●  "A Course in Miracles (ACIM)""Text" (1975年版) の英語原文を、単に翻訳するだけでなく、精読、精解していくワークショップです。
●  Title に、たとえば T-26.IV.4:7 とありましたら、これは "Text" の Chapter 26、Section IV、Paragraph 4、Sentence 7 という場所を示しています。
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●  Urtext精読をAmazonからKindle本として上梓しました。



W-pI.30.1:1 ~ W-pI.30.5:4

Lesson 30



God is in everything I see because God is in my mind.
  • everything [évriθiŋ] : 「すべてのもの」
❖ "God is in everything ~ "「神は私の心の中にいるから、神は、私が目にするあらゆるものの中にいる」。あなたが目にするすべてものは、あなたの心が空(くう)なるキャンパスに描き出したイメージであり、幻想に過ぎない。あなたの心の外に実在しているのではないのだ。しかし、幻想は空であるにもかかわらず、その幻想の目的性の中に神の意思が宿っている。ならば、神の意思はあなたの心の中にあって、外にあるのではない。
あなたの心の最も純粋で神聖な部分にホーリー・スピリットが住んでおり、神の祭壇をチャンネルにして、神の意思とコミュニケーションをとっている。神の意思は、あなたの心を通して、あなたに伝えられるのだ。しかし、その心は深い眠りに落ちていて、幻想世界を夢に見ている。そこで神は、幻想の背後にある目的性の中に神の意思を忍ばせて、あなたがそれに気付くの待っている。その手助けをしてくれるのがホーリー・スピリットである。



1. The idea for today is the springboard for vision. 
  • springboard [spríŋbɔ̀ːrd] : 「踏み切板、跳躍版、飛び板」
  • vision [víʒən] : 「先見の明、洞察力、想像力、視覚、視力」
❖ "The idea for ~ "「今日のものの見方は、ヴィジョンへのスプリング・ボードである」。幻想の背後に神の意思が目的性として存在し、ともに、あなたの心の中に存在する。もし、あなたの心の中に、最も純粋で神聖な部分が存在しないなら、あなたには神の意思は見えてこないのだ。しかし、本当は確実に存在している。それに気付くことが必須であり、それをスプリング・ボードとして、真実を見抜くヴィジョンに到達するのである。



From this idea will the world open up before you, and you will look upon it and see in it what you have never seen before. 
  • open up : 「広げる、広がる、開ける、雲が晴れる」
  • before [bifɔ́ːr] : 「前に、前方に、〜の面前で」
  • look upon : 「〜を見る」
  • before [bifɔ́ːr] : 「以前に、前に、早く、先に」
❖ "From this idea ~ "「こういうものの見方から、世界があなたの前に開かれてくるだろう」。幻想の黒雲に覆われた世界であるが、その中に神の意思がキラキラと輝いているのが見えるようになれば、世界のもつ目的性があなたの目の前に開示される。"and you will look upon ~ "「そして、あなたが世界を見れば、その中に、以前には決して見えなかったものが見えてくるだろう」。世界の背後に神の意思を感じ取れれば、世界はあなたの目に、まったく異った光景を見せてくれるのだ。



Nor will what you saw before be even faintly visible to you.
  • saw [sɔ́ː] : 「seeの過去形」
  • faintly [féintli] : 「かすかに、ぼんやりと、ほのかに」
  • visible [vízəbl] : 「目に見える、可視の、可視的な、明らかな」
❖ "Nor will what you ~ "「また、あなたが見ていたものが、かすかに見えるだけになってしまうだろう」。世界の目的性が見えるにしたがい、それに反比例して、世界の幻想性が薄れてしまう。



2. Today we are trying to use a new kind of "projection." 
  • try [trái] : 「試す、やってみる、試みる、企てる」
  • use [juːz] : 「使う、利用する、生かす、働かせる」
  • kind of : 「〜のような種類の」
  • projection [prədʒékʃən] : 「投影、射影、投射、映写」
❖ "Today we are trying ~ "「今日は、私たちは、新しい種類の『投影』を使ってみようと思う」。普段我々は、心に思ったことを心の外の世界に投影して、そこに幻想のイメージを作り出している。今日は、いつもと違った形で、投影を行ってみる。



We are not attempting to get rid of what we do not like by seeing it outside. 
  • attempt [ətémpt] : 「〜を試してみる、〜を企てる」
  • get rid of : 「取り除く、駆除する、追放する、逃れる」
  • outside [áutsáid] : 「外側に、外部」
❖ "We are not attempting ~ "「私たちが好まないものを、外部に見ることで(心の中から)排除しようと試みないことにする」。普段は、こんなことをしているのだ。たとえば、自分自身に対する嫌悪の感情を外部世界に投影して、他者を悪者に仕立て上げ、その他者を憎悪して攻撃するのだ。そうすれば、あたかも、自分の心の中の嫌悪の情が排除されたと錯覚するのである。今日は、そのような投射を行わない練習である。



Instead, we are trying to see in the world what is in our minds, and what we want to recognize is there. 
  • instead [instéd] : 「代わりに、それよりむしろ、そうしないで」
  • recognize [rékəɡnàiz] : 「〜を認識する、認める、受け入れる」
❖ "Instead, we are trying ~ "「その代わり、私たちは、心の中にあるものを、あるいは、心の中にあって欲しいと認めるものを、この世界の中に見ようと努めるのである」。あなたの心の中に神の意思が存在するのだから、それを外部世界に投射して、幻想の中に神の意思を見ようと努めるのである。



Thus, we are trying to join with what we see, rather than keeping it apart from us. 
  • thus [ðʌ́s] : 「それ故に、従って、このようにして」
  • join [dʒɔ́in] : 「参加する、交わる、一緒になる、結合する」
  • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
  • keep [kíːp] : 「保つ、〜の状態にしておく」
  • apart from : 「〜から離れて、〜は別として」
❖ "Thus, we are trying ~ "「こうして、私たちは、目にするものを私たちから引き離しておく代わりに、それと結合しようとするのである」。真実は心の中に隠し持った形ではなかなか気付かないので、それを外部世界に投射し、それを見ることで、真実と一体化するのだ。神の意思を幻想の背後に投射してそれを目撃し、神の意思と一体化するのである。



That is the fundamental difference between vision and the way you see.
  • fundamental [fʌ̀ndəméntl] : 「基礎の、基本的な、根本的な」
  • difference [dífərəns] : 「相違、相違点、異なる部分、区別、差別」
  • between [bitwíːn] A and B: 「AとBとの間に、AないしB」
❖ "That is the fundamental ~ "「これが、ヴィジョンとあなたのものの見方の間の根本的な違いである」。あなたは悪感情を他者の上に投射し、自分の悪感情から逃れようとし、ヴィジョンは、心の中の真実を外部世界に投射して、それを見ることで真実と一体化する。この違いは大きい。



3. Today's idea should be applied as often as possible throughout the day. 
  • apply [əplái] : 「適用する、応用する、利用する、当てはめる」
  • as A as possible : 「できるだけAの」
  • often [ɔ́fən] : 「しばしば、たびたび、ちょくちょく」
  • throughout [θruːáut] : 「〜の至るところに、〜の間中」
❖ "Today's idea should ~ "「今日のものの見方は、一日を通じて、出来るだけ頻繁に適用させるべきだ」。



Whenever you have a moment or so, repeat it to yourself slowly, looking about you, and trying to realize that the idea applies to everything you do see now, or could see now if it were within the range of your sight.
  • whenever [hwènévər] : 「〜するときはいつでも、〜したときはすぐ」
  • moment [móumənt] : 「わずかの間、一瞬、瞬間」
  • repeat [ripíːt] : 「〜を繰り返す、〜を繰り返して言う」
  • slowly [slóuli] : 「ゆっくり、のろのろと」
  • look about : 「周りを見回す、周囲に気を付ける、目を配る」
  • realize [ríːəlàiz] : 「〜に気が付く、悟る、自覚する、実感する」
  • apply [əplái] : 「当てはまる、妥当する、適用される、適合する」
  • within [wiðín] : 「〜の中に、〜の内側に」
  • range [réindʒ] : 「範囲、距離、限界、領域」
  • sight [sáit] : 「視力、視覚、視野、視界、景色、眺め」
❖ "Whenever you have ~ "「1〜2分時間があったら、今日のものの見方をゆっくり自分に向かって繰り返し述べ、」"looking about ~ "「あなたの周りを見渡して、あなたが今目にしているものすべてに、あるいは、もしそれがあなたの視野の範囲内にあったなら今見えるに違いないと思えるものすべてに適用出来るのだと認識するようにしなさい」。後半部分に仮定法が入ってきているので、ちょっと難しい言い回しになっている。今目の前になかったとしても、もしあったら目に見えるであろう物に対しても、今日のものの見方が適用できることを認識しなさい、ということ。



4. Real vision is not limited to concepts such as "near" and "far." 
  • real [ríəl] : 「実在する、現実の、実際の、本物の」
  • limit [límit] : 「〜を限定する、〜を制限する」
  • concept [kάnsept] : 「概念、観念」
  • such as : 「例えば〜など」
  • near [níər] : 「近い、近くにある、接近した」
  • far [fάːr] : 「遠い、遠くへの」
❖ "Real vision is not ~ "「実相的なヴィジョンは、『近い』とか『遠い』というような概念に制限されない」。だから、目の前にない物に対してもヴィジョンは適用出来るのだ。実相は無時間、無空間の世界であるから、実相的なヴィジョンも時間や空間の制限を受けない。



To help you begin to get used to this idea, try to think of things beyond your present range as well as those you can actually see, as you apply today's idea.
  • help [hélp] : 「助ける、手助けする、手伝う、救う、救済する」
  • begin [biɡín] : 「〜を始める、〜に取り掛かる、着手する」
  • get used to : 「〜に慣れる、〜になじむ」
  • think of : 「〜のことを考える」
  • beyond [bijάnd] : 「〜の向こうに、〜を越えて、〜を過ぎて」
  • present [préznt] : 「現在の、今の」
  • range [réindʒ] : 「範囲、距離、限界、領域」
  • as well as : 「〜と同様に」
  • actually [ǽktʃuəli] : 「実際は、本当は、実は、実のところ」
❖ "To help you begin ~ "「あなたが今日のものの見方に慣れ始めるのを助けるために、」"try to think of ~ "「今日のものの見方を適用するに当たって、あなたが実際目に出来るものと同様に、あなたの今の視野を越えた物を考えて見なさい」。目には見えないが、想像して、見えているものとして、今日のものの見方を適用するのだ。



5. Real vision is not only unlimited by space and distance, but it does not depend on the body's eyes at all. The mind is its only source. 
  • unlimited [ʌnlímitid] : 「制限のない、無制限の、自由な、限りない」
  • space [spéis] : 「空間、余白、場所、スペース、空き地」
  • distance [dístəns] : 「距離、間隔、隔たり」
  • depend [dipénd] on : 「〜によって決まる、〜次第である、〜に頼る」
  • not at all : 「 全く〜ない、全然〜ない、少しも〜ない」
  • source [sɔ́ːrs] : 「もと、源、起源」
❖ "Real vision is not ~ "「実相的なヴィジョンは、空間や距離の制限を受けないばかりか、肉体的な目にまったく依存しない」。実相的なヴィジョンは、言い換えれば、心の目で見るのであって、肉体的な視覚に依存しない。つまり、目に見えないものは、心の目で見ればいいのだ。"The mind is ~ "「心こそが、唯一のヴィジョンのソースなのである」。心の目で見る、とは言ったが、言うは易く行うは難し、である。今日うまくいかなかったとしても、明日もうまくいかないと誰が断言出来るだろう。心の目で見たいと強く意念することが大切なのだ。



To aid in helping you to become more accustomed to this idea as well, devote several practice periods to applying today's idea with your eyes closed, using whatever subjects come to mind, and looking within rather than without. Today's idea applies equally to both.
  • aid [éid] : 「〜を援助する、〜を支援する」
  • become [bikʌ́m] : 「〜になる」
  • accustomed [əkʌ́stəmd] : 「〜に慣れて、習慣の」
  • as well : 「同じに、同様にうまく、おまけに、その上」
  • devote [divóut] : 「充てる、向ける、ささげる、専念させる」
  • several [sévərəl] : 「数個の、いくつかの」
  • practice [prǽktis] : 「練習、訓練、演習、実践、実行、履行」
  • period [píəriəd] : 「期間、時期、時間」
  • closed [klóuzd] : 「閉ざされた、閉じた」
  • whatever [hwʌtévər] : 「どんな〜が〜でも、どんな〜を〜しても」
  • subject [sʌ́bdʒikt] : 「対象、題材、被写体、主題、題目」
  • within [wiðín] : 「中、内部、内側」
  • without [wiðáut] : 「外、外部、外側」
  • rather than : 「〜よりはむしろ、かえって」
  • equally [íːkwəli] : 「同じように、同様に」
❖ "To aid in helping you ~ "「さらにその上に、今日のものの見方にもっと慣れるようになるための手助けとして、目を閉じ、心の外を見るというよりは内側を見るつもりで、心に浮かんだことなら何にでも、今日のものの見方を適用させる数回の練習に専念しなさい」。"Today's idea ~ "「今日のものの見方は、内外ともに等しく適用出来る」。
 
 
 


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