎悪や嫌悪や嫉妬、怒り、等々のこと。



Note them all casually, repeating the idea for today slowly as you watch them arise in your mind, and let each one go, to be replaced by the next.
  • note [nóut] : 「〜に気付く、〜に気が付く、を気に留める」
  • casually [kǽʒuəli] : 「何げなく、不用意に、平気で」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • slowly [slóuli] : 「ゆっくり、のろのろと」
  • watch [wάtʃ] : 「じっと見る、観察する」
  • arise [əráiz] : 「起こる、生じる、現れる、生まれる、発生する」
  • let go : 「放す、手放す、解放する、捨てる、あきらめる」
  • replace [ripléis] : 「〜に取って代る、〜を交換する」
❖ "Note them all ~ "「そういったものすべてに、気軽に、気を留めなさい」。"repeating the idea ~ "「それらがあなたの心の中に生じるを見つめながら、ゆっくりと今日のテーマを繰り返し述べる」。"and let each one ~ "「そして、その一つ一つを手放して、次の感情に移っていく」。たとえば、誰かに憎しみを感じている自分が見えたら、憎しみを幻想として認識し、手放して、憎悪の変わりに愛を見ることだって出来るのだと宣言すればいい。



4. If you begin to experience difficulty in thinking of specific subjects, continue to repeat the idea to yourself in an unhurried manner, without applying it to anything in particular. 
  • experience [ikspíəriəns] : 「〜を経験する、〜を体験する」
  • difficulty [dífikʌ̀lti] : 「困難、難事、難儀、面倒なこと、問題」
  • specific [spisífik] : 「明確な、はっきり限定された、具体的な、詳しい」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「対象、題材、被写体、主題、題目」
  • continue [kəntínjuː] : 「〜を続ける、継続する」
  • unhurried [ʌnhə́ːrid] : 「急がない、ゆっくりした、慎重な」
  • manner [mǽnər] : 「やり方、方法、態度」
  • without [wiðáut] : 「〜なしで、〜を持たずに」
  • apply [əplái] : 「当てはまる、妥当する、適用される、適合する」
  • in particular [pərtíkjulər] : 「特に、とりわけ、格別に、詳細に、特別に」
❖ "If you begin to ~ "「具体的な対象に思いを向けたときに、もしあなたが困難さを経験し始めるたら、」"continue to repeat ~ "「特別に何かに適用しようとせずに、急ぐことなく、今日のものの見方をあなた自身に向かって繰り返し続ければいい」。たとえば、特定の人に対する憎悪が見えて、それを考えるのが辛かったら、特定の人という具体性を除外して、抽象的に憎悪という感情に対して今日のテーマを述べればいい。



Be sure, however, not to make any specific exclusions.
  • sure [ʃúər] : 「確信して、確信している、固く信じている」
  • however [hauévər] : 「けれども、しかしながら、また一方」
  • exclusion [iksklúːʒən] : 「排除、除外、排他、排斥」
❖ "Be sure, however ~ "「ただし、必ず、特別に除外してしまうことのないようにしなさい」。たとえば、憎悪を考えるのは嫌だから、憎悪だけは除外してしまおう、などと考えないこと。それはそれで、静かに受け止めればいいのだ。所詮、単なる幻想に過ぎないのだから。



5. The shorter applications are to be frequent, and made whenever you feel your peace of mind is threatened in any way. 
  • short [ʃɔ́ːrt] : 「短い、短期間の」
  • application [æ̀pləkéiʃən] : 「適用、応用、活用、利用、充当」
  • frequent [fríːkwənt] : 「たびたび起こる、よくある、常習的な」
  • whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも、〜したときはすぐ」
  • feel [fíːl] : 「感じがする、感じる」
  • peace [píːs] : 「平和、和平、安らぎ、平安、静けさ、静謐」
  • threaten [θrétn] : 「 〜を脅す、脅迫する」
  • in any way : 「何らか、多少なりとも」
❖ 日に3回の長めの練習の他に、"The shorter applications ~ "「より短い適用も、頻繁に行うべきだ」。"and made whenever ~ "「そして、あなたの心の平和が多少なりとも脅かされている感じるときはいつでも、短めの練習をすればよい」。



The purpose is to protect yourself from temptation throughout the day. 
  • purposes [pə́ːrpəs] : 「目的、目標、狙い、意図」
  • protect [prətékt] : 「保護する、守る、かばう」
  • temptation [temptéiʃən] : 「誘惑、衝動、誘惑物」
  • throughout [θruːáut] : 「〜の間中、〜の初めから終わりまで」
❖ "The purpose is ~ "「目的は、一日中、あなた自身を誘惑的な思いから守ることである」。ややもすれば、お金や物質や地位や名誉などの欲に引き込まれそうな毎日であるし、憎悪や怒りや嫉妬などの悪感情に引きずり込まれそうな日々である。心の平和を失いかねない毎日であるが、そんなあなたを、今日のものの見方が守ってくれる。幻想への誘惑から、あなたを守ってくれるのだ。もちろん、あなたを欲に誘っているのはエゴである。したがって、今日のものの見方は、心に不安や欲を抱かせるようなエゴ的なものの見方の他に、心に平和を取り戻すことの出来るホーリー・スピリット的なものの見方があるのだと、宣言することでもある。



If a specific form of temptation arises in your awareness, the exercise should take this form:

        I could see peace in this situation instead of what I now see in it.
  • specific [spisífik] : 「具体的な、詳しい、明確な」
  • form [fɔ́ːrm] : 「形、外形、構造」
  • arise [əráiz] from : 「〜から生じる、〜に起因する」
  • awareness [əwéərnəs] : 「認識、自覚、気付いていること、意識性 」
  • exercise [éksərsàiz] : 「練習、訓練、課題、学課」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • instead [instéd] of : 「〜の代わりに」
❖ "If a specific form of ~ "「もし、誘惑が具体的な形をとって、あなたの意識の中に立ち上がったなら、練習は次のような形をとるべきである」。"I could see peace ~ "「今、この状況にあって私が目にしていることの代わりに、私は、この状況の中に平和を見ることが出来る」。幻想の黒雲の中に、真実の光を目撃することが可能なのだ。



6. If the inroads on your peace of mind take the form of more generalized adverse emotions, such as depression, anxiety or worry, use the idea in its original form. 
  • inroad [ínroud] : 「侵略、襲撃、侵入」
  • generalized [dʒénərəlàizd] : 「汎用の、全身の」
  • adverse [ædvə́ːrs] : 「逆の、逆に作用する、反対の、反対する、敵意を持つ」
  • emotion [imóuʃən] : 「感情、興奮、感性、喜怒哀楽」
  • depression [dipréʃən] : 「落ち込み、意気消沈、絶望、鬱」
  • anxiety [æŋzáiəti] : 「心配、不安、懸念、悩み、心配事」
  • worry [wə́ːri] : 「不安、心配、気掛かり、気苦労、懸念、憂慮」
  • original [ərídʒənl] : 「最初の、初めての、初代の」
❖ "If the inroads on your ~ "意訳する、「もし、より一般的な形をとって、平和とは逆の感情が、あなたの心の平和の中に侵入してきたら、」"such as depression ~ "「それは、たとえば絶望であったり、不安であったり心配であったりするのだが、そんな時は、」"use the idea ~ "「今日のものの見方の元々の形を使えばいい」。漠然とした不安や絶望感があなたを悩ませたら、具体的な形でのテーマの適用ではなく、初めのものの見方を適用すればいい。



If you find you need more than one application of today's idea to help you change your mind in any specific context, try to take several minutes and devote them to repeating the idea until you feel some sense of relief. 
  • help [hélp] : 「助ける、手助けする、手伝う、救う、救済する」
  • change [tʃéindʒ] : 「〜を変える、〜を変更する、〜を変換する」
  • context [kάntekst] : 「事情、背景、文脈」
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • take [téik] : 「〜を要する、必要とする、時間がかかる」
  • several [sévərəl] : 「数個の、いくつかの」
  • devote [divóut] : 「充てる、向ける、ささげる、専念させる」
  • until [əntíl] : 「〜する時まで」
  • sense [séns] : 「感覚、知覚、感触、感じ」
  • relief [rilíːf] : 「安心、安堵、除去、軽減、気晴らし、息抜き」
❖ "If you find you ~ "「もしあなたが、何らかの具体的な事情で、あなたの心を変える助けとするために、今日のものの見方をさらに1回以上適用する必要が見つかったら、」"try to take several ~ "「数分の時間をかけて、その時間を、あなたが安心感を感じることが出来るまで、今日のものの見方を繰り返し述べることに充てなさい」。たとえば、自分のことでも他人のことでも、具体的な心配事が起きたら、1回でも2回でも、心が休まるまで、今日のものの見方を繰り返し述べればいい。



It will help you if you tell yourself specifically:

        I can replace my feelings of depression, anxiety or 
        worry [or my thoughts about this situation, personality 
        or event] with peace.
  • specifically [spisífikəli] : 「特に、明確に、はっきりと、具体的に」
  • replace [ripléis] : 「〜に取って代る、〜を交換する」
  • feeling [fíːliŋ] : 「感じ、感触、感覚、感情、気持ち、印象、感じ」
  • situation [sìtʃuéiʃən] : 「状況、場所、状態、立場、事情」
  • personality [pə̀ːrsənǽləti] : 「人、人物、個性、魅力」
❖ "It will help you ~ "「もしあなたが、具体的にあなた自身に語りかけるなら、助けとなるはずだ」。"I can replace my ~ "「私は、絶望的な感じ、不安、心配、(あるいは、この状況、人物、出来事に対しての私の思い)を置き換えることが出来る」。
 
 
 


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